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樹当千  作者: 千葉
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六話 戦闘

遺跡にたどり着くまでに狼と猿がまじったような魔獣が襲い掛かってきたがユレイアが剣で、ヘルちゃんは酸液をだして返り討ちにしたのが計5回、ユレイアの氷魔法で冷凍させること計2回があった。

ようするにユレイアは強い、俺はまったく何も動かずに戦闘がおわった。

正面に立つ紺色の建物がおそらく遺跡だろ。中に入ろうとするとヘルちゃんが弾き飛ばされた。ヘルちゃんが再び入ろうとしたがまた弾き飛ばされてしまった。

「どうやら遺跡が荒らされないようにモンスター除けの魔法が施されているみたいだな。」

「ヘルちゃんここまでありがとな。」涙を流しながらお別れをした。

遺跡の内部は広く複雑な造りをしていたが、罠やモンスターを一度も見なかった。

「おかしい、いくらなんでも無用心すぎる。」

「ユレイア、それが宝物庫のなかで宝を物色しながら言うせりふとは思えないが。」

周りには金やら銀やら七色に輝く宝であふれている。目がくらんで気持ち悪くなるほどだ。

「よし私はこの剣にしよう。」

俺の声はもう届いてない。

「イツキそんなとこで何してる?宝は手に入れたんだ、もう帰るぞ」

俺の襟首を掴んでひきずりだすユレイア。まあいいか、俺あんまり派手なの好きじゃないし。


遺跡の出口が見えてくると急に目の前に赤い色のついた風がつむじを巻き始めた。

「ものすごい魔力が集中してきている!気をつけろイツキ!」

風は一定の形を保っていたがパッと解かれ、つむじの中からは赤いフード付きのローブを身につけた骸骨が現れた。

「でででで出たー!でも納得だな、そんなにうまく行くわけないんだよ人生。」と俺。

『よくきたな冒険者よ、私はかつてここにいた最後の魔法使いが死ぬ間際に自身に魔法をかけてつくられたゴーレムだ。その手に持っているものを置いていけば無事におうちに帰してやるぞ』

「刺激が足りないと思っていたところだ。ユレイア・イーストフッド参る。」

『私も生前はロッドマスターと呼ばれた男、魔導の極みをみるがよい』

まずユレイアが得意の氷魔法で巨大なつららを飛ばす。

『笑止、魔導師にちゃちな魔法を放つとは』

そういいながら手に青い光を宿してつららをはじき落とす。

「目くらましにすぎんわ!」

剣を振りかざして首を跳ね飛ばそうとするが、ロッドマスターの手に受け止められる。

「何っ!?」

『ふ、この程度か。』

そのままユレイアを壁へたたきつける。ユレイアは衝撃で気絶して動けそうにない。

『しばらくとは言わん、永遠に眠れ。』

ロッドマスターが手の青い光を強くさせる。俺は急いで地面に左手をつけて樹をはやしユレイアを捕まえて移動させる。

『ほほうなかなか面白そうな技をつかうな』

しゃれこうべを不気味に震わせカタカタさせながらこちらを見る。

「どうも、次は俺がいくわ。」

杖を横にかまえながらいうと、

『お前ロッドマスターの私に杖で戦うと言うのか?これはおもしろい、今日は自分の立場をわきまえないやつが多くて楽しいぞ。』

青い光を伸ばして杖にする。俺の杖とどっちがつよいかな?

