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東方便利屋 Diablo del rebelion  作者: 黒翼天使
一章便利屋として
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第三話初めての客

霊夢にこっぴどく怒られた後、神社を後にし人里に戻った。すぐに帰りたいと思ったが霊夢曰く結界が大絶賛不安定中とのことで帰ろうにも帰らせてくれないのである。仮に無理矢理にでも帰ったらどこに出るか分からないし永遠と別次元に飛ばされるかもしれないのでそんな無謀なギャンブルをする気にはなれない。なので当分の間ここで元の世界でやっていた何でも屋をやることにした。出張何でも屋in幻想郷である。部屋は空きがないと言うことなので住み込みで前にあった上白沢慧音の寺子屋で子供たちの相手を片手間に自身の営業させてもらうことになった。


「・・・やっぱこねぇな」

「ビラでも配ったらどうだ?」

「それも考えたがどうも面倒臭ぇ」

「なら我慢するんだな、怠けてばかりでは良いことなんて何一つないぞ」


それに対して手で分かった分かったと返事をする。前では助手がいて代わりに宣伝をしてくれたのだが今は居ない。彼はこういった手のことは大嫌いなのだ。助手は今頃何をしてるんだろうか。


「分かってるんだがどうもやる気が起こんねぇなぁ・・・」


どうにもこうにもやる気が起きなんだ。そう思っているうちに一人の女性が来た。


「何でも屋っていうから来たんだ」

「客か、名前と用件を聞こう」

「俺は喜助、ここ最近害獣やら妖怪やらのせいで畑が荒らされてんだ。だからその退治をしてくれねぇか?報酬はあんたのご希望でいい」


この手は初めてなので少しばかり考え込む。


「そうだな、三百ドルでどうだい」

「どる?」

「ああ、いや三万だ、それが無理なら二万円でもいいけどな」


三万でいいとのことだった。仕事の内容は畑を荒らす害獣や妖怪の退治ということだった。いつもの様な仕事だった。外の世界では迷子になった子供の捜索などが主だったが裏の仕事で悪魔退治をやっていた。

つまりその要領でやればいいのだから、どんなものかと思ったが楽々だった。


「ここが目撃情報があった所だ」


森につれて来られた。レオンが辺りを見渡すと何かを発見する。


「? 何してんだ?」

「いや」


改めて喜助がそう訊ねてきたのは、突然レオンが歩みだし、しゃがみこんだからだった。大木の根元に刻まれた爪痕のような何か―弥助の入手した目撃情報が当たりか否なのかはわからない。だが、爪痕の傷は真新しい。


「警告のつもりなのか?」


爪痕から右手を引き、左手でさする。爪痕から魔力の残滓などは感じ取れなかった。なら獣か?


「そうそう、ゲンソウキョウのことに関して少し教えてくれないか?」

「たとえば?」

「そうだな。たとえば、何でこの場所がゲンソウキョウって呼ばれているんだとか、ここがどこなのかとか、そういう、地理、歴史的な情報を知りたい」


あの巫女から教えられたことは妖怪に関することと、弾幕ごっこくらいだからだ。他に関することは教えられていない。


「地理的っていわれてもな」


喜助が困ったような表情を浮かべる。


「ここは、幻想郷。幻想郷は幻想郷さ。ここいら一帯の地名、とでもいえばいいのかね。俺が生まれたときからそう呼ばれてるんだし、理由なんて考えたこともねぇよ。なんだ?あんた外来人なのか?確かに服装が変だからな、多分、海を越えた外の世界からやってきた人間なんだろうから混乱するのも無理はない

と思うが」

「海を越えた?」


反射的に訊き返す。互いの恰好の違いに違和感を拭えなかったレオンであったが、その言葉に、まさかと、考えた。まさか俺は今、アメリカではないどこか他の国にいるのか?だがこいつの話してるのは英語だ。いったいどういうことだ?


「おまえ、さっきから随分と妙な質問が多いけど、まさか妖怪に襲われて記憶の一部をなくしちまってるなんてことになってねえよな?いや外来人だからか?」

「妖怪・・・か。いや大丈夫だ。さっさと片付けるぞ」


そういって魔法の森の中に入っていく。それからしばらく十五分程度、散策のような探索が続いた。

「駄目だな。見つかる気配すら感じねぇ」


足を止め、一息を付いたレオンが喜助に振り返った。レオンが捜索の足を止めたのは、さらに数十分ほど歩いてからのことだった。


「だ、なぁ……。まぁ、そんな予感はしてたさ」

「まぁ、あてもなく闇雲に探してるだけだからな。おまえの見つけた目撃情報とやらもとっくに賞味期限がきてたんだ」


息を切らす喜助をそれが、レオンの目には妙に映ったのだ。農業をやっていて、体格が良い男の割には軟弱だなだと。だがそう思ったあと理由がすぐわかる。この魔法の森の魔力に当てられてるんだ。濃い魔力は無力な人間に対しては有害なのだ。対抗を作ることも可能だがそれには長い時間を掛けるものだ。そして帰ろうかと思った直後、風切り音。頭上からだ


「うお!」


野獣の不意打ちを驚きながらも右腕で防ぐ。途端に重量の増した右腕を大きく振りかぶり、牙を立ててくる謎の野獣を振り払う。血が結構な量が出てくるが気にも留めない。ほっといても悪魔の力ですぐ直るからだ。


「隙を窺ってた、ってわけかよ」


レオンはかばうようにして弥助の前へ立ち塞がった。この状態になるまで待っていたのか不意打ちしやすい場所に誘い込んだのかは定かではないがこうなったらやるだけだ。


「って、あんた、大丈夫なのか? 今、モロに餓狼に右腕を噛みつかれていたような気がす

るんだが」

「人の心配をする暇があったら自分の心配でもしてろ」


剣を取り出す。リラックスをし、構える。


「さてパーティの時間だな」

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