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少年の村へ


遅くなったけどやっと書けました。


 前を走る少年をライルに乗りスノウと共に追いかけ、追い付つき隣を走る。

 それにしても、走るのが速い。

 この子達に乗せてもらって走ってもらわなければあっという間に追いていかれてしまう。

 てか、魔獣とほぼ同じ早さで走るってあの子何者なの!?


 「ねぇ!、どこに行くの!?」


 「俺の村。」


 「村?」


 「ん。」


 …会話終了

 いやいや!!少しは話そうよ!

てか、いつまで走り続けるの!?

 さっきから森に無い薬草が生えてるから採取したいのに!

 …仕方ない、強制的に止めるか。


『エアアタック』『バインド』


 掌だいの空気の固まりを作り出し少年に向けて放つ。

放った空気の固まりは見事少年に当り、体勢を崩したところに無属性魔法のバインドを放って縛りあげて漸く止まった。


 ライルから降りて彼に近づくとブスくれた表情で転がっていた。


 「いきなりごめんなさい。

この辺りの薬草採取したいから少しだけ待ってて。」


 ブスくれたまま頷くのを確認したあと、急いで森にあまり生えていない薬草や錬金術で使える植物等を採取していく。

 一通り植物を採取して戻ると少年はライルとスノウに挟まれて寝ていた。

 …うん。ライルとスノウの毛はふわさらで気持ち良いでしょう!

毎日丹念にブラッシングしてるからね!

 すごく気持ち良さそうに寝てるけど起こした方がいいよね?

 魔法を解除してからそっと少年に手を伸ばすとパチッと目を覚ましガバッと起き上がった。


 「もう良いの?」


 「うん。

必要な分は集めたから行けるよ。」


 「分かった。

そのウルフに乗ってついてきて。」


 こちらが今度はスノウに乗ると少年はあっという間に駆け出した。


 草はらを駆け抜け大きな川に架かる橋を渡り、少し行ったところの小川を飛び越えると周りには黄金色の絨毯が広がっていた。


 「うわぁ…!

これ、もしかして全部稲!?」


 ご飯が恋しくて探してたお米だ…!


 「そうだよ。

これを村人総出で鎌で刈って数日天日干しして脱穀して精米すると食べられる。

欲しいなら物々交換する?

まだ、稲刈りしてないから去年のになるけど。」


 「良いの!?

…でも、今持ってるのは魔獣のお肉と回復薬、魔力回復薬とさっき採取した薬草にシャボンの実だけ…。」


 「それだけあるば充分。

特に魔獣の肉と交換してくれると嬉しい。

もうすぐで村につく。」


 指で示された方角を見るともう少し行ったところに何軒か家のような見えた。

 ゆっくりと村に続く道を歩く。

 村の入口でスノウから降りて二匹に子犬くらいの大きさになってもらい前を歩く少年についていく。


 「…あ、忘れてた。

俺はウラノス・ファーマー。

このユキワカ村の住人。

あんたの事はコユキって呼ぶから。

俺はウラノスな。今向かってる場所は俺の家

母さんに言って米と肉を交換してもらう。」


 なんかスゴく和風な村の名前だな…って違くて今頃名前教えてくれた。

 ウラノスって言うんだ。


 「わかった。

けど、勝手に個人で物々交換して良いの?」


 「少しなら問題ない。

気になるなら後で交換広場に連れてくからそこで他の人から買ったり売ったり交換したりすると良い。」


 「わかった。」


 そこで会話が途切れ黙々と村の中を歩いてると一軒の家の前で止まった。


 「ただいま。

母さん、お客さんつれてきた。」


 「おかえり、ウラノス。

 あなたが人を連れてくるなんて珍しいじゃない。

 そちらのお嬢さんとウルフさん達が客さん?」


 家の扉を開けて中に声をかけると中からウラノスによく似た焦げ茶色の髪を首の後ろ結んだ優しそうな女性が出てきた。


 「はじめまして。


 コユキ・ツキノと言います。

この子達は私の家族のライルとスノウです。」


 「これは丁寧な挨拶ありがとう。

 はじめまして。

 私はお嬢さんの隣にいるウラノスの母、リュイ・ファーマーです。

 コユキちゃんで良いかしら?

