二十四話 ハーレム!?争奪戦!?
食堂での昼食をメニューを見ながら八人で決めていた。
食堂の席で座りながら決めているのだが、終一とイクタの両隣に女子が二人ずつというハーレム的な絵面になっている。
向かいにも一人ずつ座って実質囲まれている状況だ。
誰が見ても羨ましい光景だ。
実際に他の学年の学生たちもおり、終一たちはとても目立っていた。
男子からは鋭い視線が女子からは好奇な視線が飛び交っている。
渦中にいる二人は視線に気付きながらも今目の前で起こっていることで精一杯になっている。
「なんだあの一年たちは。」
「入学してすぐなのに彼氏の取り合いかしら?」
ぼそぼそと憶測が周りの中で飛び交っていた。
「なぁ終一。視線が痛いな。」
イクタはもう疲れた表情で終一に言う。
「まぁこの状況を見たらそうなるだろうよ。」
終一も疲れた表情で自分達の周りを見る。
終一の隣には先ほど腕に抱きついで来たリッカと身体は平均的でスレンダーな体をしているマイカ・クロードが腕に寄り添う形で終一の持つメニューを見ている。
小ぶりだが柔らかさがしっかりとある胸を二人とも終一に押し付けて終一はそれを感じて少し顔が赤くなってしまう。
目の前に座っているのはアリスで終一の困った顔を見てあれこれ言ってくれるがその度に揺れるアリスの巨乳が終一をさらに戸惑わせているのを彼女は気づいていない。
イクタのは終一と真逆の女子の配置だった。
両隣に巨乳で目の前が貧乳の子だったのだが、隣の二人の胸で気持ちいいのは勿論なのだが、前の貧乳の子はノーブラなのか先端がチラチラとイクタに見えてしまっている。
イクタも堪らず目を逸らしているのだがその子にぐいっと頭を掴まれ視界に入る方向を向かされている。
どっちも男にとって嬉しいのだが二人はそんなことを考えると相手の思う壺なので素直に喜べないでいた。
「終一くんはなににするの?」
隣のリッカがあざとく上目遣いで終一にくっつきながら聞いていた。
「俺は、そのー日替わりランチにでも。」
胸の感触で少しテンパり気味に終一は答えていた。
「僕はこのレディースセットにするから何か交換しようね。終一くん。」
そう言ったのはマイカだった。
マイカはボクっ娘で片目しか見えないほどの黒い前髪が特徴的だった。
髪の長さは肩に軽くかかるくらいで人懐っこい性格で初対面の終一にベタベタとくっついていた。
隣のマイカに負けないほどに。
そのため終一は両腕が動かないほど絡まれていた。
「リッカにマイカ。終一くんが動かなくなってるじゃない。二人とも離れなさい。」
二人を監督するようにアリスが離しにかかる。
が、二人とも意地でも離さないと言わんばかりに終一にくっついていた。
「イクタくんはどうするの?」
その様子を見ていたイクタは不意に隣の巨乳女子から話しかけられた。
「俺はボリュームのある得々Aセットだな。」
イクタは誰にでも砕けた喋り方なので、女子でも終一と同じような感じで話していた。
「男って感じね。私はリリア・フィナンシェールよ。よろしくね。」
リリアはその豊満な胸でイクタの腕を挟み込んで自己紹介した。
その感触にイクタは思わず生唾を飲んだ。
「さっきの実技試験見てたわ。あなたって凄く強いのね。私強い男が好きなの。」
イクタの腕に人差し指で軽く円を描きながら甘い声でリリアは話していた。
リリアは会長のリリスと同じ種族の淫魔だったのだ。
ただリリスとは縁がなく格式も家柄全く別のところで育っていたのだが、本質は変わらないためこういう誘惑は朝飯前だった。
「ちょっとリリア!イクタくんに誘惑の魔術かけてないでしょうね!」
そう言ったのは反対隣の巨乳女子、セラフィス・メイガーだ。
「私がそんなことするはずないでしょ?」
くすりと軽く笑ってセラフィスを挑発するリリア。
「貴様が淫魔だから言ってるのよ!」
真っ直ぐな性格のセラフィスはその挑発に乗ってしまう。
「あなたは本当に性格も真っ直ぐなのね。」
また笑うリリア。それに反応してセラフィスは
「私を愚弄するのか!ここで決着つけても良いのだぞ!」
リリアは真っ直ぐさ故にすぐ熱くなってしまうことがあったのだ。
リリアの家系は代々騎士。そしてアクマには珍しく聖属性の魔術を使えるのだ。
普通は使えるはずのない聖魔術をリリアは隔世遺伝で生まれながら使えてしまったのだ。
そのためセラフィスの親は誇りに思うと同時に危険だと思い学院に通わせることとなったのだ。
セラフィスは言わば混血種だ。
