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再会

「フローライト第6話」です。

夏が過ぎて秋が来た。翔太にラインを送っても既読すらつかなかった。きっとブロックされてるのかもしれない。


あの日、しばらく距離を置こうと言われた日、明希は自分の部屋で大声で泣いた。初めてそんな風に泣いた。しゃくりあげるのが止まらなかった。


そしてもうあれから二か月以上、ああきっと自分は振られたんだなと思った。変なトラウマのせいでもう男性とはつきあえないのかもしれない。


専門学校から帰宅してぼんやりとしているとスマホが鳴った。いつもスマホがラインを告げると、翔太かもしれないと虚しい期待を抱いてしまう。


手を伸ばしスマホを見た。


<明希、元気?>とそれは利成からだった。


あの個展以来、利成はこうやってたまにラインをくれた。前に「また会おうね」と言ってくれたけれど、利成が忙しいのと明希も翔太に遠慮していたのでそれはまだ実現してなかった。


<うん、元気>


元気じゃないけどそう言った。


<最近、ユーチューブやらないんだね>


<うん、何か学校が忙しくて>


<勉強難しい?>


<まあ・・・資格も取らなきゃならなくて>


<そう。今度の日曜日はヒマ?勉強忙しい?>


<日曜日はヒマだよ>


<じゃあ、会おうよ>


(え?)と思った。でも会いたかった。翔太はもういないのだ。


<うん、いいよ>


<○○美術館で○○展やってるから一緒に行こう>


<うん、それはどこにあるの?>


美術館なんて行ったことがなかった。


<迎えに行くよ>


<うちまで?>


<車出すから>


(え?車?)


<車って?>


<免許持ってるから>


<そうなの?>


(えー・・・そうか・・・そうだよね。高校を出るときにまわりの人たちは皆免許を取りに行くと言ってたっけ・・・そうだ・・・翔太も言ってた・・・)


 


当日車に乗って利成が明希の家の前まで来た。父に利成のことを言うと、「利成君?」と一緒に出てきた。


「ご無沙汰してます」と利成が何だか大人とおんなじに挨拶をしたのでちょっと可笑しかった。明希の中ではまだ利成のイメージは小学六年のままで止まっているのだ。


助手席に乗り込むといい匂いがした。車の香水か利成がつけてるのかわからなかったけれど・・・。


「明希はまったく変わらないね」と言われた。


「そうかな・・・利成は・・・」


「何?」


「かっこよくなった」と言ったら利成が笑った。


 


美術館に到着すると入場料を利成が払ってくれたので少し焦って言った。


「私も出すよ」


「いいよ。俺が誘ったんだから」


「でも・・・」


「いいから」と言われて「ありがと」と小さく言った。


絵は人物画が多かった。一枚一枚丁寧に見て歩いた。しんとした美術館の空気が心地よかった。


「利成も人物画描くの?」


熱心に利成が見ているので聞いてみた。


「あんまり描かないんだけど、ちょっと挑戦してみようかな」


「うん、利成ならきっと上手に描けるよ」


そう言ったら利成が明希の顔を見たので、明希はほんとにそうだという意味をこめて笑顔を作った。すると利成が言った。


「明希、モデルになってくれる?」


「えっ?!」


 


(やー・・・どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・)


家に帰ってから悶絶する。


── 来週土曜日うちに来て。


(どうしよう・・・)


モデルなんて自信ない・・・。枕を抱いてまた悶絶する。


それに恥ずかしい・・・利成に見られちゃうんでしょ?


(どうしよう、どうしよう、どうしよう)とまたベッドの上でゴロゴロと悶絶した。


 


約束の土曜日、利成に教えてもらった住所にJRとバスを乗り継いで到着した。十階建てのマンションの八階の一室を利成はアトリエで使ってるという。


マンションのエントランスに入って利成の部屋番号を押したら、すぐに利成の声が聞こえた。


「どうぞ」


入り口の自動ドアが開いて明希はエレベーターで八階まで上がった。


部屋の中に入ると絵の具の匂いがして、絵が描かれたキャンバスが所狭しと置かれていた。


「すぐわかった?」と聞かれて「ちょっと迷った」と答えたら利成が笑った。


「ここ元々住んでたんだけど、親が別なところに引っ越すって言うからそのまま譲ってもらったんだ」


「そうなんだ、おばさんやおじさんは元気?」


「元気だよ。明希のこと言ったら懐かしがってた」


「そっか~私も懐かしい」


 


