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混戦の中で後退するしかない


 連合軍側は、防衛線を下げつつも帝国軍部隊に抵抗し続けている。



「この距離なら外さないっ!」


「ウガアアーー」


「グオーーーーーー!?」


「グアアアアッ!!」


 ナタンは、次々とAMDカービンの照準を、ゾンビに合わせつつ発砲する。


 それにより、動く三体の死者たちは、頭を撃ち抜かれた事で力なく倒れてゆく。



「やったぜ…………」


「ナタン、気をつけてっ!」


「上からも来、ぐわっ!?」


「グオオーー」


 ナタンは、ゾンビを倒した事で安堵するが、そんなに悠長している暇はない。



 グランマッシュが、上から来る、ホオジロサメ・ゾンビの右目にパチンコ玉を当てる。


 タバティエール銃を構えた、ダンターも撃とうとしたが、防弾板ごと、ゴリラに押し倒される。



「このっ! このっ!」


「グオーー」


「ダンター、今助けてやるぞ」


 腰の鞘から、ショートソードを引き抜いた、ダンターは、ゴリラに必死で刃を振るう。


 そうやって、反抗している内に、ワンガリが投槍エンペレを奴の脇腹に深々と差し込んだ。



 こうして、連合側は何とか抵抗していたが、急に地面が爆発した。



「爆発音がっ!」


「砲撃かっ?」


 大聖堂側から爆発音が鳴り、道路に空いた穴からワラワラと大黒アリの大群が現れた。


 さらに、その後ろからは、ゾンビとマッチョ・ゾンビ達が、一気に突撃してくる。



 連合軍兵士とアラビ人兵士たちは、混乱しながら慌てるしかない。



「不味いぜ、これは死んでしまうわ…………」


「グオーー!?」


「だが、殺るしかないよっ!」


「グアアアアッ!!」


 ゾンビの頭に、細剣エスパダ・ロペラを差し込み、腹を蹴りあげる、ジュジース。


 ゴリラの眉間に、思いっきり丸石を投げつける、エスメラル。



 二人は、敵の戦力が増えた事で、後退しなければ成らないと思う。



「◤◣●◥■◢□◢」


「突撃だっ!」


 さらに帝国軍の方には、増援として、シュトルムZ&アスカリ部隊が現れた。



「不味い、こちらの増援を上回る数だ?」


「それでも、やるしかないっ!」


「ギアーーーー!? …………」


「ぐああああっ!?」


「◤◢■◥■◢◣□っ!!」


 ナタンが弱気になると、スタッロは強酸性矢ストロング・アシッド・ボルトを放つ。


 これにより、多数の大黒アリとゾンビ達が、強酸性ガスにより溶けていく。



 シュトルムZ&アスカリ部隊兵も、かなりの数が殺られていく。



「怯むなっ! 特殊弾兵は、さっさと撃ちまくれっ!!」


「ですが、敵の火力も? ぐわあっ!」


 ツェリンは、部下に命じて、ゾンビ化する弾丸を撃つように指示する。


 しかし、目の前で話していた、防弾兵を突然榴弾が吹き飛した。



「味方のハンヴィーだっ!」


「アイアンクラッドも来てくれたぞっ!」


 ナタンが叫ぶと、ヨルギオスも、チラリと背後から現れた増援部隊を目にする。


 味方車両部隊は、コロニー通りから猛スピードで走ってきた。



 ハンヴィーからは、Mk47ストライカー自動擲弾銃から、榴弾を連射し続ける。


 アイアンクラッドも、走行しながらPKT車載機関銃を撃ちまくる。



「ぐわあっ!!」


「ガアーーーー!?」


「ぎゃあっ!」


「◤■◢◥◣…………」


 Mk47ストライカー自動擲弾銃から放たれる榴弾は、道路を纏めてえぐるように吹き飛ばす。



 アスカリ兵士は、爆炎に包まれてしまい、マッチョ・ゾンビは粉々に砕かれる。


 防弾兵は、爆風で体が宙を舞い、シュトルムZ兵は肉片と化した。



「はっ! そうか、黒人兵が撒いていた対戦車地雷に誘爆したんだっ!」


「ナタンッ!? 下がって来て、援護するわっ!!」


「ここからなら、狙えるっ!」


「早くしてっ! 建物内に撤退するのよっ!」


 ナタンは、味方がアチコチに爆弾を設置していた事を思い出した。


 そんな彼の耳に、メルヴェが叫ぶ声が背後から聞こえてきた。



