謎×謎
「問題でーす。股の下から手が生えているもの、なーんだっ?」
娘の問いかけに私はぎょっとした。
股の下から手が? 股の下から足以外のものが生えるというのか?
「そ、そんな化け物いるわけないじゃないか!」
めっそうもない!という表情で、私は娘に訴えかける。
「もう、パパー。これなぞなぞだよー。本気で考えちゃだめー。」
「あ、ああ、ごめんごめん。ちょっと本気になりすぎてしまったな。
いやぁ、ちっともわからないよ。」
「答えはねー、人形劇のお人形さん!」
ああ、なるほど。言われてみれば股から手が出ているな。
うーん、子どもの視点というのは実に面白いものだ。
「なっちゃんはかしこいなぁ。パパよりかしこくなるぞ、きっと!」
えっへん、と言って娘は人指し指を前に突き出す。
「じゃ、もう1問!
パパがいる時にはいなくて、パパのいない時にはいるもの、なーんだ?」
はて? 私がいる時にはいて、私がいない時にはいるものとはなんだろう?
ふと、なぞなぞが解けたとき、私はついにやけてしまった。
「わかったぞー。ずばり、“幸せ”ってやつだなぁ!」
「ぶぶー。残念でしたー。
答えはね、ケンジおじさん!」
おい、誰だよ、それ・・・。