息子がお客さんを連れてくるのは初めてじゃないけど村の子以外で同じ年頃の女の子を連れてくるのは初めてよ!」


 目をキラキラさせながらリュイさんが詰め寄ってくる。

 どうしよう…。

お米とお肉を交換してもらいたいのになんか言い出せない。


 「母さん。

家にまだ余ってる米あったよね。

それをコユキが持ってる肉と交換してくれないかな?

どうしても米が欲しいんだって。」


 「お米…?

たしかに去年豊作だったからまだまだ余ってるわ。

 コユキちゃん、お米が欲しいの?」


 「えっあ、はい!

 この暴れバイソンのお肉とお米を交換していただけないでしょうか?」


 慌ててコルルカバンから殺菌効果と防虫効果があるバナルというバナナに良く似た実をつける木から採れる大きな葉っぱに包んだ五キロほどある暴れバイソンのお肉を取り出した。


 「あの暴れバイソンのお肉!?

大人の男が数人がかりでやっと一頭狩るのをコユキちゃん、一人で狩ったの?」


 「いいえ、ライルとスノウに協力してもらいながら狩りました。

このお肉は昨日仕留めて血抜きした後に、解体して直ぐに時間停止の魔法をかけたので新鮮なままです。

 後、私が交換できるのは昨日作った回復薬と魔力回復薬だけです…。」


 「そう。ライルちゃんとスノウちゃんに協力してもらったのね。

それでもすごいわ!

ふふ、さっそくそのお肉とお米を交換しましょう。

一先ずお米は十キロくらいで良いかしら?

 でも、新米も食べてほしいわね。

なら明日稲刈りして天日干しするから、来週の今日もう一度いらっしゃい!

その時に回復薬と出来れば化粧水なんかと交換してくれないかしら?

 …あ、私ったらお客さんを立たせっぱなしだったわ。

コユキちゃん、ライルちゃん、スノウちゃん家にあがって!

お米とってくるからそこの椅子に座って待ってて!

ウラノス!あなたはコユキちゃん達に飲み物出しあげて!!」


 あっという間のマシンガントークに押されつつ頷けばリュイさんは私からお肉を受け取るとウラノスに指示を出しながら家の奥に入っていってしまった。

 私は薪をおろして戻ってきたウラノスに促されるままライルとスノウの足を拭いてから家に上がらせてもらい椅子に座らせてもらった。

スノウとライルは私の足元でふせをしている。


 「これ、昨日採ってきたモレンを同じく昨日採ってきたハチミツに一晩漬けたヤツに水を入れたもの。

けっこう美味しいよ。

ライルとスノウにはヤーギーのミルクな。」


 「ありがとう。」


 机を挟んで前に座ったウラノスと共にレモネードならぬモレネードとライルとスノウはヤーギーのミルクを飲みなから待つこと数分。

 部屋の奥から麻袋を両手で抱えたリュイさんが出てきた。


 「お待たせコユキちゃん。

はい、お米!

ちゃんと入ってるか中を一応確認してくれる?」


 「はい、わかりました。」


 言われた通りに麻袋の口を開けて中に手を入れながら視認で確認し失礼だと思いつつ鑑定を使う。


 ・お米(十キロ)。

豊満な土壌と綺麗な水で育った稲からとれるユキワカ村特産のAランクの美味しいお米

何に使ってもとっても美味しい。

なお、この村でとれたSランクのお米は王室御用達なり。


 …王室御用達!?

でも、このお米はSランクじゃなくてAランクって書いてあるから貰っても大丈夫だよね…?


 「確かに確認しました。

ありがとうございます。」


 じゃっかんの罪悪感を抱きつつリュイさんとウラノスに向かって立ってから頭を下げた。


 「ふふ、良いのよ。

こっちも上等なお肉と交換してもらえたから。

ほら、座ってまだ飲み終わってないでしょ?」


 確かにまだモレネードが半分くらい残っていたのでお言葉に甘えてお米が入った麻袋をコルルカバンにしまってから椅子に座りなおした。

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