『この杖はナナカマドの木を三日間月光にあてドラゴンの息吹できたえたものだ。その程度の杖で一合持てばいいほうだな。』

「試してみるか。」

俺は異世界にきて上がった力で杖を相手へと振るった。相手の杖はそれを受け止めたと思いきやポキリとおれてしまった。

「一合で折れるのはそっちだったな。」

『あ、ありえん』

「ありえちゃうんですこれがw」

 そのままとどめをさそうとするが素早く避けてしまう。

相手は警戒して距離をおいたので、俺は左手で地面をあちこち突くが十本以上は生えなかった。どうやら今の俺には同時に十本しか創った木を展開できないようだ。とりあえずその十本を相手に向かわせるがロッドマスターはひらりと宙を浮かびながらかわす。

『きりがないな、燃えろ』

巨大な火の玉が俺に向かってきたので慌てて木を硬質化させガードにまわしたが半分以上が燃えてしまった。

「ここはユレイアの手に習いますか。」

目の前に再び木を生やし相手の視界をふさぐ。

~ロッドマスター視点~

最初杖が折られた時は驚いたが、その時とどめをさしきれないことがこいつの戦闘経験の浅さを物語っている。

木を生やして攻撃させる私でも見たことが無い技だが、同時展開できる数はせいぜい十程度だと思われる。余裕でかわし魔法を放てるレベルだ。

やつが再び木を生やして私の視界をふさいだ、あの女剣士の真似でもしているのだろう。

下らんな、人はあせって勝負したときその全力をだす。私はやつの常時展開できる木をすべて数えて9本だとわかった。

7本、8本、9本、この後に私の死角からやつが出てくるな。

後ろから杖をかざして私に突っ込んでくる気配が感じる。

私が杖を掴んで受け止めるとやつの顔が青ざめた、そのままやつの首を切り離した。

すると同時に後ろから衝撃を感じた。自分の胸から先がとがった杖が飛び出している。

『なぜなぜナゼオマエはここにいる?』

「よーくお前の倒した相手を見てみろ。」

やつの言う通りに見てみるとそこにはやつとそっくりな顔をしてはいるが、よくみて見ると足もとが何か変だ。足の後ろから木が生えているようにみえる。

『まさか、これも木だというのか?』

「正解!よくできました。最初にお前の視界を木で隠したのは、その後ろで俺そっくりの木人形を作るためだったんだよ」

『作戦負けというわけか。油断していたといえ私に勝ったのはお前が初めてだ。』

「今までの3人はどうしたんだ?」

『あやつらはこの遺跡の謎を解き安全な道を選びかえっていった。勝ったお前には戦利品をやらなければなるまい』

「え、いいの?」

『ああ、私の役目は終わったしな。もうすぐこの遺跡の役目も終わる。』

~樹視点~

そういい終わるとロッドマスターは消えていった。のこったのはやつのきていたローブだけだ、おそらくこれが戦利品とやらだろ。さっきまで骸骨が着ていたと考えるとゾッとするが、着心地はなかなか気持ちいいものだった。


まずはお姫様を起こさないとな。ユレイアはまだ床に倒れていて体をゆすっても、水をかけても起きない。なるほどお姫様を起こすには王子様のキスが必要ってわけか。

ならしかたないな~、俺としては非常にひじょーーーに不本意だが必要とあらばやるしかないな。ではいざっ!としようとしたらゴゴゴゴと遺跡全体が揺れ始めた。

「くそー神!このシチュエーションに嫉妬して天変地異を起こすんじゃない!!」

「あれ、どうしたんだその服は?樹やつは何処へ行ったんだ?そしてなんでそんなに残念そうな表情をしているんだ?」

「話している時間は無い、チッとりあえずここを出るぞ!チッ」

ユレイアは立ち上がろうとしたが、まだダメージが抜けてないのか少しふらついた。

「ユレイア無理をするな!俺に負ぶされ、早く!」

「大丈夫だ、私は走れる。」

「いいから早くしろ!」おれは必死の形相でユレイアを促す。

ユレイアはしぶしぶな感じで俺に負ぶさる。

俺はものすごい力が湧いてくるのを感じた。神よ、このシチュを作るために天変地異を起こしなさったんですね。なんたる役得!


いっきに投稿しました作者の千葉です。

この後の展開も一応考えてはいるのですが、こうしたほうがいいなどの意見がありましたらドンドンご指摘ください。

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