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245/303

ここは南西にある、カラスの巣か?


 室内に、多数の敵兵が突入してきた事で、連合側は負け始めていた。



「来てるぞっ! 喰らえっ!」


 褐色肌のラテン系に見える、レステルはボサボサ髪が生えた頭を揺らしながら毒ガスを吹いた。


 彼の顔は、傷とすすまみれで分からなかったが、正体が毒撃兵スパルトイだった。



「ぐああっ!?」


「ぐぅ…………」


 噴出された緑色の毒ガスにより、突入してきた帝国軍兵士たちは倒れてしまう。



「こっちからも来てるねっ! 連中、砲撃を止めて突入に切り替えたようだっ!」


「援護するよっ!!」


 68式拳銃を発砲しまくるパトリシアの背後から飛び出た、フランシーヌは援護射撃を開始する。


 彼女も、ストックレスAKを乱射しながら突入してきた、帝国軍兵士たちを射殺する。



「ワーウルフが来るよっ!」


「分かっ!?」


 パトリシアとフランシーヌ達は、奥から現れた青ラバースーツの突撃兵ワーウルフを警戒する。


 二人とも、銃弾を乱れ撃ちしながら、奴を止めようとするが、動きが素早く一発も当たらない。



「そんな攻撃が当たるかっ!」


 ワーウルフは、一直線に走るのではなく、ジグザグに動き回る。


 しかも、壁を蹴ったり、四つん這いで跳び跳ねたりしながら突撃して来るのだ。



「不味いっ! 突破されるっ!」


「うわああああぁぁっ!」


「ぐあ…………」


 パトリシアとフランシーヌ達は悲鳴を上げて、死を覚悟した。


 しかし、ワーウルフの鋭く輝いた爪が、二人に届くことはなかった。



「どうやら、死んだようねっ!」


 メルヴェが、RDIストライカーを一回だけ撃ったからだ。



「散弾銃かい?」


「そうよ、でも残り弾数が少ないわ」


「それより、こっちからも来るぞっ!」


「分かっているわよ」


 フランシーヌの問いに、メルヴェは答えながら回転男装を見ると、残弾数が僅かだと分かった。


 その間、レステルは、ファマエ短機関銃を撃ちまくり、残弾がなくなった。



 パトリシアは、68式拳銃を撃ちながら、彼の背後に移動する。



 その間も、帝国軍兵士たちは、段々と向かってくる。



「クソッ! 弾倉を切り替えるよりっ!」


「支援するっ! 早く身を隠せっ!」


 ファマエ短機関銃を床に置いた、レステルは、コルト・コブラ、リボルバー拳銃を何発か撃った。


 彼の背後から、ナタンがAK12を連射しながら後退するように伝える。



「分かった、いったん離れる」


「敵は、まだ来るっ! 油断するなっ!」


 レステルは、左側の部屋へと退避しつつ、ファマエ短機関銃から弾倉を抜く。


 その間も、ナタンはAK12を何発か連射しながら敵を食い止める。



「連中、こっちに居るぞっ!?」


「装甲兵と防弾兵を前に出せっ!」


 帝国軍部隊は、叫びながらも部屋の入口などに身を隠しながら移動してくる。


 連中は、前面にRPKー74分隊支援火器を装備した、シュヴァル・リッターを押し出してきた。



 その後には、暴徒鎮圧部隊で使われる重装備に身を固めた、防弾兵が続く。



「不味いわっ!?」


「とにかく、撃ちなっ!」


 メルヴェは、RDIストライカーから素早く何発も散弾を放った。


 フランシーヌも、ストックレスAKを乱射しながは右側の部屋に逃げ込む。



「このまま、押しきってやる」


「させるかっ! うわっ!」


 前進してくる、シュヴァルツ・リッターに対して、ナタンは右側の部屋からAK12を出した。


 だが、その途中で奴が乱射した弾丸が機関部を破壊してしまい、黒い破片が飛び地った。



「おい、大丈夫かっ? 今は下がれ」


「分かってる、しかし…………」


 レステルは、左側の部屋からレミントン、モデル870を何回か発砲する。


 ナタンは、引き下がりながらも、MASー1935を取り出し、二丁拳銃で敵を待ち構える。



「もう、お前たちは終わりだっ!」


「クソッ! 来るなっ!」


「来ないで、ちょうだいっ!」


「いや、終わるのは、お前らだ…………」


 RPKー74分隊支援火器を連射しまくりながら移動するシュヴァルツ・リッターだが。


 奴を止めようと、ナタンは二丁の銀色に光るMASー1395を、ひたすら乱射しまくる。



 メルヴェも、床に伏せながら、サルマスシズK10を両手で構えて撃ちまくった。



