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変なやつまとめ

14 - 泥棒

作者: 櫻井ゼノン
掲載日:2026/04/22

私は家に空き巣が入っているところに、ばったりと出くわしてしまった。


その人物は真っ黒の目出し帽を被っていて、

上から下まで全身黒ずくめの服を着ていた。


私は家に入っていた泥棒さんに「あ、どうも」と挨拶をした。

泥棒さんも「あ、どうも」と軽く会釈をしながら返してくれて、

そのまま私の家の引き出しを片っ端から漁っていた。


庭のウッドデッキとの境目にある大きなガラス窓を見ると、

クレセント錠の近くのガラスが一部壊されており、

窓が開いていたので、どうやら彼はそこから侵入してきたようだった。


私は泥棒さんの横に座り、彼が荒らした引き出しの中身を丁寧に直していった。

彼はその間にも、次から次へと私の部屋を荒らしていく。

私は忙しそうにしている泥棒さんに尋ねてみた。


「何か良い物は見つかりましたか?」


「ああ、少し高そうな腕時計がありましたよ」


「見せていただけませんか?」


「あ、どうぞ」


私は私の腕時計を受け取ると、自分のポケットにしまった。


「これ、私の腕時計なので、一応預かっておきますね」


「あ、はい。分かりました」


それだけやり取りをすると、泥棒さんはまた別の棚に移り、

ごそごそと金目の物を探し始めた。


私はしばらく泥棒さんの横で後片付けをしていたが、

彼の「おっと、そろそろ時間だ」というつぶやきが隣から聞こえてきた。


「どうかされましたか?」


「5分以上やると通報される可能性が高くなるので、このあたりで、おいとまさせていただこうかなと思います」


「あっ、そうなんですね。どんな物が盗れたか、また見せていただけませんか?」


「あ、どうぞ」


私は泥棒さんの持っていた小さな袋を受け取ると、

それを広げて、中に入っている盗まれた物を確認させてもらった。


「あ、すみません。全部私の物みたいなので、全てこちらで預からせていただきますね」


「あぁ、そうでしたか。残念です。それではこれで、失礼いたします」


泥棒さんは丁寧に頭を下げ、壊したガラス窓からゆっくりと外に出ると、

きちんと窓を閉めてから、もう一度窓越しに会釈をして帰っていった。


私は闇夜に消えていく泥棒さんを眺めながら、

近くにあった固定電話の受話器を取ると、

静かに「1・1・7」と入力し、電話をかけた。


『午後9時23分10秒をお知らせします。ピッ、ピッ、ピッ、ポーン…』


ああ、結構遅い時間になっちゃってた。

お腹もすいたし、片付け終わったら夕飯にしないとね。

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