春風
誤字・脱字に注意を心がけております。
次の日、首都{ラフレフィア}の部隊に連絡があった。
どうやら、東方面の村で大量虐殺があったらしいのだ。
被害者は全員、杭のようなモノが体を貫通し死亡していたというものである。
部隊は即座に東方面の農村へと向かった。
鼻をくすぐる様な春の匂いと鉄のような匂いが漂うのどかな農村。
足音だけが聴こえる静かな農村。
住民は壁に杭で磔にされたものや体の部位が弾け飛び血溜りができた不満足な骸、食い荒らされたかのような噛み跡と散らかった「だったもの」が所々に放ってあった。抵抗はあったようだが虚しいものだったようだ。
「この黒い杭のような・・一昨日の晩に起きた蜘蛛の化物の事件に似ていますね。」
部隊の者が言う。
その上官と思われる者が無表情な顔で頷く。
「西門で出た化物と同じやつならここまで穴掘ってきたってことになるよな。」
「いや、東よりから来たんじゃないか?」
部隊の者が話している。
すると、部隊の、ある者から報告が入った。
「化物が通ってきたと思われる穴が発見されました。穴は西方向へと続いています。」
部隊の一同がどよめく。
想定していたことだったが、化物は首都の西門辺りから地中を掘り進めてきたということが分かったのだ。
上官は言う。
「化物は西門と同じやつなのだとしたら、今、化物の集団は一つなのだろうか。」
部隊の者が言う。
「そうなりますね。」
そして、その日の捜索が終わり、その日も終わる。
土から血の匂いがしてきた。
部隊の者がまとめた資料
蜘蛛(仮定)
土を掘削し進行する。
人以外の捕食の件が伝えられていないため肉食だと思われる。
捕食時もしくは攻撃時に杭のようなものを放出か、刺し込む。