十六話 また図書館で
入館料が少し必要だったが蔵書数は50万以上ある大規模なものだった。
中に入ると真ん中が三階分の吹き抜けになっていて学者らしき人があちこちで見られた。
読書家の俺はここにいまだ見たことの無い書物たちが眠っていると思うと興奮してくる、ハァハァハァ。
とりあえず興味が惹かれたタイトルの本を一冊ずつとっていき近くのテーブルに座り見始める。
『魔獣の生息地とその生態』なんかは興味深くておもしろかった。
なんでも魔界という場所があり、時折魔界の扉が開かれたときこの世界に住む魔獣の何倍もの強さの魔獣が現れるらしい、めったにそんなことは起きないらしいが。
なかでも一番は『危険な植物たち~その攻撃手段と生息地~』だ!
俺の能力を使えばこの植物たちが普段は絶対生息しない場所に突如発生することになるな。
なんて愉快なんだ!
花の花粉を吸い込むことによって幻覚を見せるムゲン草や、植物型のモンスターを俺は操られるだけ操れるなんておもしろすぎる!
魔法が使えなくてもこの能力があれば十分だ、少し前のおちこんでいた気持ちはすっかり晴れた。
さっそく帰って師匠に悪夢でも見せようかな。
師匠の家に帰るとパーンという音と共に、
「今日はお前の惨敗会だ!おめでとう!」
と師匠がクラッカーらしきものを鳴らして俺を迎えた。
「今日はお前の好きなものを揃えたぞ、さぁドンドン食べろ!」
俺はこの腹ただしい状況をひとまず置いて、先にテーブルについているユーリィにこっそり事情を聞く。
「なんでもあれからメイハ教のシスターに散々もてはやされたらしくてな。すごく機嫌が良くなって今に至るというわけだ。」
「あの爺は調子に乗ってるというわけだな」
「まぁ、そんなところだな」
あの爺には一度きつい制裁を加える必要があると判断した!年甲斐もなく女どもの言葉にのせられるとは愚かな。
「おい!今日はお前のための会だぞ、主役がそんなところにいてどうする!さぁ来い」
「はい師匠、今行かせていただきます」
今だけ従ってやるよ糞師匠!だが明日貴様は後悔することだろう。
その後宴会は深夜まで続いた。師匠の自慢話がほとんどですごくつまらなく、途中ユーリィは明日の試合のためにさっさと退散してしまった。
「師匠も明日は試合でしょう、さっさと眠りましょう」
「う、うむそうだな」
そういいながら師匠を寝所に送る。
師匠は案の定酒の影響もあってかすぐにぐっすりと眠り始めた。
俺が待ちに待ったショウタイムがやってきた。
「あの死ぬほどつまらない時間を味あわせた恨み!思い知らせてやる!」
主人公はなかなか黒いです。
あと最近お気に入り登録が増えました/////
すごく読者の皆さんには感謝しております。
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