47話:打ち合わせに便利な小道具の紹介
本日は打ち合わせに使用したツールについて紹介します。皆様の何かの役にお立てれば幸いです。
よそのブログで紹介されたりもしたので、こちらにも書きますね。
本日は、書籍化する際に自分が作った「打ち合わせ用のツール類」の紹介です。
「編集さんと作家の打ち合わせ」というと、どんな光景をイメージされますか。
自分がいざ書籍化するとなって最初に困ったのは「どうやって打ち合わせを進めよう?」ということでした。
一応は社会人の端くれとして「相手に任せきりの打ち合わせ」は不味いよな、と。
最初の打ち合わせの印象は後々まで響くでしょうし、自分の主張したいことが上手く表現できなければ先方の時間を無駄にしてしまう。
かといって、こちらの主張だけをする資料を作りこんだところで売り込みに熱心すぎる営業さんと同じで、先方との対立関係ができてしまいます。
どうにか「こちらの主張はしつつも先方との協力関係が築けるような打ち合わせ」を実現できないものか、と悩んだわけです。
人格的に、これを自然にできる人はいますよね。
自分の知っているできる営業さんは、だいたいがこのタイプです。
ですが、残念ながら自分はその種の技術や自信はありませんでした。
先の編集さんとの相談回でもありましたように異世界コンサル株式会社の書籍化にあたっては、イチから書き直すつもりで構成を組み直す必要がある、と言われていましたし自分もそのつもりはありました。
ですから普通に打ち合わせをはじめると「攻撃する編集さん」「守る自分」という関係性ができてしまいます。
これは良くないです。編集さんを敵ではなく味方にしないといけません。
そこで考えて用意したのが、主張したい内容の視覚化とツール化です。
具体的には構成を「カード」にすることにしました。
こうして全体構成をカードにしつつ「あの章は削ろう」「この章は後ろに回そう」などと手を動かして並び替えて相談できるようにしたのです。
印刷された紙ですから「この章に◯◯の内容を足す」「◯◯は削る」など書き込むことも容易です。
これが原稿用紙を見ながらだと「えー!!あんなに書いたのを削るの!!」とか「あれを前にしたらこれと辻褄を合わせるのが大変だよな・・・」などと防衛本能が働いてしまいますが、カードであればサクサクと議論が進められますよね。(もちろん、後で書き直しに苦しむ現実は変わりませんが)
厳しい相談であればあるほど遊び心というのは重要だと思います。
手を動かすことにはアイディアの討議を活性化させる効果もあります。
一部の企業などでも「手を動かす効用」は意識されていて積極的に導入しているところもありますね。
とにかく自分のような素人新人作家は普通の打ち合わせでは全く貢献できませんから、せめて編集さんの負担を減らすよう工夫してみたわけです。
おかげさまで打ち合わせは楽しくできた、と思います。
編集さんとの打ち合わせをしない作家さんでも、自分でアイディアを練るのにも役立ちますので、何かのお役に立てば嬉しいです。
ついでに、もう一つツールを紹介します。
カードを用いて構成を考えた後は章ごとに文章をどのように変えていくのか、という相談と管理が必要になりますね。
伝統的に編集さんと作家は原稿用紙で勝負するそうですが、自分は原稿用紙だけ見ていると何をどうしたのか変更点が理解できなかったので、変更点の管理表を作りました。
システム開発などでお馴染みの手法ですね。
「相手が何を言った」「自分はどう修正する」という一覧表を章ごとに作成し、反映状況を管理する形にしたわけです。
文章の「てにをは」や誤字を修正する、というのとは別のレベルの管理表があると書いていても楽なんですよね。
打ち合わせ内容で何を言った、言わないの不毛な議論もなくなりますし、修正点が全て書いてある表が別にあれば、内容を考えることだけに頭を使えます。
「頭の中身を全て別の形でアウトプットしておいて頭は考えることだけに集中できるようにする」というのは、ライフハック系の方法論の全てで言われることですが、書籍化作業で応用すると上記のようになるのかな、と思います。
もちろん、上記の方法論はあくまで「その時わたしが思いついた手法」でしかないので、他の方は自分に合うように応用したり削ったり、自分に合う方法を模索するのが良いと思います。
それに、書籍化せずとも普通に小説を書いたり他の人に相談したりするのにも使えると思った部分は使っていただいて構いません。
拙い内容ではありますが、全ての小説を書く人達に何がしか役に立てれば幸いです。
22日まで電子書籍は幻◯舎は半額セールらしいのです。




