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クレイドル〜忘れられし天使の都〜  作者: アルス
第1部 クレイドル〜忘れられし鋼鉄の都〜
18/59

第17章 * 別れと再会と *

俺とシャル、アルクがバリスの元へ集まった。


「バリス、おい大丈夫か!?」


「はは、慌てんな。魔力を使いすぎただけだよ」


「まったく、心配させないでよ!」


シャルは相変わらず怒っていた。

しかし、その裏から安心したことも感じ取れた。


3人が互いの無事を喜ぶ中、アルクは静かに倒れたミカゲへ寄り添っていた。


「ミカゲ……」


「アルク、カ……?」


ミカゲはゆっくりとアルクを見た。


「ええ、遅くなってごめんなさいね。ようやく、私たちの冒険が終わるわ……」


「ソウカ……、長イコト夢ヲ見テイタヨウダ」


ミカゲは虚な目で話す。


「兄貴……」


バリスが息を整えながら、ミカゲの元へ来た。


「バリス、済マナカッタ……。コレデ仲間ヲ守レ」


『薄明』がバリスへ手渡される。


バリスは複雑な感情を押さえ込み、それを静かに受け取る。


虚ろな目でアルクを見てミカゲは、これで最後だというふうに力を振り絞って話す。


「……アルク。これからも、一緒にいてくれるか?」


ミカゲの声が昔の優しい声音へと戻っていく。


「ええ、いつまでも一緒です」


アルクがそういうと、ミカゲは微笑んだ。


何も言わなくなったミカゲの体が灰となり、朝焼けの空へ舞う。


灰となったミカゲを抱きしめていたアルクの身体もまた、崩壊が進んでいた。


「アルクさん、体が……」


アルクの異変に気付き、問いかける。


「ええ、あの人も私も魔力が枯渇してしまったみたいね。もうすぐ、あの人と同じ空に還るわ」


「そんな……」


トライはアルクの過去の出来事を思い出しながら、言うべき言葉が見つけられなかった。


「トライ、気にしないで。あの子達のことを守ってあげて」


そう言うと、バリスとシャルへ話しかけた。


「バリス、シャル、あなた達のこの先の無事を祈るわ。……いえ、今のあなた達なら心配なさそうね」


「アルクの姉さん……」


「アルクさん……」


これで言い残すことはないと言った風に、アルクは微笑んだ。


アルクの身体も灰となり、空へと還る。


――ありがとう。


舞い上がる風の中に、そんな声が聞こえた気がした。


「ほら、肩貸してあげるから立ちなさいよ」


「へへ、悪りぃな……」


シャルがバリスを起こして歩き始める。


――そうだ、まだこれで終わりじゃない。


ここからだ!!


心の中で気を引き締める。


そうして、目指すべき女神の塔を見据えようとした時だった。


――熱気、だった。


それは覚えのある、いや、忘れることのできない灼熱の予兆。


「シャル、バリスを!!!」


叫ぶと、すぐさま蒼腕を展開した。


GURUOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!


咆哮と共に鉄橋が獄炎に彩られる。


塵ひとつ残さないとばかりに、橋は爆炎に飲み込まれた。


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