水の町アクア
随分遅くなりましたが続きで来ました。
二時間かけてやっと水の町アクアに着いた。
人の長い列を見つけて早速並ぼうとしたらジョセフさんに腕を掴まれ放れた人が少ない列に一緒に並ばされた。
「嬢ちゃんも此方だ。
俺達は依頼主の護衛だから、今回は貴族や商人が使う門から町の中に入る。」
ジョセフさんの言葉には納得がいくが何故、私も並ばなければいけないのか分からず疑問を口にする。
「なら、私だけあっちに並べば良いんですよね?
それなのになんで私を掴んで此方に連れてきたんですか?」
「依頼主から言われたんでな。
嬢ちゃんも俺達と一緒に此方から入ることになった。
それに見た限り嬢ちゃん。あんた身分証持ってないだろ?
俺達は依頼達成を報告する為に一度ギルドに行く。
嬢ちゃんも一緒に言ってギルドに登録しろ。
身分証になるしこれがあると後々楽になる。」
…成る程。
ジョセフさんは私を連れてギルドに行き登録させるつもりらしい。
これは正直助かる。
私は今日初めてこの町に来たため何処に何があってどんな物を売っているかを知らない。けれど、彼等についていけばそれを知ることが出来るかもしれない!
そう考えている内に列は進み私たちの番になった。
「次の者、身分証を提示しなさい。
て、ジョセフさん達じゃないですか!
クエストお疲れ様です!!」
「お!ありがとうな。
ほれ、身分証だ。」
ジョセフさん達と知り合いらしい騎士が笑顔で身分証を受け取り確認した。
「はい。確かに確認しました。
お返ししますね。
ところでジョセフさん。
一緒にいらっしゃる小さいお嬢さんと二匹のウルフはどうしたんですか?
ウルフ達は首輪をしているので従魔の様ですが…。」
騎士のお兄さんが私を見て怪訝そうな顔をして尋ねる。
「あぁ。
この嬢ちゃんか?
ここに来る途中でウルフの群れに襲われてな。
普段ならどうてこともないんだが、生憎回復薬を切らしている時に襲われたもんで此方が不利になった。
そん時にこの嬢ちゃんと嬢ちゃんの従魔であるコイツらに助けられてたんだ。」
私の頭を撫でながらジョセフさんはことなげに言う。
しかし騎士のお兄さんは納得ができないようだ。
当たり前だ。
今だ幼い私では庇護対象になる。
そんな私が通常なら彼等を助けられるわけがない。
「それは、本当ですか?
ウルフ達だけなら分かります。
申し訳ありませんが、こんな幼いお嬢さんが貴方達を助けらるとは思えません。」
最もな言葉に私が内心で頷いているとカレンさんとアンナさん、アルフレッドさんが反論した。
「私もこの子がくれた回復薬で助かったわ。」
「私もカレンと同じよ。」
「俺は彼女がウルフに乗って周りのウルフ達を散らしながら此方に来て直ぐに結界石で結界を張ってくれた他に回復薬を飲ませてもらって助けてもらった。
俺達の証言では足りないか?」
三人の言葉に騎士は黙り込んでしまいどうすれば良いか周りを見るともう一人の騎士と目があった。
「そこまでにしろジーク。
お嬢さんが困っている。」
「!アレク…すまない。」
「俺に謝ってどうする。
謝るならジョセフさん達とこのお嬢さんに謝れ。」
ジークと呼ばれた騎士は気まずそうにしながら謝る。
しかし、アレクと呼ばれた騎士に一刀両断された。
そして黙りを決め込んだジークさんにため息をついたあとに私に目線を合わせるようにしゃがんだ。
「すまなかった。お嬢さん。
身分証は持っているか?
持っていないなら500イル必要だ。」
鞄から財布代わりにしている巾着を取り出し500イル渡す。
「確かに受け取った。
身分証を作ったら見せてくれ。
そうしたらこの500イルはお嬢さんに戻る。」
「分かりました。」
「ようこそ、水の町アクアへ
楽しんでいってくれ。」
フッと笑った様子が似合うイケメンアレクさん。
そして、私はジョセフさん達と町に入れた。




