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良いこと、zzz

 ここは渋谷のマンションの屋根裏部屋。

「個人事務所として、芸能事務所に入らないと。魔法少女5番、ほんのおねえさんは永久欠番、シークレット魔法少女にしておくということにしましょう。これならいいでしょ? 怪獣ちゃん。」

「帰宅部的魔法少女で良ければ。」

 谷子は渋々だが名義貸しで受け入れた。ただ帰宅部だと普通。だけど帰宅部的魔法少女だと分かりにくくなければ、おもしろいかな。魔法って、本当に不思議な言葉だ。

「この調子で魔法少女を48人に増やすぞ!」

「おお!」

「武道館でコンサートをするぞ!」

「おお!」

 盛り上がる栞、泪、結、恵の魔法少女の4人。

「私、パス。」

 谷子は、ほんのおねえさんで武道館公演は経験済みです。

「次、いってみよう!」

「おお!」

「魔法少女の6人目を探そう!」

「おお!」

 恐ろしいことに、魔法少女48が勢揃いするまで、メインストーリーに苦労しないのが判明した。過去の記憶を思い出すと、封印された妖怪108匹の封印を解いてしまい、108匹の妖怪を退治していく話の次に、魔法少女48人を揃えるのは長い話だろう。ラッキー。

「みんなでがんばって、魔法少女の6人目を探そう!」

「おお!」

「友達が増えるのは嬉しいね。」

「仲間が増えると賑やかになるから楽しいね。」

「がんばるぞ。エイ、エイ、オー!」

 魔法少女は、みんな仲良し。こうして第6の魔法少女探しが始まる。

「オーディションで公募なんかどう? とりあえずアイドルだし、魔法少女になりたいって、女の子は多いでしょう。」

「歌と踊りのレッスンはどうするの? 声優学校で私たちもやるの?」

「いいわね。でも、良い子の小学生とか、5才の女の子とか応募してきたらどうするの?」

「幼女、ロリ、小学生、妹なんかは、人気があるからいいんじゃない?」

「なんか、逆魔女狩りみたい。」

 これでも魔法少女を集めるお話である。

「やっぱり公募の前に近場の人間の掘り起しよね。」

「誰かいないの? キャラクター設定、世界観、新しい文化を持っているキャラクターは。」

「いた!? 魔法自衛隊に。」

 その時、泪がある人物を思い出す。

「誰!? 誰のこと!?」

「祐名。」

「眠り姫か!」

「ジャパロボか!」

「クマさんパンツか!」

 森田祐名のことである。授業中は眠っているが、魔法女子高生自衛官である。

「どうだろう? 魔法少女になってくれるかな?」

「分からない。いつも眠ってばかりで、祐名の意志を知らない。」

 寝ているだけで自己主張しないので、誰も祐名が日々の生活で思っていることを知らない。

「でも、私たちメインの魔法少女でもないのに生き残っているのは立派よ。」

「そうだね。スカウトする価値はあるかも。」

 魔法使いエルメス、ほんのおねえさんでもないのに、ジャパロボの祐名は生き残っている。なぜならSF・ロボットモノであり、ゲームでもあり、そのジャンルのコンテストが多かったのだろう。

「グダグダしていても仕方がない。祐名に魔法少女になってくれるか聞きに行こう!」

「おお!」

 栞たちは祐名を魔法少女にスカウトしに行く。

「zzz。」

 ここは魔法自衛隊渋谷駐屯所。祐名は相変わらずよだれをたらしながら眠っていた。

「ええなあ、わては掃除してるのに、祐名はんは寝てばかり。」

 祐名の使い魔兼家族のAIロボットの明治天皇。

「こんにちわ。」

「あ、泪はんと、そのお友達。」

 泪と祐名は同じ魔法自衛隊女子高生である。

「やっぱり寝てる。」

「手に朱肉をつけて、魔法少女契約書にハンコを押させると。」

「完成! これで魔法少女6人目ゲットだぜー!」

「起きなかったね。帰ろ、帰ろ。」

 魔法少女たちは去って行った。

「いったい何が!?」

 一瞬の出来事だが、行われたのは犯罪行為である。


つづく。

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