良い、歌詞作り
タイトルの良いことを良いに省略してみた。
「で、前回は日常から始まったので、今回は戦闘シーンからです。前回、追い返された黒い魔法少女が呼び戻されたのでした。」
ここは渋谷のマンションの屋根裏部屋。
「黒い魔法少女!? 誰だ!? おまえは!?」
「私はイスラ。キャラの墓場から舞い戻ってきた。」
「キャラの墓場!?」
説明しよう。キャラの墓場とは過去の作品で登場したけど、使われなくなったキャラクターが眠っている。これもリサイクルの精神である。またはキャラ作りの手間を省いている。
「そうだ。今回、昔の三巨頭からドキ子も7位まで転げ落ちているが、今までヒーロー側にいた私が、遂に悪役側に回されたのだ! 悲しいぞ!」
1年間に何人かは新しい正義のヒーローが増えるから、古いキャラクターが劣化するのは仕方がない。
「そうか。1話を、ほんのおねえさんで初めて、本の中身で、平凡な日常や戦闘シーン、アイドルを行い、ほんのおねえさんで終えればいいんだわ。」
ほんのおねえさんのオープニングトークで前までの話をし、ほんのおねえさんで最後の挨拶をすればいいんだ。中身はその時々でいいや。
「もしもし、私の話を聞いていますか?」
「え? あ、ごめんなさい。ちょっと考え事すると他人の話を聞かないのよね。なんだっけ?」
栞は、そいう奴である。
「バカにするな! これでも私は、昔は主人公。テロリストを司る魔法少女の恐ろしさを思い知らせてやる!」
「ストップ。既に軍事を司る魔法少女がいるんだけど、能力被りは、ちょっと困るわ。」
栞は、相手を傷つけないように遠回しに断る。
「ガーン!? どうせ私なんか、どうせわたしなんか。ウエエエ~ン。」
「それに、もしかしたら、もう10万字を超えているかもしれないのよ。だから悪者役は、もうちょっと登場を待ってね。」
第8の魔法少女は、またしても自宅待機を言い渡される。
「昨日、お鍋をしようとしたら、ガスボンベが無かったので、火炎放射器で鍋の火をつけました。泪です。」
「朝食を食べようと思ったら、お昼だったのでモーニングの時間を13時まで延長しました。結です。」
「私の禁呪魔法が炸裂しました。アマゾンンと楽天天のネット通販同時注文! 恵です。」
「栞お姉ちゃん、なんか、大喜利利の登場シーンみたい。谷子です。」
「zzz」
祐名はいつも眠っている。
「カワイイは罪。かわいい微笑みも罪。ドキ子です。」
「どうも、司会進行役の栞です。」
本当に魔法少女7人で一言を言うだけで大量に文字数を使ってしまう。
「みなさん、今流行りのアイドルになりたいですよね。」
「なりたい! かわいいドキ子はアイドルになる資格があります!」
「それでは魔法少女48のみなさんに今日の作詞のお題です。外が寒いので、今日のお題は、冬です。冬で思い出すことを言って下さい。面白い答えには座布団を差し上げます。」
「座布団は要らないよ。栞お姉ちゃん。」
こうして魔法少女48の歌詞作りが始まった。
「はい!」
「泪ちゃん。」
「冬といえば、戦地でも美味しく食べれる温かいカップラーメンです!」
「おもしろいね。ケーリーとバーキン、泪ちゃんに座布団1枚を差し上げて。」
「ワン。」
「ニャア。」
犬と猫が座布団を運んで行く。
「はい!」
「結ちゃん。」
「冬は温かいジンジャーハイボール!」
「未成年はアルコールを飲むな!」
「恵、コタツとみかんとネット通販!」
「谷子、コタツで読書。」
「zzz。」
冬は冬眠の祐名。
「冬はドキ子! 春もドキ子! 夏もドキ子! 秋もドキ子! だってカワイイもん!」
「こんなことで、歌の歌詞ができるのか?」
栞は恐怖で寒気を感じて、冬を感じた。
つづく。




