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ユキワカ村へ


 日が昇る前に起きると昨夜まで降っていた雨が止んでいた。

 モゾモゾと布団から出て素早く着替えて一階に降りる。


 朝食を手早くとりブーツに履き替えルル達の世話と畑・薬草畑の収穫をして、早々に家に入りスリッパに履き替えてから冷蔵庫と貯蔵庫に収穫した野菜や卵をしまい、血抜きして凍らせた魔獣のお肉(500キロ)とルルのお乳から作ったバター(10キロ)を取り出してコルルカバンにしまう。

 保管室から作っては棚にしまっていた化粧水と乳液、ボディークリームとハンドクリーム、回復薬と魔力回復薬を取り出しコルルカバンにしまっていく。


 …このくらいで良いかな?


 出掛ける準備を整えて側で大人しく待っていたライルとスノウの頭を撫でてから、今日はスノウに乗せてもらう。

 森を走り抜け野原を突っ切りウラノスが住むユキワカ村に向かう。

 先週ウラノスと一緒に通った畦道の両脇に一面重たく垂れた稲穂が広がっていたが、今はどの田んぼも稲刈りが終わっておりたくさんのクイとハセに掛けられ天日干しされていた。


 スノウから降りたら二匹共に小さくなり私を挟むようにして歩く。

 村の入り口に着くとソコには薪を担いだウラノスがいて此方に気付いて近づいてきた。


 「おはよう、コユキ。

もう着いたんだ。」


 「おはよう、ウラノス。

新米が楽しみでスノウに何時もより早く走ってもらったの。」


 「いつもは早く走らないのか?」


 「うん。私を背に乗せてるときは負担をかけないように気を使ってくれてるみたいで、ライルと一緒に駆けてるときより速度を落としてくれるの。

 ライル、スノウ。

いつもありがとう。」


 そばを歩く二体の頭を撫でる。

 話しながら歩いているうちにウラノスの家に着いた。


 「これ、裏においてくるから先に家に入ってて。

中に母さんがいるから。」


 「わかった。

上がらせてもらうね。」


 ウラノスを見送り三回ノックしてからドアを開けた。


 「こんにちは〜!

先週きたコユキです。

リュイさん、いらっしゃいますか?」


 「はーい!いるよ〜!

ちょっと今手が話せないから座って待ってて!」


 奥の方からリュイの声が返ってきた。

 ライルとスノウの足を拭いてから上がらせてもらい近くにあった椅子に座り待つ。

暫くすると奥の方からリュイさんとウラノスに似た男性が重そうな俵を担ぎながら此方に来た。

ドンと俵を床に置き男性だけ一度奥に戻り、また俵を担いで戻ってくるとそれを最初の俵の隣に置いてすでに椅子に座ってるリュイさんの隣の椅子に座る。


 「いらっしゃい。コユキちゃん!

こっちは私の旦那でダンよ。

そしてこれが今年とれた新米!

一先ず二俵くらいだけどもっといる?」


「ダン・ファーマーだ。

先週は暴れバイソンの肉をありがとう。」


 「リュイさん、お邪魔しています。

旦那さんははじめまして。

コユキ・ツキノです。

こちらこそお米をありがとうございます。

…そんなに頂いて良いんですか?」


 「良いの、良いの!

先週交換してくれたあばれバイソンのお肉がスゴく美味しくてね。

あっという間に皆で食べちゃったの。

今回も持ってきてる?

持ってきてるなら交換してほしいんだけど…。」


 「ありがとうございます!

あばれバイソンのお肉の他にホワイトフロッグにスパークスネーク、スマッシュボアのお肉もあります。

後は、先週頼まれた化粧水等と自家製のモウモウバターもあります。」


 「そんなにあるの?

