良いこと、ドキ子
ここは魔法学校渋谷高校の教室。
「谷子ちゃん、何か忘れてない?」
土器ドキ子が谷子の元にやってきた。
「うわあ!? 別に忘れてないよ。」
「本当に忘れてない?」
さらにドキ子は谷子に聞き直す。
「谷子ちゃん、魔法少女を募集しているんでしょ?」
「うんうん、してない。」
谷子はドキ子が苦手なので、魔法少女を募集していないと否定する。
「どうして!? どうしてドキ子に声をかけないの!? 谷子ちゃん! ドキ子と大の仲良しでしょう! 谷子ちゃんの望みなら、ドキ子が魔法少女になってあげる!」
「いいえ、結構です。」
ドキ子は出番が欲しいので、魔法少女になりたい。しかし谷子はドキ子を魔法少女にしたくない。
「ドキ子ね、魔法の呪文も考えたのよ。ドキ・ドキ・ドキ子! どう? 完璧でしょ。キャハハハハハ!」
ドキ子は土足で魔法少女の座をゲットしようとしている。
「ドキ子! 魔法少女には簡単には慣れないわよ!」
「出たな! お邪魔虫!」
「ゲジゲジ眉に言われたくないわよ!」
ドキ子と栞は目から光線を出し合う。二人は谷子を巡って仲が悪い。
「二人とも、良い子のみんなの作品を目指すんだから、仲良くしてね。」
「分かった。谷子ちゃん、その代わり魔法少女にして。」
「カワイイ怪獣ちゃんの頼み事なら仕方がない。」
仲の悪い栞とドキ子も谷子のためなら、仲良しになれる。
「ドキ子、魔法少女になるためには、魔法少女の過半数の承認を得なさい! そうしなければ魔法少女になることはできないわよ!」
「なんですって!?」
この魔法少女になる設定は、栞の嘘である。
「そんなことは簡単よ。かわいいドキ子に不可能の文字はない!」
自信満々のドキ子。
「で、何人にOKしてもらえばいいの?」
「魔法少女は6人だから、3人よ。」
「そんなにいるの!? おかしいでしょ!? どうしてドキ子が魔法少女になってないのよ!? 昔は、ドキ子、谷子ちゃん、おまけの栞の三人衆でやってきたじゃない!?」
「そうだったかしら。」
ドキ子、過去の栄光である。
「魔法少女6人? おまけの栞、泪ちゃん、結ちゃんは分かるけど、後の3人は誰よ?」
「恵、恵比寿高校にいるから、会いに行くのは無理よ。」
「次は?」
「カワイイ怪獣ちゃん。」
「谷子ちゃん!? 酷い!? ドキ子より先に魔法少女になるなんて!?」
「いや、私は、もう魔法少女を卒業した仮メンだし。」
「なら谷子ちゃんはドキ子が魔法少女になってもいいってことよね! はい! これで1人の承認をもらったわよ! キャハハハハハ!」
「私、何も言ってない。」
ドキ子は魔法少女になるための承認を1人ゲットした。
「最後の一人は?」
「祐名。」
「祐名ちゃん!? 酷い!? ただ眠っているだけじゃない!?」
「zzz。」
ドキ子は眠っている祐名の側に行き耳を近づける。
「ふむふむ。」
ドキ子は納得して帰ってきた。
「祐名ちゃんが、かわいいからドキ子が魔法少女になってもいいって!」
「寝てる人間がじゃべるか!?」
「これで、あと1人ね。」
ドキ子は魔法少女になるための承認を2人ゲットした。
「おまけの栞、泪ちゃん、結ちゃん、かわいいドキ子が魔法少女になってもいいわよね?」
「魔法少女の結束が乱れる。」
「プチ原爆を落とすよ。」
「おいしいお茶が濁る。」
「諦めなさい! 泪と結は私の味方よ! ドキ子! あなたは魔法少女にはなれないのよ!」
「クソッ!?」
栞、泪、結の3人の魔法少女の結束は固かった。
「でも、ドキ子はカワイイを諦めない!」
のちにドキ子は恵比寿高校まで行き、恵を脅迫して魔法少女の過半数の承認を得ることに成功する。
「これでドキ子も、カワイイ魔法少女ね! ドキドキさせちゃうぞ! ドキ・ドキ・ドキ子!」
恐ろしい? 呪われそうな存在感である。
つづく。




