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めがね戦争  作者: 残念眼鏡
2/2

第1話『ホウレンソウ』

おはこんばんにちわ、残念眼鏡です(*・ω・)ノシ

見つめて下さってありがとうございます。

そしてプロローグも読んで下さってくれた方、ありがとうございます!!


今更ながら…目神たちの名前漢字をつけました

とりあえず計画も立ったところで、あのオッカナイ大眼鏡ノ命(おおめがねのみこと)報告しに行かねばならないのだが。




『さぁ、誰が行く?』




互いの顔を見合わせるが、誰も動こうとしない。

それはそうだ。

数時間前散々怒られ、大眼鏡ノ命の貯えた長さ30センチの顎ヒゲを散々拝んできたのだから。


遠慮という名の押し付け合いが始まった。


「おいろ行きや!ちょうど良いやん、ネイルついでに!!」


「え、え~?うちやだぁ~ネイル行くのやめたしぃ…。無月(むつき)が行きなよ」


「いーやあたしゃ行かん!!生理的に無理!!発案者の(えん)が行って!!」


「案を出すまで成長したんやから行ってくれたって良いやんかぁぁ!もーっ、(まとい)ちゃんが行ってよー!!!!」


「さすがに断固拒否ちや!遠慮しちょくって!!あんたらが行きや!!」



しばらく押し付け合いは続き、ギャーギャーと騒いでいたが、




「うっさいわよ、駄目神!!!とっとと仕事しな!!!」

と、他の女神に怒られたので黙り込んだ。





外の湿気と、会議室のどんよりさで、今にもカラフルな危ないキノコが生えそうな雰囲気を醸し出している。

目神たちも一応女なので、『()()()()()()()』といって大喜びしそうな雰囲気だが、そんなことをやっている場合ではない。








しばらくの間沈黙が続いた。











ザーーーーーーーーッ













流石は梅雨。相変わらず雨は止まないし、沈黙のせいで雨の音が尚更五月蝿く感じさせた。



「報告!連絡!相談!貴様ら何故そんな事も出来んのだ!このポンコツ駄目神!!!!業績がこんなに出せない神は他にいないぞ!!そろそろクビにするぞ!!!!」


絶妙に似ていない、大眼鏡ノ命のモノマネをぶちかまし沈黙を破ったのは、何と…お彩だった。


大眼鏡ノ命のトレードマークである30センチの顎ヒゲをホウレンソウで表現している。



どうしよう…あまりに似てない…。

あとホウレンソウどっから出したの…。


縁、無月、纏は反応に困って、真顔になっていた。




きっとクオリティが高かったら笑えていただろう。




お彩は羽ばたきそうな目でキッと睨み、

「な、その顔は何よぉ~!ちったぁ笑ってやぁ~!!」

と言った。



華麗にスルーを決め、纏が続ける。



「で、どうする?」


「大眼鏡ノ命さまって、ホウレンソウには半端なく五月蝿いからなぁ…ふぉぉぉ…おっかねぇ!」


「ちぇ、恥を忍んで笑わせにかかったのにぃ…皆フル無視するやんん…」


「い、一応面白かったよ、お彩!元気出しなって!!あ、あはっ、んっはっは!!」


「フォローが痛いよぉ~!も~!」


「まぁお手持ちのホウレンソウでも食べて元気出せ!!」


スベったのを未だに引きずっている纏のフォローに無月が回っている。



「1日に2回も大眼鏡ノ命さまに遭遇し酔うもんなら、縁ちゃん次こそ漏らしちまう…」


「いや肛門括約筋緩すぎやきね、それ!!」


「そっちじゃないもん、小やもん!!」


「突っ込みどころはそこじゃないちや!縁、アンタ女の子(仮)なんやき、そんな事言いな!!」


「待って、纏ちゃん酷いよぉぉ!!!!大やなくて小やってばぁぁぁ!!」


「いや、(仮)の部分に突っ込みな?!」


縁と纏のやり取りはリズムが良い。



ここは会議室ではなく、漫才のコンサート会場なのだろうか。















3時間ほどが経過し、目神たちが出した結論は。








『今日は帰る』








満場一致で可決。









『明日こそは計画を伝える人を決めよう。』



四人は会議室に置いてきたホウレンソウに誓いながら帰って行った。











さらにその頃、大眼鏡ノ命はー…。


「あのポンコツ駄目神たちはどこ行った?!」


「駄目神だけに駄目です、大眼鏡ノ命さま!!会議室には()りません!!」


「貴様何ダジャレかましてるんだ!!!鼻もっと低くするぞ!!!!!!」


「ひぃっ、ご、ごめんなさい!!」


このオドオドしつつも、大眼鏡ノ命相手にダジャレをかます度胸を兼ね備えているのは助手:鏡子(きょうこ)である。


極度に視力が低く、昔ながらの分厚い受験生眼鏡をかけている。

身長145センチとかなり背が低く、そして鼻も低いので眼鏡がズリ下がるのも悩みだ。


「か、代わりにですが…大眼鏡ノ命さま?」


「何だ?」


「ホウレンソウが置いてありました…結構立派なホウレンソウです。やっぱりあれじゃないですかね、目神ちゃんたち的には大眼鏡ノ命さまの貧血を治してあげたいんじゃないかと…」


「…そんなもんだろうか」


鏡子からホウレンソウを受け取り、ジッと見つめる。



「駄目神には違いないが、あいつらにはあいつらなりに良い所があったんだな。」






なのに俺は…。




ホウレンソウを見つめて、1人1人の顔を思い出していた。




縁、無月、纏、お彩。





神界の中で成績がトップクラスに悪い4人組だが、神界の中でトップクラスに優しく思いやりがある子たちなのを忘れていた。


そして、もう1つ忘れていた。



『頭ごなしに否定し、業績が悪いと怒鳴る上司にだけはなりたくない。』

『そんな大人にだけはなりたくない。』

『部下の内面をよく見て、頑張りを認める上司になるんだ!』

と若い頃はそう思っていたのに、地位を得た俺は…気付けば1番なりたくない大人になっていた。



すまぬな、目神たちよ。

いつも怒ってばっかりで。

内面を見てやらなくて。

頑張りを認めてやれてなくて。




目頭がジーーンときて、視界がかすみ始めた大眼鏡ノ命。






が。









「まぁ貧血の人って、鉄不足でイライラするって言いますしね!やし、たしかイライラする時は牛乳飲めって言いますもんね!!ほら、大眼鏡ノ命さまってしょっしゅうイラついてるから!!血圧もやばいですしね!!」


ペラペラーっと、満面な笑みで鏡子は言った。









ニンゲン界ではこれを『余計な事』という。








「鏡子ぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


「…ん?私何か言った??あ。」





ピカッ、ゴロゴロゴロゴロ!!!!




神界は相も変わらず天気が悪い。

どうでしたでしょうか?


目神たちは未だにニンゲン界に行けてすらないので、まだまだ続きます笑笑


読んで下さってありがとうございました♪

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