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十五話 終一の真実!?

次の朝を迎えた。

終一は目を覚まし少しだるいが体が良くなったことを実感した。

「んんー。とりあえず良くはなったな。」

準備をして学院へと向かう。

ぽきぽきと体を鳴らして学院に向かっている最中に携帯が鳴る。

「はいもしもし。」

すぐに出ると、

「終一。今日は学校来るの?」

シャーロットの声であった。

なんだかんだで面倒見の良い先輩だなと終一は思っていた。

「そうですよ。朝から電話だなんで先こそどうしたんですか?」

意地悪するようにシャーロットに答える終一。

だが、答えはとてもシンプルで素直な言葉だった。

「その、終一に今日も会いたいから・・・。」

恥ずかしさからかシャーロットの声は少し小さかった。

それでも終一にとっても破壊力抜群の答えだった。

しばらくどきどきが収まらず無言の通話が続く。

「「あの・・・。」」

二人が一緒に話かける。

「先輩どうぞ。」

「終一こそ先に言いなさいよ。」

譲り合いをしながら終一が先に言う。

「えっと、今日はちゃんと研究室行きます。」

「そう、終一そろそろ名前で呼んでほしいんだけど・・・。」

シャーロットはだんだん声が小さくなりよく聞き取れなくなる。

「え?先輩なんですって?」

終一は聞き返してしまう。

「なんでもないわよ、バカ!!」

シャーロットは照れ隠しで怒って終一の電話を切ってしまった。

「わたしのバカ・・・。」

シャーロットが一人そう言っているのを終一は知らずに学校に訪れた。

「先輩さっきはなんだったんだろうな。まぁ考えても仕方ないか。

一日休んだだけで学院に来るのがすごく久しぶりに感じる。」

そう言いながら教室へと向かう終一だったが、学院長に呼び止められてしまう。

「おはよう、終一君。」

学院長に呼びかけられ挨拶を返す終一。

「おはようございます、学院長。なにか御用ですか?」

真剣な顔をして終一を見ている学院長。

そんな彼に終一は少し緊張してしまう。

「うむ。今日の授業は良いから少しわしに付き合ってくれんかの。」

そこには有無を言わさないオーラを発した学院長の姿があった。

「は、はい。」

「では学院長室までついてきたまえ。」

終一は学院長の後を追い、学院長室まで一緒に入っていった。

「そこに腰かけてくれ。」

「はい。」

学院長が指した応接のソファに終一は腰かけた。

その前に学院長が腰をかける。

「さっそくじゃが、終一君の体のことについてじゃ。」

はっと終一は学院長の目をまっすぐ見る。

「なにか、わかったんですか?」

「うむ。それが少し大事でな、心して聞いてほしい。」

生唾を終一は飲んで学院長の話を聞く。

「まず終一君の事じゃが、君は人間ではない。」

終一は驚いた。

「どういうことですか?」

「正確には人間だったじゃ。終一君の人間の体に人工的にアクマを取り入れたのじゃ。」

アクマを取り入れた、この言葉に終一は体から聞こえた声を思い出していた。

「調べていくうちに分かったことなのじゃが、終一君の父親は元々アクマだったのじゃ。

そして君はアクマと人間のハーフということになる。さらに君の両親が研究していた内容が、

人工的にアクマを作り出すことだったのじゃ。今はその研究は壊滅されておるがな。」

学院長の言葉に終一は自分がなんなのかわからなくなっていった。

「俺は・・・人間・・じゃない・・・。・・・・・学院長、俺は人間には戻れないのですか?」

驚愕や失望などでどん底にいるかのような顔している終一だった。

追い討ちをかけるように学院長は答える。

「残念じゃが・・・。」

学院長ですら今の終一を元に戻すことは困難を極めた。

そのことに終一も感づきまた一段と落胆する。

「俺は人間ですらないのか・・・・。でもハーフならなんでまた俺にアクマを?」

半泣き状態の終一は最もな疑問にたどり着く。

「そうそこが不可解なんじゃ。終一君はすでにアクマの力を宿していたはずなのに

別のアクマを取り入れる必要がないのじゃ。それに君の破壊の力はかつて滅びた魔術のはず。

今終一君がその魔術を使っているということは取り込んだアクマがその魔術を使うということじゃ。

