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猫って耳で返事するんだぜ

 

「哀しいくらい綺麗な蒼空ね」

「そ? ちょっと雲あるけど気持ちいい晴れ空じゃん」

 灰色の猫を携帯ストラップでじゃらし、彼は楽しげに笑う。

 彼女は物憂げな溜息。

「杉田くん、猫バカに同情を求めた私が悪かったわ。その猫と好きなだけ戯れ合って、遅刻でもなさい」

 肉球をぷにっぷにしながら見送る小さな背に肩を竦める。

「晴れてんなら楽しんだ方が良くね?」

 喉を擽ればグルゴロとイイ返事。

 遅刻ギリギリでも猫バカは猫優先だった。

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