狼の魔獣(赤ちゃん)を拾いました。
異世界での生活に慣れてきた頃に、ふと入り口の方から微かな気配を感じて気になり行ってみると結界の外に小さな毛玉が二個転がっていた。
何かあったら怖いので結界内から観察する。
「…なんで、こんな所に毛玉が?
あれ?でも、耳と尻尾がある。」
なんとなく毛玉に鑑定を使ってみる。
種族:ベビーナイトウルフ
状態:衰弱
HP:10/30
MP:5/45
スキル
暗殺、隠密、瞬殺
ナイトウルフの赤ちゃん。
通常は夜に活動し朝は巣穴等に隠れて過ごしている。
体毛は夜の暗闇に紛れるため黒く瞳は赤い。
滅多に人の前には現れない。
種族:ベビースノーウルフ
状態:衰弱・瀕死
HP:5/45
MP:5/50
スキル
暗殺、隠密、瞬殺、雪隠れ
スノーウルフの赤ちゃん。
普段は雪山にいるが冬になると下まで降りてくる。
体毛は天敵から身を護るため雪と同じく白く瞳は青い。
雪と共に現れ雪と共に去ることから冬の使者とも呼ばれている。
…真っ黒い毛玉がナイトウルフで灰色の毛玉がスノーウルフだって分かったけどなんでこんな森の中に?
しかも、スノーウルフは鑑定を見る限り今みたいな夏の真っ只中にいる魔獣じゃないよね?
二匹ともベビーってついてるから赤ちゃんだし。
一先ず助けた方が良いかな?
二匹とも弱ってるし。
そっと結界から出て近づき素早く二匹を持っていた籠にいれ家の中に入る。
直ぐに回復薬を二匹に掛けこの前遊び半分で作ったクッションを大きめな籠に敷き二匹をそっと横たえる。
そして、一応鑑定で二匹のステータスを確認する。
種族:ベビーナイトウルフ
状態:良好
HP:30/30
MP:45/45
種族:ベビースノーウルフ
状態:良好
HP:45/45
MP:54/54
だった。
見たところ二匹とも状態は良好。
ただいつ目を覚ますか分からず二匹が眠っている籠全体を覆うように結界を張る。
万が一二匹が起きて此方に襲い掛かって来ないようにするための対策だ。
二匹の様子を時々見ながらルル達の世話と畑に栄養剤を混ぜた雨を降らせる。
この時期は朝と夕方に畑に水をやらないと土が乾いて植物は枯れてしまう。
しかも、成長が早い分土の中の栄養が盗られてしまって土は痩せ衰えてしまうので栄養剤も水に混ぜる。
そんな事をしながら丸一日赤ちゃんウルフを見ていた。