 振り向いて見ると、ワリードとヌーラ達も三階の窓から武器を構えていた。


 しかも、窓や屋上から味方の小型ドローン部隊が現れた。



「撤退だっ! ありったけの手榴弾を投げてやれっ!」


「火炎瓶も投げてやるわっ!」


「上から支援するっ! 早く、来るんだっ!」


「煙幕弾、投下っ!!」


 スタッロが手榴弾を何個も転がすと、グランマッシュは迫撃砲弾と火炎瓶を放り投げる。


 ワリードは、LG5Sスナイパー・グレネードランチャーを構えて、アチコチの建物を攻撃する。


 ヌーラは、その横から何回も路上に発煙弾を投げて、白煙で帝国側から視界を奪う。



 こうして、連合側は撤退する隙を作った。



「うわっ!」


「ガウッ! ガウッ!」


「ぐああっ!」


「グオーーーーーー」


 だが、巨狼は逃げる白人レジスタンス員を、背後から襲いかかる。


 マッチョ・ゾンビも、防弾板で連合軍兵士を殴り付ける。



「うわああああっ!?」


「ガアガアッ!!」


「邪魔だ、ぎゃあっ!」


 ドローン部隊と空中戦を繰り広げていた、ゾンビ化した、メガロドン率いるホオジロサメ達が迫る。


 それに、連合軍兵士が上半身を噛み砕かれてしまい、下半身が前のめりに倒れる。



 また、プシュパの死霊術か、科学弾に殺られたかは分からないが。


 ゾンビ化した白人民兵が、逃げるアラビ人兵士に襲いかかった。



「はあっ! はあっ!」


「グオーーーー!?」


 ナタンは、ゾンビが立ちはだかると、AMDカービンのストックを力強く振るう。



「ガアッ!?」


「死ねっ! 退けろ」


 倒れた奴に、すぐ一発の弾丸を撃ち込むと、ナタンは再び走り出す。


 そうして、彼は再び走り出し、銀行の中へと入ろうとした。



 しかし、そこに何故か、エスメラルが待機しており、M202ロケットランチャーを構えていた。



「頭を下げなっ!」


「はあ?」


 エスメラルから言われた通り、頭を下げた、ナタンの頭上をサーモバリック弾が飛んでいく。


 それにより、帝国側を大穴付近を四発の弾頭が命中して、大爆発を起こした。



「ホラ、行くよっ!」


「分かってるっ!」


 エスメラルは、M202ロケットランチャーを捨てると、ナタンの右手を掴んで立たせた。



「そこの二人っ! 早く、こっちに来な?」


「こっちよ、こっちっ!」


 褐色肌で、真っ黒い瞳のインディオらしき女性兵士が、コルトM16、9ミリSMGを構えていた。


 彼女は、ビッグ・ウェーブの黒髪を7、3前髪ロングにして、左側に垂らす。



 また、右側には、骸骨ペイントをした、四白眼の黒人女性兵士が、手招きしていた。


 彼女は、黒髪カーリーヘアを7、3ポニーテールにしている。



 二人とも、受付のカウンターで、敵を待ち構えていた。



「アンタら、運が良いわね?」


「シルビア、来るわよっ!」


 インディオ女性は、シルビアと呼ばれ、上下に黄緑色の野戦服と防弾ベストを着ていた。



 もう一人の黒人女性は、クリーム・ベージュ・薄茶からなる砂漠迷彩服を着ている。


 そして、緑色の弾帯付き防弾ベストを装着して、首周りを後ろから襟型防弾装備が包んでいる。



 砂漠迷彩カバーのフリッツ・ヘルメットは、腰から下げられていた。


 その背中には、大型マチェットを容れた鞘がある。



「分かってる、ホラ? アンタらも銃を手にしないとね? あと、狙撃は頼むわよ、レジーヌ」


「任せて、早速一匹やったわっ!!」


「他の連中は?」


「心配は要らないよ、どっかから逃げているだろうから」


 シルビアは、コルトM16、9ミリSMGを連射して、大黒アリを次々と倒す。



 レジーヌと言われた兵士は、サーマルスコープを取り付けた、MKR、SS20狙撃銃を構える。


 そして、二脚をカウンターに載せると、すぐさま一撃を放ち、マッチョ・ゾンビを倒す。



 ナタンは、他の仲間たちを心配するが、エスメラルは丸石を投げて、ゾンビを見事に仕留める。


 こうして、郵便局内に後退した、連合軍部隊は、戦列の立て直しを図った。

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