そうなると本来の終一君の魔術とはいったい何になるんじゃろうな。」

学院長もその点が気になり、さらに終一自身の魔術が発動していないことも引っかかっていた。

曲がりなりにも学院長と戦うことが出来たのだから終一の魔力が反応してもいい。

終一の中に眠るアクマがそれ以上に反応した理由は後になってわかることとなる。

「終一君。君はもう人間の体ではないが心まで人間でなくなったわけではない。

しっかりするんじゃ。」

学院長は終一にそう呼びかけ正気に戻そうとする。

だが、終一には届かずしばらく憔悴しきった顔をしていた。

学院長もそれい以上は何も言わず終一が元に戻るのを待った。

それはとても長く日が落ちようとするまで終一はそのままでいた。

学院長はまだ終一に話していなかったことがある。

それは終一の父、最上一(もがみはじめ)のことだった。

一は学院長と知り合いだったのだ。

それも昔からの。

学院長にとっても一にとっても二人はパートナー呼べるほど信頼し唯一背中を預けられる友だった。

そんな彼が研究に没頭していくうちに二人は交流がなくなっていき、終一の原因を調べているときに

初めて彼がもうこの世にいないことを知ったのだ。

あんな研究をしてしまったがためにいなくなってしまったのだ。

学院長は自分の事責めていた。

終一が話せるまで一の研究に強く反対しなかったことを悔やんでいた。

彼の研究さえ止めていれば終一は人間のまま、一は死ぬことはなかったのだと。

どんな魔術でも時空を飛び越え歴史を変えることはできない。

今でもアクマと神や天使たちとは一時休戦をしている。

その打開策として一は研究をしていたのだ。

人間をアクマの側へと引き込もうと。

だが奇しくも神側も同じことをしているとは気づかずに。

一の研究のが神たちよりも先を行ってしまったために殺されたことは神たち以外には誰も知らない。

学院長ですら調べてもただ研究のせいで殺されたしかわからなかった。

一が殺された今、神たちが動き出そうとしているのをこの時は誰も知らなかった。


終一がようやく意識をはっきりさせ学院長に話しかける。

「学院長。俺・・・やっぱり心は人間のままでいたいです。」

終一は涙をながしながら精一杯言葉を吐き出した。

「そうじゃな。終一君の中にいるアクマをまずはコントロールしなければならないからとても大変じゃが

わしも出来る限りの事はしよう。」

優しく終一に語り掛け学院長は笑いかけた。

「体は人間で・・なくても・・心をなくしたアクマには・・・なりたくない・・・。」

涙が止まらず言葉も途切れ途切れになって話す終一。

そっと肩に手を置き学院長は終一をなだめる。

そのまま終一は赤ん坊のように泣きじゃくった。

心が落ち着いた終一はシャーロットとの約束を思い出した。

「学院長。ありがとうございます。今日はこれで失礼します。」

そう言って終一はシャーロットが待つ第二研究室へと走っていった。

その終一を見て学院長は今日も一のことを話してやれなかったと少し後悔していた。

もうとうに下校時間は過ぎておりシャーロットは帰っていると思いながらも終一は走っていた。

彼女がまだ残っている気がして走らずにはいられなかったのだ。

それに終一は彼女が家族がいない一人な自分と似ていると思っていたからだ。

だから一人になることが一番楽で一番辛いのだ。

そして今も終一を待ち続けもし来なかったら

さらに深い傷を残し今度こそ誰とも関わらなくなってしまうのではないか。

終一はそんなことが頭から離れなくて第二研究室の扉を思いっきり開けてしまう。

そこには今にも壊れそうなほど美しくも儚さをもっているシャーロットが机の上で体を丸くしていた。

あまりに綺麗でいる姿に目を奪われたが、すぐに近くに行き終一は強く抱きしめた。

「遅くなってごめん・・・・。」

それだけを言って終一はさらに強く抱きしめてしまう。

「もう、遅いよ。それに痛いわよ。」

涙目のシャーロットはいつもの口調ではあるが弱々しく話し終一の腕にそっと手を添えていた。

「ごめん。」

終一はそう言いながら抱きしめる力は弱くならずにしばらくそうしていた。

終一にとってもさっきの事実を受け入れるために寄り添うことが必要だったのだ。

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