良いこと、魔法少女4
ここは渋谷のマンションの屋根裏部屋。
「だから、何かある度に私の部屋に集まるのはやめてくれない?」
栞の部屋に、泪、結、恵の魔法少女の4人が勢揃い。
「恵、あんたは恵比寿高校で違うでしょ?」
「そんなこと言わないで。私たちは友達でしょ。仲良くしましょうよ。」
これでも泪と恵は仲良しである。
「ケリーとバーキン。お茶が入ったから、みんな配って。」
「はい。ティファニー様。ワン。」
「お茶とはティファニー様にしては珍しいですね。」
「ティーカップだけじゃないのよ。湯呑みだってあるのよ。エヘッ。」
「私の使い魔を勝手に使わないで!?」
犬のケリーと猫のバーキンは栞の使い魔兼家族である。
「で、今日のお題は、まだまだ続く良いことシリーズ。」
「まだ諦めてないのね。良いこと。」
「特に栞には良いことは無理だと思うわ。あ、茶柱。」
「栞ちゃんは汚れすぎ。」
冷たい泪と結と恵の視線を感じる、栞。
「うるさい!? 私は、そんなに言われないといけないぐらい汚れているのか!?」
「うん。」
「その通り。」
「邪悪な存在。」
本当は、それほど悪くはないのだが、たくさんの他人から言われると疑心暗鬼に陥ってしまうことがある。
「私の話は置いといて。」
栞は自律神経が発達しているので、陰口に強かった。
「それでは私たちにとって、良いことを発表します!」
遂に栞が本題を切り出す。
「まさか!? 私が中東のテロリスト組織アルカイダダを壊滅させたことがバレたのか!?」
「もしや!? 私が朝食専門のカフェをフランチャイズで全国展開することが漏れたの!?」
「うわあ!? 私がネット通販でアマゾンンと楽天天で同じ商品を頼んだ凡ミスを知っているというの!?」
「あんたたち、私のことをよく汚れているって言ったわね。」
泪、結、恵は近況を報告しただけである。しかも良いことが混じっている。
「面白くない。やり直し。」
「ええ~!?」
「テイク2、良いことを重大発表をします!」
それでは栞は楽しくない。栞監督は笑いには厳しかった。
「まさか!? 私が戦車でアリさんを踏んだことがバレた!?」
「もしや!? 私がランチやディナーを食べたのが漏れた!?」
「うわあ!? 私がネットで届いた商品の代金を踏み倒してるのを知ってるの!?」
「あんたたち、それでよく私のことをよく汚れているって言ったわね。」
「あんたに言われたくない。」
泪、結、恵は少しだけ悪いこと言ってみた。
「う~ん、及第点ね。やはりテイク2は、そんなに面白くないわね。今度からはテイク1で仕留めなければ。ちゃんと仕留めなければ、私の悪事が暴かれてしまう!」
「それが本音かよ。」
これが今まで好き勝手してきた栞の本音である。
「これまでの過去は変えることはできない!?」
栞は銀河系最強の魔法使いとして、漆黒の宇宙に吸い込むブラックホール、銀が誕生の爆発ビックバン、気分次第の土星落とし、再三にわたり渋谷の街を破壊してきた。
「これからは心を入れ替えて、良いことをしようと思っているのに!? 神様! これまでの悪行をお許しください!?」
栞は今までの消せない罪を心から反省した。
「魔法で過去を変えればいいんじゃない?」
「そうそう。真面目に生きるって決めたんなら、神様も許してくれるよ。」
「魔法があれば、何でもできるだよ。」
泪、結、恵は栞を励ます。
「みんな! ありがとう! 悪行は忘れよう。エル・エル・エルメス!」
誰かの意見が変わる前に魔法で過去を改ざんする栞。
「ということで、声優さんとも仲良くなれる、魔法少女48を目指します!」
全話で谷子が思いついた、現代のトレンドです。
「現在、我々は4人しかいないので魔法少女4です! センター確約!」
「やったー!」
良いことをする=現代のトレンドに脚本を合わせる。
以上。




