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絶対的計画  作者: ゆき
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絶対的人間論

犯罪という物に手を染め

赤くなる世界から見えるこの景色は

どこかでみた夜景や風景よりも

美しくて儚いものだった。

この世には犯罪というものがある。

犯罪の中でもっとも重い罪なのは人を殺める事だ。

だが、何故人を殺めてはいけないのか?そう問われると私にも分からない。

確かに人を殺すという事は国の法から反くことになるがそんなもの殺す側からすればどうでもいいことだ。

本当に殺したいと思う者がいれば、国の法なんてものはこれっぽっちも怖くないのだから。


私が中学の時の話だ。

その日も変わらず、静かに椅子に座り黒板と睨めっこをしていた。

ふと周りを見渡してみれば、寝ている者やゲームをしている者、ぼーっと外を眺めている者などいろいろな事をしている生徒がいた。

私はその中でも1人の生徒に目が離せなかった。

一見ぼーっとしているだけと思えるほど横を見ていたその生徒の事をなんだか私は怖く思えたのだ。

何故怖く思えたのか分からないままその授業は終わった。

私は休み時間、友達とトイレに行ったりして休憩した。だが、さっきの生徒は席も立たず、ずっと座りっぱなしだったのだ。

休み時間が終わり授業が始まる。

また先ほどと同じようにいろいろな事をして過ごす生徒がいる。

静まり返った教室に響いた音にクラスのみんなが注目した、もちろん教師も。

その視線の先にいたのは、先ほど私が怖いと思った生徒だった。

生徒は立ったま静かに顔を上げ言った。

「俺は教師が大っ嫌いだ」

そう言ったのだ。そしてその後少し口が動き

その生徒は目の前にいる教師を自分のカッターナイフで刺した。

クラスで悲鳴が上がる。怖くて泣く者、状況が理解できず唖然としている者、刺した生徒を止める者。

そして、静かに倒れた血だらけの教師。

私は唖然としている者の1人だった。

他クラスから悲鳴を聞いた教師が次々と教室に入ってきていろいろな言葉が飛び交う中私はあの時あの生徒が言った言葉が頭から離れなかった。

恐怖からなのか面白かったのか自分にも分からないがただその言葉が私の頭の中から離れなかったのだ。


何も考えていないのにこの言葉だけは今でも何故か忘れずにいる。その生徒が教師を刺す瞬間のこの言葉

「殺してやる」

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