利成が入れてくれたコーヒーを飲みながら少し話した。それから利成が立ち上がって少し散らばっていた絵の具や筆なんかをよけて場所を作った。壁の前に椅子を置く。


「上半身だけ描いてみるから、足は動かして大丈夫だよ」と言われた。


「でも、私でいいのかな?」と何だか恐縮した。


「明希がいいんだよ」と利成に笑顔で言われて恥ずかしくなって赤面した。


利成がキャンバスに木炭で下書きをしていく。どんな風に描いているのか気になるけれど、顔の向きはなるべく変えないでと言われた。


利成にじーっと見られて最初は物凄く恥ずかしかったけれど徐々に慣れるものだ。一時間もすると足をぶらぶら動かしたりして退屈になってきた。チラッと見ると利成は物凄く集中している。ふとあの小学校での金賞を取った利成の絵を思い出した。


「利成、ちょっと話してもいい?」


「ん?いいよ」


「あの小学校の時の金賞の絵ね」


「うん」と利成は手の動きを止めないまま答えた。


「何でつまんないって言ったの?」


そうだ、あの時一緒に市役所まで絵を見に行った時、利成は自分の絵を「つまんない絵」と言ったのだ。


「あれはつまんない絵だったからね」


「どうして?すごく上手だったよ?」


「ただの模写だよ。誰でも描ける」


(えー・・・)


「私は描けないよ」と言ったら利成が少し笑ってから言った。


「明希も学校で一緒に描いたでしょ?」


「描いたけど、あんなうまく描けないよ」


「模写なんて別にある意味どうでもいいんだよ。うまいも下手もない」


「えー・・・それはうまいから言えるセリフだよね」


「ハハ・・・そう?」


「少し休憩する?」と言われて「うん」と立ち上がった。ちょっとじっとしてるだけがこんなに大変だとは・・・。


部屋の窓から外を見ると川が見えた。


「川があるんだね」


「ん、そう」と利成が明希のすぐ隣に立って一緒に窓の外を見た。利成との距離が近くてドキドキとした。


その後また一時間少し座って利成の描く姿を見ていた。利成の目は真剣で完全に絵の世界にいっているように見えた。


(何かに没入できるのっていいな・・・)


そう思った。明希のは歌が好きだったけれど、時々カラオケに行って歌ったり、ユーチューブにアップするくらいだった。利成みたくこんなに集中してやったことはない。


「じゃあ、この辺で続きはまた次回にしよう」と利成が言ったので、明希は腕を伸ばして伸びをした。


「疲れた?」と聞かれる。


「ううん、大丈夫」


「コーヒーと紅茶と日本茶、どれがいい?」


「あ、えーと・・・紅茶」


「オッケー」と利成がキッチンに行く。明希は二人掛け用の小さなソファに座って改めて部屋の中を見回した。壁に立てかけてあった真っ白なキャンバスの後ろにオレンジ色のキャンバスが見えたので、明希は立ち上がってその白いキャンバスをよけてみた。


(あ・・・)


全面がオレンジ色だった。ただそのオレンジ色の中にも色んな色があって物凄く綺麗だった。


「それだいぶ昔に描いたやつだよ」と聞こえて振り返ると、利成が紅茶のポットとカップをテーブルに置いていた。


「昔ってどのくらい?」


「引っ越ししてからすぐくらいだから・・・中一くらいかな」


「へぇ・・・中一で描いたの?すごい・・・綺麗・・・」


「明希はきっとそういうと思った」


「え?そう?」


「うん。どうぞ」と言われてテーブルの前に座った。


利成は男性だったけれど、他の男性みたく変な意識をしないで済んだ。やっぱり幼い頃を知っているからだろうか・・・。


「ユーチューブ、出さないの?」といきなり聞かれた。


「え?んー・・・最近はあんまり歌う気分じゃなくて・・・」


「そうなんだ」


「うん。利成は?」


「何?歌?ユーチューブ?」


「どっちも」


「大学でバンド組んでるから歌は歌ってるよ」


「えっ?そうなんだ。すごいね」


「明希は○○ってバンド、好きなんだろ?」


「うん」


「そればっかり歌ってるものね」


「うん・・・他はあまり知らないの」


「ハハ・・・そう?」


(あ・・・)と急に翔太とバンドのライブに行った日のことを思い出した。胸がズキンと痛んだ。


ふと目を手許に移すと、オレンジ色の紅茶が揺れていた。自分の心もまだ翔太のことで揺れていた。


「明希は彼氏いるの?」と利成に聞かれた。ハッとして顔を上げると利成が微笑んでいた。


「ううん・・・いない」


そう言ってうつむいたら泣きそうになった。


「そう。じゃあ、俺とつきあおう」と言われて今度はびっくりして顔を上げた。


「え?だって利成には?」


「いたら言わないよ」と利成が笑った。


「そうなんだ・・・」


明希はうつむいた。当然あのトラウマのことが頭に浮かんだからだ。


「やっぱり誰かいるの?」


そう聞かれて顔を上げたら今度は真剣な目で利成がじっと明希を見ていた。


「ううん、いないよ。でも・・・」


「でも?」


「私、振られたばっかりなの」


「そうなんだ」


「だからまだその人のことが残ってて・・・」


「そう」


「だから・・・」


「まだ好きなの?」


そう聞かれてハッとしてからまたうつむいた。


(まだ好き・・・なのかな・・・)


