17話:原作が重要なのです
【文章を読む上での注意】
1.聞き取った情報は私の主観で構成されています。事実かどうかは保証できません。
2.実在の出版社や編集者から取材した内容に基づいてはおりますが、相手方のプライバシー保護及び信義則のため、話の内容や順番、インタビュー対象者などは私の主観で大きく編集した上で再構成したものです。
3.要するに「眉にツバをつけた上で」胡散臭い目をしつつ「読み物として」読んで下さい。「これが事実だ!」などと本気でとらないようお願いします。
私は編集者の方の言葉から、ある種のプロジェクト方式、あるいは製作委員会方式を連想しました。
つまり、原作を中心に各分野の専門家達が集まって仕事をする方式です。
こうした方式で重要になるのは、資金集めとプロジェクト管理です。
中小の出版社だと、この運転資金が出せないので、マルチメディア展開と言えば大手企業に限られてきたわけです。
ところが、編集の方の話を聞いていると、中小の出版社でもプロジェクト管理さえ出来るのであれば、マルチメディア展開ができるような口振りなのです。
これは、私には新しい発見でした。
おそらくは複合的な要因が働いているのでしょう。
大手出版社の体力が落ちていること。そのため有能な編集者や専門家がフリーになっていること。
ネットの発達で企業に属さない人達にもネットワークを築く機会があること。
何より、人気のある原作をおさえてさえいれば、あとは何とでもできる、という感じを受けました。
著作権の強さ、とでも言うんでしょうか。
なるほど、出版社というのは、こうした原作を核としたマルチメディアビジネスの胴元を目指しているのだな、と強い印象が残ったものです。
ですが、ビジネスの構造が理解できることと、納得は違います。
餅を絵に書くことは誰にだってできます。重要なのは、それでどれだけの利益がでるか。
利益の数字が重要なのです。
なろうの書籍の原作化が、そこまでのビジネスになるものでしょうか。
それが私には不思議でなりませんでした。
「それって、どのくらい儲かるんでしょうか。私には、それが何億もいくようなビジネスに見えないのですが・・・」
「儲かる」という言葉を連発されたせいか、つい高額なインチキ金融商品を掴まされる寸前の人のようなセリフを口にしてしまいました。
実際、今のシチュエーションを客観的に見れば、昼間のファミリーレストランで私服の人の口車に乗って怪しげな勧誘に引っかかるサラリーマンの図、としか言いようがありませんでしたから。
本日は18:00更新できる、と思います。
うっかり1話分前倒してしまったので・・・




