13話: 銀の弾丸はない。魔法の杖もない。
【文章を読む上での注意】
1.聞き取った情報は私の主観で構成されています。事実かどうかは保証できません。
2.実在の出版社や編集者から取材した内容に基づいてはおりますが、相手方のプライバシー保護及び信義則のため、話の内容や順番、インタビュー対象者などは私の主観で大きく編集した上で再構成したものです。
3.要するに「眉にツバをつけた上で」胡散臭い目をしつつ「読み物として」読んで下さい。「これが事実だ!」などと本気でとらないようお願いします。
「それでは電子書籍については、どうなってるんですか?電子書籍の販売であればデータ取得の問題はないように思うのですが?」
ネットを通じた販売では、書店がPOSで取得すべきデータに加えて、様々なデータを取得することができるようになります。
特に出版社にとっては、一緒にどんな本が売れているか、というのは本屋で棚に並べる際にも活用できる重要なデータになるはずです。
ところが、編集の方は首を左右に振りました。
「ネット通販大手企業からは、出版社で思うようなデータはもらえません。それが彼らの食い扶持ですから、無理もないですけど」
なんと電子書籍のデータについても詳しいデータは持っていないというのです。
アメリカのネット通販大手が出版社との契約でかなりゴリ推しているという噂は聞いていましたが、その一端を垣間見た気分でした。
ビジネスとしてのそもそも論を言えば、電子書籍のように形の残らないものを販売委託する際には、実際にどれだけの書籍が販売されたのか相互に検証する仕組みが必要なはずです。
そうでなければ、極端なことを言えば先方が売上を誤魔化しても知ることができません。
販売委託の契約を取り交わす際には、その分析ツールなりについてやりあう必要がある、と疑い深い私などは思います。
ですが、このあたりは私の先走った妄想かもしれません。ネット通販の世界では、そのあたりを保証するツールが出回っていて、私が無知なだけの可能性も大いにあります。
(どなたか詳しい方がおられましたら、教えていただけると助かります)
いずれにせよ、電子書籍もデータ取得の魔法の杖にはならない、ということでした。
大手出版社が書店を経営したり、費用をかけて自前の通販サイトを持つのも頷ける話でした。
明日は12:00の更新です。
ここで書き溜めが尽きましたが、できるだけ頑張ってまいります。
水曜日の発売日までは何とか、小説と並行して・・・




