4話
檻の中を見ると
天井からの鎖が両手に繋がられて、服はボロボロ。
全身のいたるところに噛み傷があり、長い金髪がホラー映画の女幽霊のように垂れ下がっていた。
髪の隙間からは焦点の合わない死んだような碧い瞳が覗かれる。
年の頃は十四、五歳くらいだろう。随分やつれているし生傷や髪でわかりづらいが、
それでも昔は美しい容姿をしてたのだろうとよくわかる。
「お前人間か?」
質問としては可笑しいかもだが生きている人間をユウは初めて見た。
今までは食い散らかせた後の残骸(人間?)だったため
ゴブリンになってから初めての生きた人間との出会いだった。
「えっ?」
女は首を左右に振り見渡すがそこには人はいない
目の前にゴブリンが1匹いるだけだ。
「だから人間か?」
「ゴブリンが喋った・・・
フフッ・・・あなたがボスだったのね・・・」
「ボスは別だぞ」
「えっ…
ゴブリンキングが2匹なんて…
そんな・・・」
女は悲壮感たっぷりの顔をする。
こいつ話し聞かない系だと思った・・・
とりあえず生きてる間に聞きたいことを聞こうと思い
質問することにした。
「おい、この近くに街はあるのか?」
女は返事しない。
ユウは落ちてある小石を女に投げつけた
「痛いっ!」
「おい、この近くに街はあるのか?」
「知っていても言うわけないじゃない。
どうせ私はこのまま・・・」
ユウはこれをチャンスだと思った。
女は冒険者らしき格好をしているので
こいつを上手く利用すれば自分もここから出れる。
そう思い女と取引することにした。
「おい、俺と取引しないか」
「ゴブリンの×××を舐め×××とかクソくらえよ」
「なんか勘違いしてるし、時間も無いから簡単に言うぞ」
見張りも来るだろうと思い女に取引内容を説明した。
逃がすチャンスをやるかわりに
俺を無事に洞窟から逃がすこと。
そして俺には洞窟を出ても危害を加えないこと。
「そんな簡単なことで良いなら任せて
そういって裏切るのは無しだからね」
「お互い様だ」
心配毎は多いが…
ボスがわざわざ檻に入れていることを考えると
今までの冒険者と違い何かあるはずだと思い決心する。
ユウはそういっていつもの作業に戻る。
その後、なかなか戻らないユウを不審に思い
ボスの獲物に手を出そうとしてると思われ
他のゴブリン達にボコボコにされた。
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ボスの部屋にて
「ボス、あいつ喰わないんすか?」
「ボス、俺にも少し分けてくださいよ。」
「まぁ待て待て。あいつが生きていれば他の新鮮なエサもやってくる。
それまでのお楽しみだ。」
「でも少しだけ味見は・・・」
「そうだな…だがお前達途中で我慢できるか?
人間はすぐ壊れるからな
あと2-3日待って来ないようだったら喰うか
そん時は少し分けてやる。」
「「「流石ボスです!」」」
どうやら明日までは大丈夫そうだな…
俺はその会話を聞き少し安心するがゴブリンなので守るはずもないと思い
寝静まって見張りが手薄になってから決行することにした。
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それにしても不思議な魔物だった。
明らかに知能が高く、進化しているはずだが
見た目は他の下級ゴブリンと変わらない。
そして本人もキングではないと否定している。
もしかしたらキングより上ではとも考えたが・・・
そんな話は聞いたことはない。
それに疑問に思ったのが
ここから出たいと言っていることだ。
普通のゴブリンならそんなことは言わない。
もし取引するとすれば出ていくのではなくキングを殺すことを条件に出すはずだ。
だから私は条件をのむことにした。
まぁ断る事は出来ない状況だけど・・・
「でも本当にに何者なんだろう…」
女は小さく呟く。
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