 二人とも、流石に負けるかと思ったが、機関銃用の弾薬箱が後方から投げられた。



「は?」


「どうし、ぎゃあっ!」


「ぐわわっ!」


 弾薬箱の正体は、シェイプシプターが使う爆弾であり、中身は梱包爆薬が詰まっていた。


 これにより、帝国軍の突撃部隊は何人かが爆発で死んでしまった。



「く、怯むなっ! 前に?」


「ぐおお…………」


「進ませる訳が、ないだろ」


 残る防弾兵は、タカヤマのバレットM95から放った弾丸により、二人纏めて射殺されてしまう。



「一旦、引き下がるぞっ! 階段まで後退しろっ!」


「フラグ投擲っ!」


 装甲兵と防弾兵が居なくなった、帝国軍部隊は、後方へと退避し始めた。



「待てっ! 逃がすかっ!」


「待ちなさいっ!」


「おい、深追いはするな」


「それに、まだ外にも敵は存在する」


 ナタンは、二丁拳銃を乱射しながら帝国兵たちの背中を狙う。


 メルヴェも膝だちで、両手に握る、サルマスシズK10を発砲する。



 しかし、何の種類か分からない手榴弾を警戒して、レステルは敵を攻撃しなかった。


 タカヤマも、直ぐに部屋の中で行われる砲撃戦に戻っていった。



「ぐわっ! んん、これは?」


 帝国軍兵士が後退したあと、残された防弾兵の遺体から、ナタンは小銃を拾った。



「ナタン、まだまだ来るから気をつけてっ!」


「メルヴェ、分かっている」


 メルヴェは、左側の部屋に引き下がりながら、ナタンを援護射撃する。


 一方、彼は防弾兵の遺体を引きずりながら、AMDカービンを適当に乱射する。



「ここで、寝ていろっ!」


 ナタンは、部屋の入口まで来ると、防弾兵の遺体を床に置いた。


 エビテール型ヘルメットに、フェイスバイザー、全身を覆うプロテクター。



 そして、彼は青い制服から察するに、この兵士がフランシュ州出身だと推測する。


 おそらく、複数ある憲兵隊や特殊部隊から派遣されたのだろうと思った。



「弾薬は貰うぞっ!」


 部屋の中で、タクティカルベストを脱いだ、ナタンは二丁拳銃で敵を牽制する。


 そして、隙を見て防弾兵の遺体からベルトと弾帯を抜き取った。



「こっちから来たよっ!」


「撃ち殺…………?」


「まて、味方だっ! だから死んでくれっ!」


 パトリシアとフランシーヌ達は、敵が現れたと思って銃を構えた。


 しかし、現れた男は、赤ベレー帽を被る緑色の野戦服を着ていた。



 それで、油断した彼女らを、奴はMP5Kで狙い撃ちしてきた。



「ぐっ! このやろうっ!」


「死にやがれってのっ!」


「ぐわ…………あ、ああ」


 フランシーヌは、何発か銃撃を喰らったが、防弾ベストにより、肩を負傷しただけで助かった。


 そして、パトリシアとともに反撃して、変装兵ヴァンパイアを倒した。



「まだ、まだ、敵が来るね?」


「おいっ! 今度は正面から来たっ!」


「二人とも、助けてくれぇ~~!」


「この数は…………不味いです」


 パトリシアは、68式拳銃を構えながら敵が近づいてくる様子を伺う。


 そして、部屋の方から、ウェンとチュー達が救援を求めて来た。



 アイリーも、単発射撃しながら苦戦しているようだった。


 こうして、今度は帝国軍歩兵部隊が正面から攻めてきた。



「どうしたっ! うわっ!?」


「ぐがっ!?」


「うっぐぅぅ…………」


「この野郎っ!」


 ナタンが急いで部屋に飛び込むと、そこでは激しい白兵戦が展開されていた。


 女ワーウルフが、191式重機関銃を持っていた、チィーナ兵のアゴを蹴り飛ばす。



 ドライアドが、自衛隊員の首をコンバットナイフで切り裂く。


 帝国軍兵士の頭を、ワンは88式汎用機関銃を振り回して、銃床で勢いよく殴った。



「中で戦闘がっ!!」


「ヤバイねっ!」


「うああああっ! あ…………」


「うぐぅ? がっ!! が」


「こっちは、俺達が抑えるっ!」


「他の人は、部屋に行って」


 メルヴェは入ってくるなり、帝国兵をサルマスシズK10で撃ち殺す。


 フランシーヌも、AK用バナナ弾倉で、帝国兵の腹を叩き、次いで頭を何度も蹴飛ばした。


 部屋の外からは、パトリシアとレステル達が敵と交戦している銃撃音がする。



 こうして、帝国側は、あらゆる場所から建物を制圧しようと攻めてくるのだった。

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