なら、先週のあばれバイソンとスマッシュボアのお肉にモウモウのバター、化粧水と乳液を10本と交換してくれないかしら?」


 「わかりました。」


コルルカバンからあばれバイソンとスマッシュボアのお肉を150キロずつと化粧水と乳液を10本ずつ、最後にちょっと特殊な紙に包まれたバター取り出し机の上に置いていく。


 「ありがとう。助かるわ。

それにしても、交換の対価があわないわね。

他に何か欲しいものはない?」


 「それなら、ハチミツとモレンの実を交換してもらえませんか?」


 「え、確かウラノスが今朝採ってきてくれたのがたくさんあるけどそれだけでいいの?

他にはない?」


 「遠慮しなくていい。」


 「うーん、他にですか…。」


 思い付かなくて悩んでいるといつの間にか入ってきていたのか白く小さな鳥を抱えたウラノスが声をかけてきた。


 「なら、こいつはどう?

まだ雛だけど成長すると綺麗な鳥の魔獣になるし普段は大人しいから襲ってくることもない。」


 「見たことない魔獣だけほんとに貰って良いの?」


 「いいよ。

今朝いつものようにチャポ(チャボに似た鳥の魔獣)の卵取りに行ったら親に見捨てられてミナの森を一匹でさ迷ってたヤツだから。

気になって連れて帰ってきたのは良いけど育てられないし。」


 「そうなんだ。

なら、遠慮なくもらうね。」


 椅子から立ち上がってウラノスから雛を受け取り鑑定を発動する。


 種族:ルア・シャイアホークの雛


 状態:衰弱(呪い)


 HP:5/10


 MP:15/20


 スキル:目眩まし、気配遮断、隠蔽、ライトボール、エアスラシュッ、ファイアーボール、浄化(小)、(幸運)


 備考:ルア・シャイアホークの雛

 生まれつき他の雛より小さく弱い(呪いのせい)為、親鳥に巣から落とされた。

 大人になると美しい白銀の羽根をもつ鳥の魔獣になるが無事に育つかは不明。

 飛ぶ姿も美しく優美な事から地域によっては神の遣いとして信仰の対象にされている。

 しかし過去には羽根や心臓、嘴、爪などは錬金術や魔術の稀少な材料になり、肉と卵はとても旨く主に王候貴族に好まれ多くのルア・シャイアホークが冒険者などに乱獲された。

 その為、数十年前には元々数千羽しかいなかったルア・シャイアホークは十年前に王座に就いた新王が法的に狩猟を禁じるまで、十数羽までに数を減らしていた。

 現在は王族が管理する広大な森にて徐々に個体数を増やしている。

その森から旅立ったルア・シャイアホークは狩猟や捕獲、テイムする事は禁じられているが親から見放された雛などは保護目的でテイムする事が出来る。


 なんかすごく頭と胃に痛い文章が出てきた…。

 この雛は稀少な魔獣の雛で弱くて親鳥に見捨てられた雛ってことにしよう!

 …そう考えないと頭と胃が痛くなる。

 一先ず効くかわからないけど状態異常解除のキュアと体力回復でヒールをかけてみよう…。

 そう考えているとなんか見覚えのあるボードが目の前に現れた。


 [ルア・シャイアホークをテイム出来ます。

テイムしますか?

yes or no (テイムしなければ呪いは解けません)]

 

 …ほとんど強制だよね⁉

うー、わかったよ。こわいけどテイムするよ。yesでお願いします。


 [yesが選択されました。

 呪いを解除してから名前をつけてください。]


 キュア&ヒール!


 [呪いが解け体力が回復しました。名前をつけてください。]

 

 種族からだけどこの子の名前はシャイナ!


 [名付けが終わりました。テイム成功です。

大事に育ててください。]


 わかってるよ。

 この子は私の新しい家族だから健やかに育てるよ。

これからよろしくね。シャイナ。


 「改めてありがとう、ウラノス。

この子は私がしっかり育てるね。」


 「おー、そう言ってもらえると助かる。

あと、これな。

今朝もたくさん採れたからあげる。」


 「ありがとう!」


 篭一杯に入ったモレンと大きめの瓶に入ったハチミツを受け取りバックにしまう。

 家に帰ったらこれでハチミツモレンを作ろう!








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