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樹当千  作者: 千葉
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十八話 迫る

なんだか主人公がどんどん強くなっていきそうな今日この頃。


おかしい、こんなはずでは!?

「なぁ、どう思うイツキ?」

「それでいいんじゃないか」

「適当に言うな!これは世界平和のための第一歩なんだぞ!!」

「・・・宗教をつくることがか?」

「ユレイア様という唯一絶対神を崇拝する宗教ならそうなって当然だろう?」

おかしなことを言い出したナーガに俺は何度目かわからないため息を漏らす。

「あのなぁ、ナーガ。まず神なんていないぞ」

「イツキの世界では神はいないのか!?」

ユーリィが驚いたように俺に訪ねる。

「えっ!?なろうとした人ならしっているけど、俺はまだ会ったことないから完璧には信じていないぞ」

俺の頭の中で少年漫画に似合わない高笑いする黒い主人公を思い浮かべる。

「あのなイツキ、こっちの世界には神が実在するんだ。そっちの世界はどうだが知らないが十以上の神は実際に確認された歴史をもっているんだ」

「ガチですげぇな」

「そしてその神を深く信仰することで人は神から力を受け取ることができる、それが神の存在のもう一つの証明でもあるな」

「てことは、師匠も」

「もちろんカナゼ司教も神力を持っているぞ、イツキとの戦いでは使わなかったがな」

「更に師匠は魔法も使えるんだろ、無敵じゃないか。」

「いや、神力か魔法のどちらか一つしか生物はもてないんだ。それは古くから定まっていて例外は無い。」

いろいろあるんだなこの世界は


日が暮れかけていたのでその日は森の中でキャンプをすることになった。


「ユレイア様、今夜の夕食でございます。」

「あぁ、ありがとう」

「ほら飯だ受け止めろや、イツキ」

「ちょっ、投げんな!」

なんだがユーリィのときと対応違いすぎることは無いか?

不満を持ちつつもそこらの獣肉の骨からとったスープとパンを食べ始める。

・・・・米が食べたい。

飯を食べ終わった後は焚き火の前で俺の相棒である槍をぼろ布で磨く。

光沢が出るまでじっくり磨いてたら興味深そうにユーリィが近寄ってきた。

「やけに槍を大事にするな」

「この世界に来る前まで武器なんか持ったことは無かったし、自分の初めての武器だがらよけいにな」

「私も幼少のころ初めて父親から剣をもらったときは嬉しくて寝るときも離さなかったからわかるぞ」

ずいぶん物騒なぬいぐるみだな。

「ユレイア様の幼少のころの話が気になります」

夕食の後片付けをしていたナーガが急に混じってきた。

「たしかにユーリィの過去は知りたいな」

「そうだなこれから冒険する仲間だから言っておくのも悪くないな。」


 回想

「さぁユレイア来い!」

「わかりました父上」

剣を片手に持ち振り下ろすがあっさりと父上に受け止められてしまう。

「ユレイア!剣は両手で掴め!」

「でも父上は片手で」

「お前にはまだ早い!そらっ、隙だらけだぞ!」

これもまたあっという間に剣を吹き飛ばされてしまう。

「もっとよく相手を見ろ!体勢は低めに、隙を見て剣を振るえ!」

「はい父上!」

「よし朝まで打ち合いだ!」

「はいっ!!」


「えっ!?ユーリィはその時何歳?」

「四歳だが?」

「ちなみに最後のお父さんの言葉は実行したの?」

「当然だろ。七歳までは毎日このパターンでそれから先はかなりいろいろな場所に連れてかれたな。餌に飢えた狼の群れの中とかな」

おそろしい経験を積んできたんだな、俺の師匠がものすごく優しく思える。

「さすがユレイア様だ!!」

なにがさすがなんだ!?そしてユーリィも照れるな!

「なんだか気疲れしたから、そろそろ眠るか?」

「あぁ夜更かしはユレイア様のお肌の天敵だからな」「そうするか」

俺は近くの木に左手を置き、その隣のもう一本の木との間にハンモックをつくる。

もちろんかなり寝心地がよくしてある。

そのまままったく曇りの無い夜の星を見ながら寝た


同刻

「大変です教祖、報告によりますとついにあのシンの森の遺跡から生還者が出たようです!」

初老に近い灰色の修道服を纏った男が重厚なつくりのドアを蹴破るように入り、教祖と呼ばれた端整な顔立ちの黒髪の青年に報告をする。

青年は机の上に積まれた書類を端に寄せて話しを聞く体勢をとる。

「数百年振りに生還者が出たか。してその生還者とは?」

「なんでもエルフと見間違うほどの美人と怪しげな赤いローブを身にまとった男だそうで」

彼はそれを聞き面白そうに笑う。

「なんだかおもしろそうな話をしてるジャナイ」

「ちょうどいいとこに来たなローグ」

まるで聖職者に見えない赤い髪をして耳に何個もピアスをつけた男が眠たそうにドアから現れた。

「また面倒事だったらお断りジャナイ」

「今回はお前も興味がありそうな話だぞ、なんたって魔導具がらみだからな」

「本当かい!?だったらまたコレクションが増えるジャナイ!早速殺りにいってくるジャナイ」

「やつらは中央部に向かっている、おそらく行き先はレイドだろう」

「あぁ、楽しみジャナイ」

「あまり民衆は殺しすぎるなよ、情報操作が面倒臭くなるからな。」

「そういうのはそっちにまかせたジャナイ、あと一人助手を連れてくジャナイ」

教祖はため息をついた。



作者は読者分を栄養に生きております。


無論、死ぬまで!

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