表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/70

かくれんぼう

 ここは渋谷のスクランブル交差点。

「第一回、渋谷で、かくれんぼうを開始します!」

 16才の谷子の世界で、渋谷の一定区域を封鎖して、一定の人数の約100人で、渋谷の街中で、かくれんぼうをするというエンターテイメント性の高い企画モノである。

「がんばるわよ! 怪獣ちゃん!」

「うん! お姉ちゃん!」

 もちろん渋井姉妹も参戦する。これだけを見て、ゲームコンテスト用の作品だから、かくれんぼうと思われても仕方がないのだろうが、実は違う。

「それではかくれんぼうを始めます!」

 遂に渋谷のスクランブル交差点から参加者が飛び散っていく。もちろん渋谷の封鎖は渋谷警察の全面協力である。

「お姉ちゃん、どこに隠れるの?」

「怪獣ちゃんのバイト先のツタヤでいいんじゃない。」

 ということで渋井姉妹はツタヤに隠れに行った。

「そろそろ私も隠れようかな。怪獣ちゃんの瞳の中に入れ! エル・エル・エルメス!」

 栞は魔法を使って、谷子の目の中に入った。

「おお! 懐かしの我が故郷! まだちゃぶ台が残っているわ! コタツ布団を出さないと!」

 以前、栞は谷子の目の中で生活をしていたことがある。それをネタにするための、渋谷でかくれんぼうであった。

「あれ? お姉ちゃんがいない?」

 谷子には栞がどこに行ったか分からない。

「迷子かな? いい年して困ったお姉ちゃんだな。」

 谷子は栞が迷子になったと思い込んだ。

「残り参加者は50名です!」

 かくれんぼう開始から1時間が経過した。生き残った参加者は半分になった。

「zzz。もう怪獣ちゃんたら・・・zzz。」

 栞は谷子の瞳の中で、コタツに入り気持ち良さそうに寝言を言っている。

「年末なのに、もう2月号が出てる!? どうして本の発売日と何月号は等しくならないんだろう?」

 谷子はツタヤで本を読んでいて、かくれんぼうに参加していることを忘れていた。

「残り参加者は10名です。これより優勝者を決めるために、隠れることが出来るエリアをスクランブル交差点周辺だけにします。よりエキサイトな、かくれんぼうを期待します!」

 開始から2時間が経過した。残っている人は、谷子、栞、その他8名であった。

「ああ~! コタツが気持ちよすぎて眠っちゃった。」

 遂に栞が目を覚ました。

「みかん、みかん。やっぱりコタツにはみかんよね。」

 しかし、かくれんぼうよりも、みかんが大切だった。

「いや~、魔法少女エルメスは面白いな。」

 谷子も何時間でも本を読めるので、かくれんぼうをしていることを忘れていた。

「はい、タッチ。」

「え?」

 谷子は鬼に見つかり肩にタッチされてしまった。しかし本を読むことに夢中で鬼が近づいて来ていることに気づかなかった。

「なにを人の妹に気安く触ってくれてるんだよ!」

 栞はみかんを食べるのをやめて、谷子が鬼になったことよりも、鬼が谷子に触れたことに殺意を覚えた。栞は勢いのまま谷子の瞳の中から出てきてしまった。

「タッチ。」

「え?」

 鬼になった谷子は栞にタッチした。こうして次の鬼は栞になった。

「お姉ちゃんの鬼だよ。」

「やられちゃった。エヘッ。」

 栞は大好きな谷子に体を触られて嬉しかった。

「第一回、渋谷でかくれんぼう、優勝者は渋井栞さんです!」

「なに!? 私が優勝!?」

 栞は谷子の瞳の中でコタツでみかんを食べていただけで、かくれんぼうに優勝してしまった。

「お姉ちゃん、すごい!」

「ありがとう、怪獣ちゃん!」

 こうして栞は、2020年の東京オリンピックを超えるエンターテイメントショー、エルメス降臨祭の運命の歯車が回り始めた。


つづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