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クレイドル〜忘れられし天使の都〜  作者: アルス
第2部 クレイドル〜地底に眠りし龍の楽園〜
54/59

第25章 * 脱出 *

小型の翼竜からシエラさんを守るように魔術で撃墜しながら、塔の内部へと進んでいく。

塔の内部はほぼ壊滅状態で、塔を成すための資材が剥き出しで危険な状態となっている。


「前方は任せろ!!」


そう言うとトライは灼腕の魔力を全力にして、前方の障害物を溶かし切っていく。


「なら後ろは俺たちに任せな!!」


アールさんが勢いよく叫ぶと、迫り来る翼龍たちを鮮やかに魔力を宿らせた雷槍で

撃墜していく。


「俺たちも守りを固めるぞ!!」


「ええ!!」


バリスさんとシャルさんが片翼ずつに分かれて、追撃してくる飛龍や上空から降り注ぐ

鋼鉄の資材の雨を弾いていく。


私はーー


私は!!!


「トライ!!」


気付けば彼の名前を呼んでいた。


「フィ!? 突然どうしたんだ?」


トライは迫り来る大量の鋼鉄を灼腕により溶かし続けている。

私は無言でトライの横に陣取る。


「フィ! ここは危ないってーー」


トライは必死に制止してくる。


「私もやる」


ふんすと鼻を鳴らしながら、魔力籠手をトライへと差し出す。


「さっきのやつ、もう一回やろう!」


私は自信満々に灼腕の魔力を欲した。


「……くく、あはは!!」


トライはポカンとした表情から、急に笑い出した。


「な、なによ?!」


私は顔が熱くなるのを感じながら、若干怒り気味に聞き返してしまった。


「いや、何でもない! フィ、力を貸してくれ!!」


灼腕を私の籠手にコツンとぶつける。

魔力出力を抑えているだろうに、とんでもない魔力の奔流を感じる。

それと同時に、暖かさも。


「それじゃいくよ!! トライ!!!」


「ああ!!!」


二つの灼腕が魔力を解放していく。

真紅の腕が両腕として形作られていく。


今までよりもさらに勢いよく、二人は道を切り開いていく。


HYUOOOOOOOOOOOO……


その背後に、崩壊音に紛れて暗雲が迫っていることも知らずに。


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