ナスカの地上絵、踏み潰し災害の難を逃れる『付近を通ったが、中に立ち入ったり線状を踏むことはしなかった』 地元ガイド『一般観光客の地上絵に対する問題の方がよっぽど大きい』
(2025年5月18日 12:10配信)
2025年5月18日、ペルー南部のナスカ台地で、古代ナスカ文化が残した巨大地上絵が、身長1000メートルの女子高生の通行による被害を免れたことが確認された。世界的に貴重な文化遺産であるナスカの地上絵に対する影響が懸念されていたが、彼女は地上絵の付近を通行する際、遺跡エリアに直接立ち入ることなく移動したことが衛星やドローンによる観測で判明した。
地元の観光ガイドや専門家たちは一様に安堵の声を上げる一方で、「実際には観光客のほうが長期的に見て深刻な脅威になり得る」と指摘する声も挙がっている。以下は、地元住民や関係者、専門家たちの証言をもとにした詳細な報告である。
付近を通るも遺跡は無傷
女子高生は5月17日の午後、ナスカ台地の北側から進入し、夜までにその広大な平野を通り抜けた。その際、彼女が地上絵エリアのすぐそばを歩いたものの、描かれた線の上に直接足を踏み入れることはなく、遺跡に影響が及ぶことはなかった。
観測を続けているNASAの発表によると、彼女の足跡は地上絵の線から数百メートル離れた場所に集中しているという。ペルー文化庁の担当者は次のように述べた。
「彼女がナスカの地上絵に気づいていたのかどうかは分かりません。しかし、結果的に地上絵の破壊を回避できたことは幸運でした。このような結果は、文化財保護において非常に重要です。」
地元ガイドの証言
ナスカで観光ガイドを務めるリカルド・メンデス氏は、今回の出来事に対してこう語る。
「彼女が地上絵のエリアを避けたのはまるで計算されたように見えました。私たちは当初、彼女がすべてを踏み潰してしまうのではないかと心配していましたが、結果的に地上絵への損害はゼロでした。」
また、同氏は、観光客がナスカの地上絵に与える影響のほうが大きいと指摘する。
「観光客が無許可で地上絵エリアに立ち入り、その上を歩いたり、車両を走らせるケースは後を絶ちません。女子高生の通過に比べると、日常的に行われる観光客の行動のほうが地上絵を傷つけるリスクが高いのです。」
観光業界への影響
女子高生の存在がナスカの地上絵に関心を集める一方で、観光業界には複雑な感情が広がっている。地元のホテル経営者であるエステバン・ガルシア氏は次のように語る。
「女子高生の通過が話題になったことで、観光客が急増するのではないかと期待する声もありますが、それ以上に懸念が大きいです。観光客が増えることで地上絵がさらに危険にさらされる可能性があります。」
ナスカ台地の観光地はこれまでも過剰な観光客対応や環境保護とのバランスに苦しんできた。今回の女子高生の通過による注目度の上昇が、地元にどのような影響を与えるのかは未知数だ。
一般観光客が抱える問題点
ナスカの地上絵は、風化や自然災害による損傷だけでなく、観光客の無自覚な行動による被害が大きな課題となっている。たとえば、地上絵を間近で撮影するために規制区域に侵入する観光客が後を絶たない。また、一部の旅行者がモーターバイクや四輪駆動車を持ち込み、地上絵付近でレースを行った事例も報告されている。
地元住民のマリア・ロサスさん(42歳)はこう語る。
「観光客がここに来るのは経済的には良いことですが、地上絵を守るためにもっと厳しい規制が必要です。女子高生よりも、むしろ人間のほうが地上絵を傷つけることに無関心です。」
遺跡保護の専門家の視点
遺跡保護の専門家であるフェルナンド・トーレス博士は、今回の女子高生の行動に注目しつつも、長期的な課題を指摘する。
「女子高生が遺跡エリアを避けたことは重要な出来事ですが、これは偶然の結果かもしれません。文化遺産保護において最も重要なのは、人間がそれらを守る意識を持つことです。観光業界、政府、地元住民が協力して、ナスカの地上絵を未来の世代に残す努力を続ける必要があります。」
博士はさらに、女子高生の巨大な足跡がナスカ台地周辺の土壌構造に影響を与える可能性についても懸念を示した。今後、科学的な調査によってその影響を検証する必要があるという。
女子高生の次の目的地は?
女子高生は現在、ナスカ台地を南に進んでいるとみられており、次にどの地域に向かうのかが注目されている。一部の専門家は、彼女がさらにアンデス山脈を横断し、ボリビアのティワナク遺跡やチリ北部のアタカマ砂漠方面に進むのではないかと予想している。
一方で、彼女の行動パターンにはまだ多くの謎が残されており、その動きを予測するのは困難を極める。ペルー政府や国際機関は引き続き彼女の行動を観測し、その影響を最小限に抑えるための対策を検討している。
新たな注目を集める地上絵の未来
今回の出来事を受けて、ナスカの地上絵は世界的な注目を再び集めている。だが、それは必ずしもポジティブな意味ばかりではない。観光客増加による過剰な負荷や文化遺産破壊のリスクを回避するためには、慎重な計画と対応が求められる。
巨人である女子高生の通過によって傷つけられることなくその存在を保ったナスカの地上絵。この奇跡的な結果が、文化遺産を守る意識を高める契機となることを願う声も多い。ナスカの未来は、私たち人類の行動にかかっている。




