第七話 実験体になっちゃいました!?
いきなり女の子と二人でお泊りすることになった終一の頭はショートしていた。
「とりあえずわたしはお風呂に入ってくるからおとなしく待ってなさい。」
そう伝え、風呂場へとシャーロットは足を運んで扉を閉めた。
「覗いたら死刑だからね!」
一度閉めた扉を開け、顔だけ出して終一に念押しする。
「はい!」
終一はなぜかソファで正座をしてシャーロットが出てくるのを待っていた。
すると、シャワーの水音が次第に聞こえてくる。
思わず風呂場に背を向ける終一。
だか、艶めかしい音で終一の妄想は加速する。
シャーロットは背が低いが、その他のプロポーションは良い。
脚はサラリと伸びており
ウエストはきゅっと引き締まって、
胸は手に少し余るくらいある。
そんな彼女が少し後ろの部屋でシャワーを浴びている
その状況で先程見た裸が頭によぎるのは仕方ないことだ。
そして終一にはシャーロットの体を伝っていくシャワーの水までも頭でリアルに動いてしまっている。
頭からシャワーを浴び、顔のラインから顎へとしたたり、その雫は鎖骨から谷間へと落ちていき、間を通り抜けたらおへそから秘部に行き、最後は内腿を伝って落ちていく。
そんなシャーロットを妄想し、頭から離れなくなった。
終一がエロい妄想でいっぱいになっていると、急にシャワーの音が鳴り止んだ。
シャーロットが風呂場から出て来たのだ。
バスタオルで体を拭き、黄色の下着を身につけ
先程終一から渡されたTシャツを着た。
シャーロットは少し終一のことが気になっていたため、彼の匂いがするTシャツを着てしまっていたのだ。
ツインテールにしていた髪はただのロングヘアーとなっておりその髪をタオルで拭いていく。
男と一緒に寝るというのにTシャツで無防備な格好でシャーロットは終一を呼びにいく。
風呂場に背を向け、ソファで正座をしている終一が目に入る。
(なぜ、正座?)
などと疑問思っていたが、気にせず終一を呼ぶことにするシャーロット。
「今上がるましたわ。あなたもシャワー浴びてきなさい。」
「・・・・・・・」
終一の返事はない。
「ちょっと返事しなさいよ!」
強めにシャーロットは言う。
びくつく終一。くるっと頭だけ振り返りシャーロットを見る。
「あ、はい。もう少ししたら行きます。」
引きつった顔でそう言った。
だが、シャーロットは引かずに、
「いいから、行きなさい。」
終一をこちらに向かせてしまった。
そう終一は股間を膨らませてしまっていたのだ。
シャーロットのようにかわいくも美しい女の子の裸を直に見て、
それを想像をした健全な男の子であれば当然の反応だ。
それを見られることが終一は一番良くないと思い、
頑なにシャーロットの方を向かないようにしていたのだ。
だがシャーロットはそれが気に食わず終一を振り向かせてしまったのだ。
その瞬間は時が止まってしまい、次第にシャーロットは終一の膨らんだ股間へ視線を下ろしていった。
みるみる顔が赤くなり悲鳴を上げることも出来ず口をパクパクさせている。
「!!・・・・////。」
小刻みに震えるシャーロットを見て終一は素直な気持ちを伝える。
「そうなったのは先輩のせいですからね。
先輩の体があまりにエロくて、きれいで、こうならない方がおかしいですよ。」
羞恥心はあったが、それを見られてしまった勢いで終一は続けてしまう。
「それにその恰好はなんですか。男の俺がいるのに無防備すぎなんですよ。
いつ襲われても文句いえないですよ。それとも俺は男として見えないんですか?
