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良いこと、夜空のお星さま2

 ここは渋谷のマンションの屋根裏部屋。

「さあ、無事に魔法少女を6人に増やしたわよ!」

「おお!」

 栞、泪、結、恵の4人の魔法少女は仲間が増えて喜んでいた。

「どこが無事だよ!?」

 谷子はツッコむ。なぜなら5人目の魔法少女の谷子は、早々に卒業した仮の抑えメンバー。6人目の魔法少女の祐名に至っては、寝ている間に契約書にハンコを押させただけである。

「7人目の魔法少女を探すわよ!」

「おお!」

 4人の魔法少女は勢力拡大のため、新たな魔法少女を探す。

「いけない! このままでわ! 良いことをする話にするはずが、私利私欲の欲望に支配された魔法少女たちが、手段を選ばずに魔法少女の人数を増やそうとしている。」

 谷子は危機感を感じる。

「この汚れた流れを変えることが出来るのは、ほんのおねえさんしかない!」

 谷子はNHKKに行き、ほんのおねえさんの収録に望む。

「良い子のみんな! 本は読んでいるかな? うんうん。本はおもしろいよね!」

 谷子は魔法少女4人分の汚れを振り払うように明るく振る舞う。

「今日は、前回の放送で大人気でNHKKの電話が3日3晩鳴りっぱなしの大反響だった、夜空のお星さまの続編を読みます。」

 相変わらず、ほんのおねえさんは大人気だった。うたのおねえさん、たいそうのおねえさんと肩を並べる3大おねえさんの一角である。

「それでは、読みます。」

 スタジオの照明が落ちて暗くなり、ほんのおねえさんだけをライトが照らし、視聴者を本の世界に引き込む。

「夜空のたくさんの惑星が、それぞれカラフルに輝いていました。

 ある日、何の個性もない、通行人の女の子Bが流れ惑星に願い事をしました。

「惑星さま! どうか私を、キャラクターにして下さい!」

 夜空からカラフルな光が彗星のように、カラフルな残像を残しながら、通行人の女の子Bの元に舞い降りてきました。

「きれい~♪」

 カラフルな光の正体は丸型に棒がついた杖、プラネットロッド。通行人の女の子Bは惑星を自由に操れる、プラネットロッドを手に入れました。

「カラフル~♪」

 ボタンを押すとカラフルに光ります。

「わ~い~♪」

 通行人の女の子Bは暗い気分を吹き飛ばす、ミラーボールを手に入れました。

つづく。」

 谷子は、夜空のお星さま2を読み終えた。ほのぼのとした物語だ。

「良い子のみんな! 悪いことをする前に、お願い事をしようね! もしかしたら願い事が叶うかもしれないよ! 悪いことは夢が破れてからしようね。」

 きっと犯罪の件数が減るはずだ。良い子のみんなのお母さんも、自分の子供が真っ直ぐに育つ番組を見せたいはずだ。

「それでは最後は合言葉でお別れしましょう。せーの! 本が大好き! 読書! 最高! またね! バイバイ!」

 谷子は、ほんのおねえさんの収録を終えた。

「いや~! 谷子ちゃん! 良かったよ! ほんのおねえさん!」

 番組プロデューサーが満面の笑顔で谷子に近づいてくる。

「ありがとうございます。」

 谷子はプロデューサーを偉いと思っているから謙虚に接する。

「これで放送終了後は、5日は電話が鳴りやまないね! ワッハッハー!」

 その時、カワイイ素顔の女子高生の谷子の肩を、プロデューサーは触ろうとした。

「プロデューサー。私の肩に触れたら、セクハラで訴えますよ。大人気のほんのおねえさんにセクハラをしたと世間にバレたらどうなるでしょう?」

「ギクッ!?」

 谷子は汚れ無き純粋な瞳で汚れたセクハラ未遂のプロデューサーを見つめる。

「NHKKの上層部はお怒りになり、プロデューサーは懲戒解雇から刑務所行き。あ、私は別にいいんですよ。他の大手放送局からスカウトの話はありますから。」

「お許しください! ほんのおねえさま!」

 こうして谷子の魔法は、悪いセクハラプロデューサーを退治したのでした。

 めでたし、めでたし。


つづく。

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