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07話:「今のままでは商品になりません」

【文章を読む上での注意】

1.聞き取った情報は私の主観で構成されています。事実かどうかは保証できません。

2.実在の出版社や編集者から取材した内容に基づいてはおりますが、相手方のプライバシー保護及び信義則のため、話の内容や順番、インタビュー対象者などは私の主観で大きく編集した上で再構成したものです。

3.要するに「眉にツバをつけた上で」胡散臭い目をしつつ「読み物として」読んで下さい。「これが事実だ!」などと本気でとらないようお願いします。

編集者の方の提案は意外な--後から考えれば商売としては極めて全うな--提案でした。

「まず、今のままでは商品にならないでしょう」

「それはそうでしょうね。書き直すつもりはあります」

何しろ1日2話3話と更新していた初期の頃は、とにかく誤字が多かったですし展開も行き当たりバッタリな部分がありました。


そのあたりの修正と整理をきちんと行わなければ商品にすることはできない、というのは当然のことです。

意外に感じたのは、その後です。


「あとは、もう少し女性キャラを増やしたいですね」

「ははあ・・・」

拙作を読まれた方はご存知でしょうが、主役の異世界転移した現代人であるケンジの周囲には女性が極めて少ないのです。


世間に受けようとするならば女性キャラを増やそうというのは商売として極めて当然の提案です。


自分としてもビジネスの論理はわかりますので「そうですか。わかります」と頷いたものの、いったいどこに女性を増やしたらいいのだろう?と途端に考え込んでしまいました。


「あの世界の冒険者というのは不人気商売でして死傷率も高いのです。腕力が必要で荒事の世界です。普通の女性がつける職業ではないのですが」


気がつくと口からは否定する言葉が出ていましたので、慌てて言い直しました。


「ですから、もし良ければ、どのあたりに女性を追加したら良いと思うのか、案を聞かせてもらえませんか」


いくら2社から打診を受けていると言っても、自分はペーペーにもなっていないなろう小説家予備軍に過ぎません。

社会人としてのスキルを発揮して得意先の機嫌を損ねないよう「教えていただきたい」モードに切り替えてプロのお話を傾聴することにしたのです。


「そうですね。まずサラちゃんですが、エルフにしてしまいませんか?」

「エルフ・・・ですか」

「はい。エルフ耳です!あとは宿屋の女将さん、この人も若くしましょう!それと宿屋には娘さんがいて、サラちゃんの恋のライバルになるのはどうでしょう?」


サラちゃんというのはケンジと行動を共にする弓兵の女性冒険者です。異種族の血が混じっているとは書きましたが種族は明言されていません。

個人的な設定としては北方蛮族の血が混血している程度の軽い設定のつもりでしたが融通を効かせる余地はあります。


宿屋の設定については、さらに迷いました。ケンジの滞在している宿屋は3等街区といって治安の良くない地区の宿屋です。

そんなところに若い女将が経営する宿屋があっていいのだろうか。

まして冒険者のようなその日暮らしの乱暴者に娘を近づけるということはあり得るのだろうか。


「あとは剣牙の兵団を手伝う街娘達がいますよね。あれを3人娘にして、1人がケンジに気があるという展開はどうでしょう?」


なるほど、これがキャラを立てるということか。などと納得したつもりでいたのですが、聞いている内に何だか頭がクラクラしてきたのです。


ライトノベル業界の洗礼を浴びた気分でした。

明日も12:00と18:00に更新します。

少しタイトルを変更しています。

内容についてはあくまで「お話として」お楽しみください。

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