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七章 約束の草原

 高校生活を忌忌(いまいま)しく生活していると夏休みに入ってしまった。

 宿題に出てきた研究レポートやら以外はすべて授業中に終わらせたが、なんでこんなことを學而生徒にやらせるのだろうか。

 「お兄ちゃん今良い?」数枚の紙を持って入ってきた。

 「良いけどどうした。」

 「この宿題わからないんだけど。」研究レポートと書かれた宿題を持ってきていたのだ。

 日本国の中高生に新しく研究レポートを書くのが義務化されたのかと思ってしまった。

 「わかったこ宿題は私がやっておくから他の宿題をやっておきなさい。」

 「ありがとう。でもお兄ちゃんにもレポート出てるよね。」(慥かに私の高校の宿題でもレポート課題は出ている。)

 「なんでわかったんだい。」

 「朝のニュースでやってたよ。新しく中高生にはレポートの宿題が義務化されたって。」当然かのように言う。

 「嘘だろ。」驚愕していると急に意識が遠のいていく。

 

 目を開けると天上が広がっていた。

 何だ夢か安堵していると「お兄ちゃん今良い?」

 「良いけどどうした。」

 「この宿題わからないんだけど。」研究レポートを見せてきた。

 「もしかして朝のニュースで、中高生にレポート課題をやらせるのが義務化されたりとか話してなかったよね。」

 「なんでわかったの。」

 これが本当の正夢か。

 (夏休みって言っても何も。)

 スマホの画面を見ると水戸さんから連絡が入っていた。

 (今日も図書館か。全然通える程度の距離だな。)

 「ってことで留守番は頼んだよ。」

 「あ、ちょっとお兄ちゃん!行っちゃった。宿題わからないから聞こうと思ったのに。」

 

 図書館でいつも通り勉強をしていると、「今回の宿題でこレポート課題を出されたんですけど、どうやって良いかがわからないんですよ。」

 「私も同じようなの出されてるから大丈夫ですよ。一から教えますから。」

 「ありがとうございます//」

 そうして夏休みの一日々々を、図書館で水戸さんと過ごした。

 

 そんなある一日。

 (今日は夏風邪で寝込んでしまうな。連絡しないと。でも起き上がれないし。仕方ない後日連絡するか。)

 暫く寝ていると「御免下さい。」誰かが玄関で話している声で目が醒めた。

 「お邪魔します。」そう言って私の部屋に水戸さんが入ってきた。

 寝たふりをしておこう。

 「寝ちゃってますね。」

 (何をしているのだろう。)

 「ちょっとだけなら良いですかね。」

 徐々に温かみと吐息が聞こえるようになり始めた。

 急いで目を開けると目の前に水戸さんが顔を突き出していた。

 「何してんの。」

 言った瞬間顔を引っ込め恥ずかしそうにしている。

 (驚かしてしまったかな。)

 「水戸さん大丈夫。私立ち上がれないから見えないけど。」ガラガラの声で言う。

 「起きてたんですか?聞いてたんですか?恥ずかしいです。」

 「ごめんなさい。」

 「私は天野くんが心配で来たんです。」

 「それは本当にありがたいが寝てれば治るし大丈夫だから。」

 「そんなに一緒にいるのが嫌なんですか?私達一応お付き合いしてますよね」どうしても一緒にいたい様子だった。

 「ここにいていいよ。」そうして今日は夜まで私の部屋にいた。

 翌日電車内でその話をすると恥ずかしそうに俯向いていたが、満足したのか心躍ったのか手を繋いできた。

 (今日は学校で部活か。忙しいな高校生って。)

 水戸さんの高校に着き、私までなぜ呼ばれたのかがわからない。

 教室に案内され運動会があることを知らされた。

 「この日にやるから見に来てね。保護者席空いてるから。」

 「わかりました。私のところは既に終わってしまったので。」

 (文化祭もやるのかそれも誘われるまで待ってみるか。)

 

 家に帰ると妹が待っていた。

 「お兄ちゃん。この宿題教えてよ。前から言ってたのになんで答えてくれないの?」

 「ごめん。そのレポートは私がやっておくから他の宿題をしてて。」

 「わかった。それでお兄ちゃんとあの女の人は付き合ってるの?」

 「まぁ、そうだよ。」

 「そうなんだ。」

 「それがどうかしたのかい。」

 「うん、うん、なんでもない。」

 不信感を抱きながら床に就いた。

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