「わかんない」


そう答えた。


「そう。じゃあ、つきあおうよ」


「でも・・・」


「でも?」


(いきなりセックスがトラウマだなんて言えないよね・・・)


「何でもない」


「じゃあ、明希もオーケーってことでよろしくね」


利成が微笑んでいた。そうだ利成って昔からこんな風に穏やかだった。


「うん・・・」と答えた。トラウマは今は置いておこうと思った。


 


それからお互いの都合の合う日に利成のアトリエに通った。利成は大学の他に色々忙しくらしく、そんなにしょっちゅうというわけではなかったけれど・・・。


けれど「つきあおう」と言われた日からラインは毎日くれた。おかげで今まで翔太のことを思って長かった夜がつらくなくなった。


利成とつきあって二か月ほどたったクリスマスの次の日にまたあのアトリエに行った。絵はだいぶ完成に近かった。


「年末は明希はどうするの?」


一段落して利成が入れてくれたコーヒーを飲みながら話していた。


「どうもしないかな・・・いつもと同じ」


「一緒に初詣行こう」


「初詣?すごい人だよ」


「ハハ・・・そうだね。人嫌い?」


「んー・・・人混みは苦手」


「でも人混みにもまれるのもたまにはいいよ」


「えー・・・」


「一緒だから大丈夫」


「んー・・・」と曖昧に答えたらまた利成が少し笑ってから、不意にソファに座っている明希の隣に移動してきた。


(あ・・・)と明希は緊張した。利成だから大丈夫だと思っていたけれど、身体はまた勝手に反応した。


肩を抱かれて引き寄せられた。


(どうしよう・・・)


ついに困る事態に事が進み始めた。交際が長くなればだんだんこういう風になっていく。利成とて例外ではないのだ。


頬に利成の手が添えられて口づけられた。心臓がバクバクと鳴り始めた。それはきっと普通のドキドキではない、違う意味でのバクバクだ。


利成に抱きしめられる。絵の具の匂いがした。


(でも、利成なんだし・・・大丈夫かも・・・)と淡い期待を自分にかける。


(大丈夫、大丈夫)とお題目のように心で唱えてみた。そのままソファの上に押し倒されて、上から覆いかぶさるように今度は口づけられる。でもキスは優しかった。


利成の唇が首筋に移動していく。


(落ち着いて、大丈夫、大丈夫)とまた自分に言い聞かせた。


もし拒めば、またトラウマを見せれば、翔太の時のように捨てられてしまう・・・。


(大丈夫)と心で必死で唱えていると利成の動きが止まった。それから起き上がって明希から身体を離した。


(え・・・?)と思う。どうしてやめたのだろう。


ソファに横になったまま利成を見た。利成が気が付いて微笑んでから明希の身体を起こしてくれた。


「あの・・・利成?・・・私、変だった?」


あー何か失敗したのだろうかと不安でいっぱいになった。


「明希、物凄く緊張してたから」


その言葉を聞いてすごく焦った。


「そ、そんなことない」


「んーそう?」


「そう、大丈夫」と真剣に利成の顔を見つめた。


(あー私、翔太に振られたこともトラウマになってる・・・)と思った。誰かと付き合うたびにトラウマが増えてくなんて・・・。


「そう?でも今日はやめとくよ」


「な、なんで?」と必死になってしまい、利成に少し面食らったような顔をされた。


「明希はしたいの?」


「えーと・・・」


そこで言い淀む。したいっていうのとは違う。できればしないで通り過ぎたいところだ。だけど利成に捨てられるのが怖かった。


うつむいて考えていると「また次回にしよう」と利成に言われてしまった。


 


初詣は夜のうちに家を出た。父に利成と初詣に行くと正直に言ったけれど、特に何も言われなかった。利成はやっぱりどこか信用があるのだ。


(あーやっぱり・・・)とひどい人ごみに尻込みした。利成としっかり手をつないでお参りの順番を待った。夜中に堂々と出かけられる日・・・カップルも多かった。


ようやく人混みから逃れて神社の外に出た。「大丈夫?」と利成に聞かれて「大丈夫」と答えた。


「明希、大丈夫じゃない時は大丈夫じゃないって言わないと・・・。小学校の時もそうだっただろ?」


利成がそう言ったので明希は驚いて利成の顔を見た。小学校の時のこと、利成は覚えていてくれたのだ。


──  明希、大丈夫?


