買い物をします。
…六ヶ月ぶりの更新です。
ギルドで依頼をいくつかこなしたあと、ジョセフさん達に連れられキャナルと言う名のお店の前に来ていた。
「此処ならコユキが言ってた調味料が売ってる筈よ。
他の店だとあんまり扱ってないようなモノも在るから良く此処に来るのよ。」
アンナさんが少し自慢気に語る。
流石は冒険者と言うべきなのかな?
やっぱりこの町を拠点に活動してるだけはあっていろんな事を知っている。
さっき屋台で買ってもらったオークの肉の串焼き(食べるのに勇気がいる)は食べた感じ豚肉に似ていてなかなか美味しかった。
ドアのベルを鳴らしながら中に入ると店番をしていたのか私より少し下くらいの女の子が元気のいい声で挨拶をしてくれた。
「いらっしゃいませ!
あ!ジョセフさん達だ。
今日はどうしたの?」
「こんにちは、ミーシャ。
回復薬が無くなったから買いに来たの。」
「そうなんだ。
回復薬はいつも通り奥の棚に置いてあるよ。
あ、昨日新しい商品も入荷したらゆっくり見てってね!」
ミーシャと呼ばれた少女はツインテールにしている亜麻色の髪を遊ばせ、琥珀色の目を輝かせながらカリナさんに淀みなく答えていた。
カリナさんとアンナさんは新しく入荷したらしい商品を見にすぐ手前の棚に向かい、ジョセフさんとアルフレッドさんは回復薬を取りに店の奥に入っていってしまった…。
一人残された私はどうすることも出来なくて突っ立ったままで居ると少女の方から話し掛けてきた。
「お姉ちゃんはなにか買わないの?」
「えっと…。此処は調味料とか売ってる?」
「調味料?
うん!売ってるよ!!
お姉ちゃんは何が欲しいの?」
その質問に先ず頭に浮かんだのは塩と砂糖それき胡椒、後は日本人としては忘れてはいけない醤油とお味噌!って言っても塩と砂糖、胡椒は多分手に入るとしても醤油とお味噌はある可能性がとても低い…。
「…一先ず塩と砂糖と胡椒はあるかな?」
「んー、塩と砂糖、胡椒もあるけど…。
他にもナツメグやあまり人気はないけど変わり物で東の国の醤油や味噌もあるよ。
気になるなら買ってみたらどうかな?」
…えっ!?
醤油とお味噌があるの!!?
是非とも買わなくちゃ!!
「それは何処にあるの!?」
思わずミーシャちゃんに詰め寄るように聞いてしまった…。
「みっ右の棚から二番目の棚に塩と砂糖、胡椒とか置いてあるよ!
味噌と醤油は持ってこないと無いけど…いる?」
私の勢いに若干押されながらも、しっかりと置いてある場所を教えてくれた少女にハッとして正気に戻りとても恥ずかしくなった。
まさか醤油と味噌があると思っていなかったら思わず興奮してしまったらしい。
…凄く恥ずかしい。
「…うん。
醤油もお味噌も要ります。
先に塩と砂糖、胡椒を見てくるから用意してもらえると有り難いかな?
…それと突然大きな声を出してしまってごめんなさい。
迷惑だったよね…。」
ほんのりと赤くなった顔で少女に謝った。
はっきり言って今のは軽く営業妨害だ。
…穴があったら入りたい。
「ううん…すこし驚いたけど大丈夫だよ。お姉ちゃん!
味噌と醤油はお父ちゃんに言ってだしてもらうね。
すこし待ってもらっても良い?」
「はい。大丈夫です。」
問い掛けに答えながらミーシャちゃんの大人の対応に自分が情けない…。
この後、私はしょぼくれながら砂糖等が置いてある棚に向かい、大・中・小と置いてある砂糖等が入った壺の中から一番大きな壺を取り借りた台車に乗っけて行きました。
流石に一つ10kg〜30kgくらいある壺を一度に複数も運ぶのは生前の私でも無理。
しかも今は十歳児だから尚更無理がある。
だから、店に置いてあった台車をミーシャちゃんに許可をもらって借りた。
他にも必要な物を台車に乗せて落とさないように気を付けながらミーシャちゃんの所に戻ると大きな樽と壺をいくつか置いてるミーシャちゃんより濃い短い茶色の髪にやや赤みが掛かった琥珀色の目を持つ体格の良い男性がいた。
「お、嬢ちゃんがコイツらを買うのか?
どのくらい必要なんだ?」
「醤油と味噌共に30kgずつ下さい。」
「…そんなに要るのか?
見たところ嬢ちゃんには魔獣がいるみたいだが保護者はどうした?
そっちの台車に乗ってるのと合わせたら相当な重量になるし金もけっこう掛かるぞ?」
男性は心配そうにスノウ達を見た後に私を見た。
確かにこんな子供がこれだけの品を払うのも持って帰るも無理だろう。
けれど私にはマジックバックもあるしニコラスさんに結界石を買ってもらった時のお金とギルドでいくつか依頼をこなしたお陰で全部買えるくらいのお金はある。
それに牧場にいる魔獣達の世話と畑の世話もあるからそうそう町には来れない。
だからまとめ買いしておかないと後で大変なことになる。
心配そうに見てくる男性に少しだけ嘘をつかせてもらった。
「大丈夫です。
亡くなった祖母からマジックバックと遺産を引き継いでいるので手持ちは少し余裕があるんです。」
「…そうか。
死んだ婆さんから貰ったのがあるのか。
悪かったな。
変なことを聞いて…。」
「いいえ。
確かに私みたいな子供が魔獣を連れているとはいえ、一人で来るのは可笑しいですから。」
同情するような顔で謝れてしまったが此方は少し嘘をついたからちょっと心苦しいが、早く買い物を終わらせて帰らなきゃいけない。
「もう!お父ちゃん!!
早くお会計しなくちゃ!!」
重苦しい空気になったとき今まで黙っていたミーシャちゃんが割って入った。それに慌てたように男性…ミーシャちゃんのお父さんは私が台車で運んできた商品と味噌と醤油(どちらも一先ず20kgづつ)の計算をしはじめた。
「ざっと13.000イルだ。」
…少し買い過ぎたかな?
でも、必要なものだしあまり来れないから仕方ないか。
背負っているカバンから財布にしている巾着の中から13.000イル取りだし払った。
「確かに受け取った。
…さっきは悪かったな。嬢ちゃん。
俺の名前はバルト・ローエンって言うんだ。
こっちは娘のミーシャ。
また、買い物に来てくれな。」
先程の事をまた謝れてから自己紹介されたのでこちらも返す。
「私の名前はコユキ・ツキノです。
はい。また、買いに来ます!」
買ったものをカバンに全て入れてからカウンターを離れていまだに商品を物色しているカリナさん達に声をかけてからライル達を連れて外に出た。




