秋になりました。
明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
この世界に来てから数ヶ月たちすっかり森の木々は紅葉し衣替えが完了していた。
それにしても魔獣は不思議だ。
ウルフ達は春から夏までは仔犬くらいの大きさで過ごし親元を離れる次の春に向けて秋から冬にかけて急激に成長する。って本に書いてあったけど半信半疑だったのに…。
ライルとスノウは拾った時より大きくなり私くらいなら余裕で乗せられるくらいになった。
けれど相変わらず二匹仲良く森の中を駆け回っては、獲物を仕留めて持って帰ってくるくらい逞しく育っている。
…でも、その獲物を私の所に持ってくるのはやめて欲しい。
…ホントに人間って必要に迫られると必死になるんだねぇ……。
えぇ、頑張って捌きましたよ。
長い冬に備えての貴重な食糧ですから。
それにしても、無心で捌いてたらスキルが手にはいるとは思わなかった。
スキル・解体。これのおかげであっという間に仕留められた鳥や鹿に似た魔獣を骨と肉に分けることが出来た。
骨は鑑定したら素材として使える事が判ったので洗って干してある。
肉は凍らせて地下室に保存している。
さて、今日は二匹を連れて紅葉狩りのついでにキノコを採りに行こう。
「ライル、スノウ。
出掛けるよ。」
お弁当が入ったリュックを背負い近寄ってきた二匹を連れて森の中を歩く。
赤松みたいな木の下に松茸に似たキノコを発見した。
早速鑑定してみる。
マツタケ:主に赤松の下に生えるキノコ
やった!やっぱりマツタケだ!
十個ほど生えていたので半分くらい採り後は来年の為に残しておく。
全て採ってしまうと二度と同じ所に生えてこなくなるからだ。
そうしながら時おり採取をしながら歩き、一番紅葉が綺麗な所について食事をとり食後のお茶を飲みながら紅葉を眺めてマッタリしているとスノウが何かをくわえて戻ってきた。
受け取って鑑定してみると
浮遊石:これ一つで人ひとり浮かせることが出来る。
大きさによってはワイバーンを軽々と浮かせることが出来る。
主に洞窟内で稀に見つかる稀少価値が高い石
空飛ぶ絨毯の材料
…こんな近くに洞窟あったかな?
てか、なんで洞窟内で稀に見つかるアイテムがこんなところにあるの!?
しかもこの石直径二十センチは軽くあるんですけど!!?
まぁ、いっか
これは此れでラッキーだし
「ありがとうスノウ」
笑顔で頭を撫でると気持ち良さそうに目を細め喉を鳴らす。
そこに一発でホーンラビットをくわえたライルが戻る。
思わず悲鳴をあげかけて堪える。
ライルはスノウの前に近づき狩ってきたホーンラビットを置いた。
スノウはライルにすりよってから獲物にかぶりつく。
それから目をそらし茶器を片付けリュックの中を整理する。
そして、すっかり重くなったリュックを背負い直し、ホーンラビットを食べ終わったスノウの背中に乗せてもらう。
そろそろマジックバックが欲しい…。
家に着いたら作れないか調べてみよう。