回復薬を作ろう
ルルたちの世話が終わり、牛乳と卵を使って作った朝食を食べてから部屋に戻り本棚から調合のレシピを取り出し、調合室に向かいレシピを捲る。
「やっぱり異世界と言えば回復薬かな。
後は、前の世界での趣味だった家庭菜園に必要な肥料とか作ろう。」
回復薬のページを開き必要な材料を確認する。
回復薬:癒し草+清水
魔力回復薬:癒し草+魔力草+清水
万能薬:癒し草+魔力草+虹の結晶+聖水
癒し草は昨日草むしりをした際に草を鑑定して十束くらい収穫して干したのがある。
けれど清水は清め石を拾うか買うしかしないとないなぁ…。
清め石はどこで手に入るんだろう。
確かアイテム図鑑も在ったからそれで見てみよう。
早速アイテム図鑑も取り出し清め石が書いてあるページを開く。
・清め石
青みを帯びた不透明な石。
主に川や泉の底にある石が魔力を取り込み出来たもの。
川や泉に行けば手軽に手に入り何度でも使える。
…結構簡単に手に入るんだ。
なら、確か近くに川があった筈だから行ってみよう!
早速、部屋からカバンを取ってきて意気揚々と川に出掛けた。
警戒しながら森の中を歩き幸い魔獣に出会うこともなく無事に川にたどり着く。
川の水は底が見えるくらい透明度が高く、清め石はすぐに見つかった。
大きさは手のひらで簡単に包めてしまうくらいの物だった。
其れをカバンにしまい、森の中を歩きながら癒し草と魔力草を採取していると青い草と赤い草が一緒に生えてるのを見つけた。
触らずに鑑定してみる。
冷やしん草:葉の部分がひんやりとしており解熱剤の材料に使われる薬草
火薬草:葉の部分が発熱しており素手でさわると火傷する。
採取方法:葉を触らずに茎を切って採取する。
青い草は冷やしん草で赤い草は火薬草か。
一先ず火薬草の茎をナイフで切り冷やしん草と一緒にいつくかカバンにしまう。
そうこうしているうちにカバンの中が一杯になり、これ以上の採取は諦めるしかなかった。
家に着くと早速調合室に入り、棚から薬研とすり鉢、擂り粉木、ガラスの器、鍋を取り出し机の上に置く。
ガラスの器に水を入れ、先程採ってきた清め石を容れて清水を作る。
薬研に干して水分を抜いた癒し草を入れ砕き、すり鉢に容れて更に細かくする。
清水を鍋にいれ火にかける。ある程度温まってきたら粉にした癒し草を数回に分けて入れながらかき混ぜて数分煮込む。
色が綺麗な緑色に成ったら火から下ろし冷ます。
冷めたら今度は違うガラスの器に目が細かい布巾を掛けて鍋の中身を流し込み軽く手で絞って汁を最後まで絞り出す。
出来上がった回復薬をガラス瓶に移し替える。
さて、初めて作った回復薬の効果が気になり鑑定してみる。
回復薬:普通の回復薬
効果は切り傷や打ち身を治し体力を少し回復させる。
初めて作ったにしては上々だろう。
此れから更に改良していけば高品質のを作れるかもしれない!
器から瓶に回復薬を全部移すと全部で六本分在った。
そして、窓の外を見ると既に夕方になっていた。
少し集中し過ぎたみいたい。
外に出てルル達に声を掛ければ勝手に小屋に戻っていく。
其れを見送り家の東側に回る。
東側には水の魔石が使われている水場があり、畑を作るには最適な場所だった。
持ってきた鍬を使い土を耕し畑を作るまでして家に帰った。