後日譚その3 ミャー急成長……?
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「お兄ちゃん。最近ミャーがおっきくなってきた気がするの」
ある日の晩、ローアはそう言いながら、抱えていたミャーを掲げた。
ミャーは「にゃーん」と猫っぽく鳴いたが、確かに前よりふた回りほど大きくなった気が。
「成長したらどんな魔物か分かってくるって話だったし、今度クズノハに聞いてみるか」
「うん! ミャーならどんな魔物でも大人しいままだと思うから。思い切って聞いても大丈夫かなーって」
魔物は幼い頃は爪も牙も翼も発達していないから、どんな魔物か判別しにくいのだ。
ここは博識のクズノハに、明後日遊びにきた際にまた聞いてみようかと思い、その日は眠りについた。
***
……翌朝、信じられないことが起こっていた。
「ミャー、でかくないか!?」
「にゃおーん」
ミャーは膝に乗るサイズから、机くらいの大きさになっていた。
昨日までのミャーはローアのぬいぐるみ状態だったのに、今朝からはミャーがクッション代わりにされている始末だった。
「あ、お兄ちゃんおはよ〜! 見て見て、ミャーがおっきくなったの! 寝る子は育つって本当だね!」
「いやいやいやいや。育ちすぎだから。でも魔物だから成長期ってこんなもんなのか……?」
クズノハがくるのは明日だ。
どこまで大きくなるのか分からないが、クズノハが腰を抜かすのは間違いないだろう。
そうして……さらに翌朝。
ミャーは最早クッションどころか、荷車サイズに成長していた。
「ミャー、部屋から出られるのか……?」
「みょーん」
するとミャーは体をくねらせ、器用にドアから抜け出た。
猫の体は柔らかく、時に「実は流体なのか?」とまで言われるレベルだが、やはりミャーも猫魔物の類では間違いなさそうだ。
しかし相変わらず大きさ以外はただの猫、正直本当に魔物なのかと思う。
そのままローアと一緒に巨大化したミャーと戯れることしばらく、クズノハが家に顔を見せる。
そこでこれまでの経緯とミャーについて話すと、クズノハは言った。
「うーむ、ミャーは恐らく【魔神】のダンジョンから生まれた存在。ある意味、突然変異的な魔物なのかもしれん」
「……ってことは?」
「これ以上巨大化する恐れもあるということだ」
「ミャーの食事、ちゃんと準備できるだろうか……」
ローアたちもかなり食べるのに、これでミャーも大食いになったら我が家の食糧事情は壊滅的に……っ!?
***
「うっ……うーん」
「お兄ちゃん、起きて、起きてー!」
体を揺すられ、朝日をまぶたに浴びてはっと目を覚ます。
するとローアが小さな両手で俺を起こしていた。
「おはよ、ローア。あれっ、育ちすぎたミャーは……?」
「……? ミャーはこの通りだよ?」
ローアは膝の上に乗せていたミャーを見せてくる。
相変わらず猫にしか見えないが、それよりもサイズは小さいまま。
……つまりこれは。
「お兄ちゃん、大分うなされてたけどどんな夢を見てたの?」
「……いや、なんでもないよ。でも夢でよかった……」
ミャーがあんなサイズになったら、食事で困らせてしまう。
ただ、ミャーは成長途中だから、将来ああなる可能性もあるわけで……。
「本格的にクズノハに相談しておこうか」
なお、遊びに来たクズノハ曰く「ミャーはそこまで大きくなるタイプではないのは間違いない。安心するがよい」と太鼓判を押され、ようやく落ち着いたのだった。




