表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
樹当千  作者: 千葉
24/68

二十三話 負傷

俺は『痛くないのかなぁ?』と思った。

だがそんな俺の心配を他所に奴は痙攣したように体をビクビク震わせながら、徐々に体の周りから赤い光を放ち始めている。俺はなんだか嫌な予感がしてベアンテでやつの体を拘束した。

「はぁ、はぁ、チカラが、力が満ちてくるジャナイ」

ついにやつの体の周りに力が溢れるのがはっきりと見えるまでになった。

ハンターの漫画では念だが、これはおそらく魔力だと思われる。

「まずはこのうざったらしい草どもを・・」

奴は先程とは比べ物にならないほどの炎を頭上に呼び寄せた。

これはヤバイと思い俺は自分の体を覆うように木を展開した後俺の力の限界まで木を硬質化させ防いだ。そのあとすぐに轟という音がしてあたりの植物達の意思が感じられなくなったので外でだいたい何があったのか分かった。

俺が木の壁から出ると奴はほぼ焼け野原と化した植物園の中でにやけた面をしながら俺を待っていた。

「あとは君だけジャナイ」

奴はこっちに脱力したような体勢でやってきてろくに構えずもせずただまっすぐ剣を振り下ろした。俺が槍でそれを受け止めた時、あの勢いでは考えられないほどの力が俺の両手に響いた。まるで象がのしかかってきたようなその攻撃に俺は槍を地面に落としてしまった。槍が壊れなかったのは奇跡に近いだろう。

俺はあわてて拾おうとすると腿が焼けたような痛みを感じて勢いよく転んだ。

振り返ってみると腿がばっさり切られ、そこからたくさんの血が奴の剣のもとへ吸い込まれていた。今まで感じたことの無いほどの痛みに冷や汗がダラダラと流れ俺は低く呻いた。

「君はじっくりいたぶってから殺してやるジャナイ」

くそっ、俺はこんなところで死ぬのか?


ユーリィを助けずに死んでたまるか!!


腿から流れる血を必死に手で抑え槍を杖代わりに立つ。信じられないほど痛いがまだ立っていられる。

「・・・私はそういう根性論は嫌いジャナイ。君はさっさと絶望した表情を私に見せるジャナイ」

「俺だって・・・嫌いだよ。・・・・でもな・・ここで立たなきゃ・・・・・ユーリィ救えないだろ?」

俺が言い終わると同時に奴は俺の腹をけりつけ俺はそのまま数メートルほど吹き飛ばされ、何か堅い物にぶつかり止まった。


ぶつかった物を見るとそれは巨大な樹だった。先程の奴の魔法でもそれは全く焼けた跡が無く、表面はゴツゴツとしていて普通なら堅くて冷たい印象を与えるがそれは不思議と暖かさを感じた。

俺は安心を求めてか、それに触れた。


そして俺は木に吸い込まれた。



最近になってミスチルを聞きながら執筆していると全く筆が進まないことに気づいた千葉です。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