良いこと、構成
ここは渋谷のマンション。
「魔法少女も7人まで増えて使い勝手が良くなるだろうから、そろそろメインストーリーを考えようかな。」
谷子は本の執筆中である。10万字で良いのに9万字を過ぎてからメインストーリーを考え出す。
「8人目が出来ると、魔法少女神7から1人は脱落する訳で、人気競争が激しくなる。セクハラがあるから芸能事務所制も廃止、CDかったら投票用紙がもらえるも廃止、1000円でCD買ったら、5万円払うキャバクラに行けない奴でも、合法的に若い女の子の手が握れるも廃止。おまけに水着などの露出多めの撮影も禁止。お金にも困っているんだろうけど、アイドルになれるよって言うだけで、若い女の子を自由自在に洗脳できるんだ。恐ろしい。」
警察に捕まらないんならアイドルビジネスは面白そう。売れなかったアイドルは夜のお仕事の道に進むか、引退して結婚できれば良い方なんだろう。
「ダメだ!? 魔法少女48路線でいくと、完全アイドルアニメの1曲5分も歌を歌い続ける展開が目に浮かぶ!? 2曲で10分!? 3曲で15分!? ほぼ歌だけでストーリーが進まない!?」
それでも大人気アイドルもの。キャラクターと設定を変えただけの類似品がたくさんできても大人気のアイドルもの。アイドルものの声優さんのコンサートも満員御礼。逆にいうと、異世界ファンタジーを含め、他の作品がコケ過ぎなのだろう。
「うわあ!? アイドルものも捨てられない!? 歌はオープニングの主題歌とエンディングソングを歌うという逃げ方もあるのに。そうか! 歌で中抜きしてメインストーリーを考えない方向は最初から手抜きなんだ!」
アイドルもののストーリー。普通の女の子たちなので、日常モノの軽いものしか話は描けないから。歌で5分経過させる方が、戦闘シーンのド派手演出と同じか。
「魔法少女の戦闘シーンのある異世界ファンタジー、現代ファンタジー、SF、ゲーム、恋愛、仕事などと、魔法少女48のアイドルコンサートの融合。30分アニメで考えると、オープニングで魔法少女48として歌を歌うで5分。女子高生として事件が起こるで5分。女子高生として捜索するで5分。女子高生として犯人が分かったで5分。魔法少女としてアニメうけする戦闘シーンで5分。エンディングを魔法少女48として歌を歌って、さようなら。」
最強の構成は、歌、戦闘、歌、戦闘の繰り返しの30分アニメか。
「ダラダラ日常生活は、起承転結の起承に当たるのか。日常もの30分アニメは飽きておもしろくないのが多いのは、長くダラダラしてるからか。楽して儲けるのは難しいな。」
1億冊以上の本を読み、その知識を脳に記憶している本好きの谷子は、脳みそに眠っている知識をフルスピードで回転させて思い出す。
「見えた! オープニングで魔法少女48が歌を歌うアイドルもの、起承が女子高生の日常もの、転が魔法少女で戦闘もの、結で魔法少女48で歌を歌うアイドルもの。エンディングも魔法少女48が歌を歌うアイドルもの。これだけ盛り込めば許されるはず!?」
戦闘シーン、アイドル歌シーンだけしか現代人の心に響かないのかな。
「あ!? 起をほんのおねえさんに置き換えるという手もある。これはオリジナルでウケるだろう。ウッシッシ。」
谷子は不気味に笑う。これで谷子が楽してサボれる、毎回同じのテンプレ対応が完成した。
「でもなんだろう? この違和感というか、疎外感は!? 」
例えると、起、メガネ君がガキ大将にいじめられる。承、メガネ君が未来から来たタヌキに泣きつく。転、毎回違う面白アイテムでガキ大将に復讐する。結、メガネ君がやり過ぎて自爆する。ドラえもんん、ロングセラーアニメになる訳だ。素晴らしい、テンプレ。創作する苦労、ほぼなし。
つづく。




