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プロローグ 「出会い」
「あーーー、もう死にてえ」
夕焼けに染まる学校の屋上でそう溜息ともに吐き出したが、俺は何も本当に死にたい訳ではない。
疲れていたのだ。ただ、それだけだった。親との喧嘩や模試の点数が振るわなかったこと、受験生としての焦りが大きいのだろう、他にも思い当たる節は何個かあるのだが、まぁそんなところだ。
もう帰ろう、はやく帰って勉強しよ、そう思った時だ。
「ならさ、本当に死んじゃおっか?」
声が聞こえた。この声に聞き覚えはない、知らない人のようだ。咄嗟に後ろを振り向くと、そこには1人の少女が立っていた。
明らかに普通の少女ではない、黒いローブに身を包み、両手には1つの大鎌を携えている。
フードの中に見える顔はどことなく笑っているようにも見えた。
その少女の姿はまるで「死神」だった