でも俺は先輩の裸を見た時からドキドキが止まらないんです。
その気がないなら今すぐ着替えてきてください。」
一気にたくさんのことを伝えたので息を切らしてしまう終一。
終一の言葉にシャーロットはまともに彼の顔が見れなくなり、しおらしくしてしまう。
「あ、あんたの、ことなんか、お、男として、見て・・ないんだから。」
段々声が小さくなってシャーロットの言葉の最後は終一に聞こえてない。
「でも、これ、わたしのせいなんだよね?」
上目遣いで終一を見つめるシャーロット。
その姿はあまりの破壊力で終一は動けなくなっていた。
「わたしは、なにを、したらいい?」
そっと終一の胸に手を置くシャーロット、終一の心臓の音がシャーロットに伝わる。
「先輩には、その・・・・・。」
シャーロットの唇を見ながら終一は言葉に詰まる。
そして、シャーロットの目が徐々に真紅の赤色に変わっていった。
吸血鬼であるシャーロットは性的興奮をすると、目の色が充血して真紅に変わっていくのだ。
同じ目をしているシャーロットも発情していることとなる。
人間と同じ性行為もするが、それよりも先に吸血を行う。
血を吸う箇所は個人によってさまざまだが、シャーロットは終一の首筋に噛もうとしていた。
まずは終一の耳元で、
「言ってくれないとわかんないよ?どうしてほしいの?」
挑発するように言い、耳たぶを舐めそのまま目当ての首筋まで舐めていく。
「お、俺は・・・せん・・ぱいに・・・」
終一が言い切ろうとした瞬間、擬人化を少し解き吸血鬼の牙を出したシャーロットが
首筋を甘く噛んだ。
ちくっとした痛みが終一を襲い思わず声を出す。
「いたっ。先輩何を?」
はっきりと見えないがちゅうちゅうと血を吸うシャーロットの姿を終一は確認した。
血を吸われるたびに終一の興奮は収まっていった。
そして血を吸っているシャーロットも同様だった。
やがて吸血行為が終わり、シャーロットは終一から離れて向かい合って座った。
口についた血を舌でペロリと舐めとるシャーロットはとても艶やかな姿だった。
その姿に血を吸われていた終一も見とれていた。
「その、ごめんなさい。わたしは今のを見れば分かる通りの吸血鬼よ。
気持ちが高まると血を吸いたくなる衝動に駆られて正気を失っちゃうの。」
まだ吸血行為の余韻が残っているシャーロットは顔に蒸気を残して人差し指を咥えている。
その姿に胸を高鳴らせている終一だが、
「その、先輩。俺今の気にしていませんので。」
終一はシャーロットに笑って見せた。
「ありがとう。それとは別の話なんだけど、あなたって人間、なのよね?」
さっきまでの雰囲気と打って変わって真面目なトーンでシャーロットは尋ねる。
「え?先輩なんでそのことを・・・・はっ!」
シャーロットの問いに正解と分かる返事をしてしまい咄嗟に口を押える。
だが、一度発した言葉は返ってこず、シャーロットは終一を人間と確信する。
「やっぱり。血の味が人間のものだったからもしかしたらって思って、ね。」
真剣な眼差しを終一に向け、少しずつ近づいていく。
そんなシャーロットに恐怖を抱き、終一は金縛りにあったように動けなくなっている。
(俺は先輩にここで殺されてしまうのか?だけどこんな美少女に殺されるなら本望かもな。
短い人生だったがそれなりに悔いはない・・・はず。)
殺される覚悟を微妙にしながらシャーロットが来るのをそのまま目を瞑って待っていた。
目の前にシャーロットが近づく、そして終一の顔に手を近づけ、デコピンをした。
「あいたっ」
額にデコピンをくらった終一は思っていた痛みとの違いに変な声になる。
「あなた、殺されると思っていたの?」
少し呆れた様子でシャーロットは終一を見下ろす。
「え?でも人間と知られたら殺されるんじゃ?」
きょとんとした表情でシャーロットに聞く。
「それは一部のアクマの考えよ。わたしは違うのよ。
むしろ人間に興味があるわ。あなたにものすごく興味を持ったわ。
だからあなたが人間ってことは黙っててあげるわ。」
終一の考えを一蹴し、ぐいっと近づきシャーロットは見つめる。
「ありがとうございます!」
ほっとしたの束の間、シャーロットはさらに言葉を続ける。
「ただし、わたしと二つ約束してもらうわ?」
どんな要求をされるか考えている終一だが、それ以外の道はないのでその二つの約束を聞くこととする。
「約束は一体なんですか?」
にやりと笑いシャーロットは答える。
「理解が早くて助かるわ。一つはあなたの血を時々吸わせて欲しいの。」
「血を、ですか?」
「ええ、もちろん少量で死んだりはしないわ。二つはわたしの実験の手伝いをしてほしいの。」
「まさか実験体になれと?」
自分の身に危険があると感じ終一は聞く。
「まぁ、それもしてもらうときもあるけど、主に雑用ね。」
「雑用?それこそ俺じゃなくてもいい気がしますよ?」
シャーロットは美人だ、男の雑用なら引く手数多なはず。
終一に雑用を頼むよりそっちを頼った方が動いてくれるはずなのに彼女は終一に頼んだ。
その理由は、
「わたし、他の種族の男がいまいち好きになれないのよ。特に弱い男は。
だから頼める人がいなくて困ってたのよ。」
ドンっと胸を張ってそう言い切ったシャーロット。
だが、人間の終一のが雑用ができなさそうなのに、彼を選んだのは単に彼女の好奇心からだ。
「俺は人間なんで役に立つかわかりませんが、それで良ければ付き合いますよ。」
観念した終一はあっさりとシャーロットの二つの約束を受け入れた。
「そうと決まれば明日の放課後から付き合ってもらうわ。」
ビシッと終一を指さしシャーロットは宣言する。
「じゃあわたしはもう寝るから早くシャワー浴びてあなたも寝なさい。
それと毎回あなたがわたしの部屋に来るのは何かと問題があるから、
わたしがあなたの部屋に住むことにするわ。拒否権はないからね。」
軽く舌を出し、べーっとすると軽やかに寝室へと向けっていくシャーロット。
「そんな~。これからの生活大丈夫か?」
これからの不安を抱き呆けているが今は目の前のことをしようと、
「よし、シャワー浴びるか」
一人言い、風呂場でシャワーを浴びてリビングのソファで寝る終一であった。