先祖に聖騎士がおりその血が出て隔世遺伝という形でアクマでありながら聖魔術を扱うことができてしまったのだ。
話を戻して、イクタはヒートアップする二人に板挟みになり心地よい胸の感触に身を任せていた。
「二人とも!そんなに胸押し付けたらイクタくん死んじゃうよ!」
そう声を上げたのは目の前に座っている体型も胸も未発達のククリ・オルガだ。
小学生だと言われても違和感のない小さい体に髪に小さなお団子が特徴だ。
「すまない。つい熱くなってしまい不快にさせたか?」
騎士精神が受け継がれているためセラフィスは凛々しく謝る。
「大丈夫だ。気にしないでくれよ。」
イクタは優しく答える。
それを見てリリアはさらに抱き着いた。
「さすが私のイクタくんね。」
さすがのイクタも乾いた笑いになっていた。
そんなやり取りをしてようやく注文が済み昼食を食べ始めることができたのだった。
その騒がしさに食堂に来る者はみな終一たちを一度は見ていた。
そして、そんな時に彼女がやってきてしまう。
「♪〜。なっ!あれは終一じゃない!しかも何!あのハーレム。あたしとの実験に付き合わずにヘラヘラしちゃってもー。」
そうシャーロットだ。
終一がいなくても研究に思うような結果が出て上機嫌だったのだが、終一が他の女子しかも誰もが要素は違えど魅力的な女の子達と楽しそうに話してるのが気に食わなかったのだ。
シャーロットはヤキモチを妬いていた。
最近は実力テストとかで終一と話す機会がなかなか無かったと思えばシャーロットの知らないところで他の女の子といちゃいちゃご飯を食べている。
そう思うとシャーロットの怒りが最高潮に達しようとしていた。
「あたしを除け者にして許さないんだから。」
シャーロットは居ても立っても居られなくなり、終一に声をかける決心を固めた。
「あら終一。大層なご身分だこと。」
終一ははっとし、冷や汗が止まらなくなった。
「そそそそ、その声は、せせ、先輩ですか?」
怖くてシャーロットの後ろに振り向かずに終一は話していた。
終一は、これは非常にまずい状況だ、先輩に殺されてしまうかも、と思い恐怖のあまりに体が震え始める。
終一以外は初対面なのでいきなり話しかけてきたシャーロットが誰か分からずその場全員がキョトンとしている。
「そうよ。どうしてこうなってるか説明、してくれるわよね?」
目が笑っていないが笑顔を作るシャーロット。
普通に怖いと思うほどの圧力と作り笑いだった。
終一は本能的に察知をしてシャーロットの顔を一切見ない。
「先輩、あのーですね、俺は別にこういう状況を望んだんではなくてですね、いつの間にかこうなったと言いますか。おかしいですね。」
終一は支離滅裂な話し方になってしまっていた。
「そ、れ、で?」
言葉を強調しながら追求するシャーロット。
「すいませんでしたー。」
シャーロットの方に振り向きすぐに終一は頭を下げた。
この終一の行動がかえって良くなかった。
「まぁいいわ。今日はちゃんと研究に付き合いなさいよ。」
シャーロットは少しツンツンした言い方だが、終一のことを許そうとしていた。
その言葉を聞いて終一が頭を上げた瞬間、シャーロットのスカートの中に顔が突っ込んでしまう。
「ほんとうですか!?」
終一が見たのはシャーロットではなく、シャーロットの履いている下着と綺麗な太ももだった。
目の前の絶景に終一は固まってしまう。
スースーするスカートの方をシャーロットは見る。
「終一!?な、なにしてんのよ!」
焦ったシャーロットは終一の頭をスカートごとガシガシと離そうとするが、むしろシャーロット自身が終一を引き寄せる形となってしまう。
その勢いで終一はシャーロットの太ももに向かって埋もれてしまう。
終一は天にも登るような感触に感動を覚えていた。
「こんのーバカ!」
シャーロットは終一を上から殴り床に這わせた。
そのままズカズカと帰っていった。
終一は幸せそうな顔をしてそのままピクピク動き、鼻血を出して倒れていた。
シャーロットがいなくなると周りが終一の元へ駆け寄ってくる。
「終一大丈夫か?」
イクタが声をかけて終一はなんとか意識を元に戻した。
「大丈夫!いつもこんな感じだから。」
そうシャーロットと会うとなぜか怪我をする事が多いので慣れて来てしまっていたのだ。
「さあ、気を取り直して昼ごはんを食べよう。」
終一はそのまま自分の席に戻り注文した品が来るのを待った。
それを見たイクタたちもほっと一息して楽しいランチタイムを過ごしたのだ。




