第19章 * 流星 *
――それは、銀色の祝福だった。
永遠の安らかさを相手に与える。
ただ、それは不死ではなく、真逆の絶対的な死であった。
「ぐゥうううおおおおおお!!?」
魔術槍を放ったユアンさんの腕が白骨化していく。
ユアンさんが放った魔術槍はそのまま、大樹の表皮を食いちぎり、その本来の
銀色の鱗までを穿った。
その傷口から溢れ出たのは、ユアンさんの求めていた龍血ではなく、大量の銀色の
粒子だった。
それをはじめに大量に浴びたユアンさんは、自身を持ってその効力を体現した。
「体が全て消えていく?! これが、これが地底の果てまで旅した者への返答だと言うのですか!!?」
振り絞る声もろとも、ユアンさんは骨だけを残し、散っていってしまった。
「逃げろ!! 一歩でも遠く、ここから!!!」
全員が呆気に取られている中、鬼気迫る声が響き渡る。
脇腹の傷から大量に出血している中、リンさんはその銀色の瘴気を風の魔術で左右へ散らし、こちら側を守ってくれていた。
「う、うわあああああああ!!!」
指揮者を失った旅団は散り散りに逃走を図るが、大気に舞う銀色の粒子はそれを許さず、次々に白骨の山を純白の大地に積み上げていく。
「くそ! これ程の広範囲範囲とは……!!」
リンさんの魔術を持ってしても、僅かな範囲を守るのが限界だった。
その安全地帯を目指し、私は走る。
「あと、少しッ!」
安全地帯一歩手前で瘴気の勢いが増した。
待って、今ここで瘴気の量が増えたら……!!
過る死。
眼前に色濃く迫る瘴気から、逃げる術のない私はゆっくりとーー
……ゴォォォォオオオオオオオオ。
――死ぬのだろうと理解する頭をよそに、聴覚が異常を感知する。
鈍く、しかし尋常でない速さでナニカが頭上へ迫っていることに。
偽物の空を背景に、蒼と紅の色をを含んだ流星が目の前へ流れ落ちた。
「ごめん、遅くなった!!!」
爆音と共に、彼は懐かしい声で、私の前に降り立った。
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