リュージュ、屋敷を修復する
「……一応一通りは見たけど」
僕は屋敷内を見て回った。
とりあえず使えそうな物を広間へ持ってきた。
食器類とか農機具とかその他諸々を纏めて床に置いた。
勿論、長年使われていないので錆びてるし欠けている物もある。
「さて、纏めてやっちゃいますか」
僕は指先に魔力をこめてパチンと指を鳴らした。
すると道具は光りあっという間に新品同様な物になった。
僕が使える魔法の1つ、『修繕魔法』だ。
魔法には色んな属性がある、代表的な物で言えば『光』とか『闇』とかだ。
魔力がある者は大体属性が決まっているんだけど、中には属性が無い者もいる。
……それが僕なんだけどね。
しかし、属性が無い、と言う事は全ての魔法が使える。
……魔力量が人並み以上あったら冒険者になって魔獣や魔族と戦って功績をあげれるだろう。
残念ながら人並みの魔力しか無い僕はこの時点で魔導士にはなれない。
でも、そんな僕でも使える魔法があった。
それが『生活魔法』と言われる者だ。
生活魔法は魔力があれば誰にだって使える便利な物だ。
今みたいに修理は勿論、その逆で解体も出来るし他にもやれる事もある。
「うんうん、我ながら上出来だ」
新品同様になった物を見て満足する様に頷いた。
「次は屋敷の修繕だな」
この後、僕は屋敷の壊れている部分を修理した。
結果としてはなんとか人が住む事が出来るくらいにはなった。
「さて、次は土地の改善だな」
屋敷を出て僕は外を改めて見た。
「まずは水源を確保しないといけないな……」
この荒れ果てた土地を緑豊かな場所にする。
まず、それが第一目標だ。