あの男の子に押されて転んだ時、利成が言ってくれた言葉・・・。


大丈夫じゃなかったけれど大丈夫だと答えた。


「う、うん・・・」


利成が手を握って来てから言った。


「このままアトリエにおいでよ」


「うん・・・」と答えた。利成ならわかってくれるかも・・・とまた少し期待を持ってしまう。


 


アトリエに着くと利成が暖房を入れていた。外にいたせいですっかり身体が冷えていた。


「何か飲む?」と利成が上着を脱ぎながら言った。


「うん・・・あ、自分でやるよ。いつもやってもらって悪いから」と立ち上がって明希もコートを脱いだ。


キッチンでお湯を沸かしていると、利成もキッチンに入って来てカップをだしていた。


「ココアでも入れる?」と言われて「うん」と返事すると、利成がカップにココアの粉を入れ始めた。


二人で向かい合ってココアを飲んだ。甘さがちょうどよかった。


「利成はお酒飲まないの?」


ふと思いついて言った。翔太はしょっちゅう飲んでいたのを思い出す。


「飲むよ」


「そうなんだ。でも飲んでるところ見たことない」


「明希といる時は飲んでないよ。明希は飲むの?」


「んーたまにかな」


「そう。お酒は何飲むの?」


「ワインとかウイスキーとか・・・」


「そう。アルコール高めだね」と利成が笑った。


「利成は?」


「ワインとかカクテルとか・・・でも何でも飲めるよ」


「そうなんだ」


「明希、今日泊れる?」


(あ・・・)と身体がその言葉だけで強張ったのがわかった。でも「泊まれるよ」と答えた。


 


ココアを飲んでからシャワーを借りた。心の準備をしなければとシャワーを浴びながら祈った。


(大丈夫、絶対)


よし!と気合まで入れて脱衣所から出た。


寝室に初めて入った。ベッドが置かれていて枕もとの照明が良い雰囲気を醸し出していた。少し経ってシャワーをかけた利成が部屋に入ってきた。


「少し狭いかな」と利成がベッドの布団をめくってから「どうぞ」と言われる。


「うん・・・」とベッドに上った。横になっている時に利成も隣に入ってきてベッド横の照明を少し暗くしている。


それから口づけられた。でも優しいキスで恐怖心はわかなかった。


(あ、大丈夫かも・・・)と思った。きっともう大丈夫・・・。だって利成だし・・・。


目を閉じた。利成の唇を肌で感じながらいつもの恐怖心が来なかったのでホッとした。


けれど・・・。


利成の唇が胸に移動する。それから利成の手がズボンの中に入って来た途端、身体が急に強張った。


(あ・・・どうしよう)と思った次の瞬間またあの恐怖心が襲った。


利成の手が下着の中に入ってきた。


(怖い・・・)


震え出しそうになったのを必死でこらえた。今叫べば、すべてが台無しになってしまう。利成を失ってしまう・・・。


それでもズボンと下着を下ろされた時にどうにもできなくなった。


「ヤダ!怖い!」と無意識に叫んでいた。利成の手が止まる。


「明希?」


「怖い!ヤダ!やめて!」


もがいて利成から逃げようとした。


「明希?待って。落ち着いて」


尋常でないものを感じ取ったのか利成がそう言う。


「やだ!やめて!」


また叫び声が出た。ずっと我慢していたものがあふれ出たみたいに止まらなかった。


「怖いよ・・・」と顔を隠して泣いた。


さっきのスタンドが明るくなった。利成がつけたのだ。


「明希、落ち着いて。何にもしないから。大丈夫」


それでも「怖い・・・」と泣いていると、利成が起き上がってベッドから降りて、顔を隠している明希の手を包み込むように手を添えた。


「大丈夫だから」


何度か利成に「大丈夫」と言われてだんだん落ち着いてくる。


ようやく顔を隠していた手を外すと、心配そうな利成の顔が見えた。と、同時にもう利成のことを失ったと思った。やはりトラウマは治っていなかったのだ。


「ちょっと待っててね」と利成が部屋から出て行く。少ししてから少しぬるめのお茶を持ってきた。


「ハーブティーだから、落ち着くよ」と言われた。確かに一口飲んだらホッとして自分を取り戻した。


明希がベッドの上に起き上がると利成が隣に座った。


「何で言ってくれなかったの?」


利成が言った。


「ごめんなさい・・・」


ようやくそれだけ言った。


「前の彼氏に振られたってこのせい?」


「うん・・・」


「明希・・・」と肩を抱かれて利成に引き寄せられた。


「明希は変わってないな・・・大丈夫じゃないことは言わないとダメだよ」と利成が言った。


「ん・・・」


「どうしてこうなったの?」


「高二の時に無理矢理されて・・・それから・・・」


「それは前の彼氏じゃないよね?」


「うん・・・」


ああ、利成にわかってしまった。もう利成も私を捨てるだろう・・・。そんな思いでいっぱいになっていく。

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