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SOULとMATEー私のビジネスパートナーはオネエ口調のイケメン外国人ー  作者: 加阪あおか
補足章①:碧華おばさんウイルスに感染する
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桜木家大ピンチ③

我が聖球星に蔓延してしまっているケレートウイルス、重症化率は発生当初に比べて格段に少なくなり、周りの偏見の声も少なくなったとはいえ、まだまだ厳しい状況だ。


面と向かって誹謗中傷はしなくても影で誹謗中傷するやからは少なからずいる。

色んな人がいる。いい人も悪い人も

だが自分がピンチの時にこそ、上面だけいい人を装っているだけの人なのか、本当にいい人なのかがわかるものだ。


残念なことに、ここ日本では本気で碧華おばさんの心配をファミリー以外で心配してくれる他人はいないようだ。


暇だといろんなことを考えてしまう。そもそも碧華おばさんが寝こんでいたことすら誰も知らない

寂しいものだ。


さて、というわけで我が家は引きこもり生活只今四日目突入だ。

さすがに四日目になると、引きこもりも飽きてきた。


しかし、料理をしなくていいというのは天国だ。

そう、毎食すごくおいしい料理を食べている。不思議なことに食欲はあるのだ。

さて、料理は誰がしているのか?


正解は隣に下宿中のエンリーだった。

エンリーは碧華がウイルスに感染したことを聞くと、すぐに大学の近くのホテルから通っていたのだが、戻ってきて毎食おいしい料理を作ってくれていた。


娘達も見習ってほしいものだが、面とむかって言えないので素直に甘えている。

反省中だ、娘や栄治さんは料理ができない。家には食材もないときている。

正直エンリーが居なければ危なかった。


マスクをして夜中のスーパーに買い出しに行くところだった。

生きるためには仕方ないのかもしれない。それが駄目だというのなら飢えろと言われていることになる。


まあ、桜木家の場合救世主がいたのだ。

命拾いした。


なぜ断って娘達に作らせるとかしないのかって?

それはエンリーの食事がおいしかったからだ。

体が弱っている時は誰かに甘えたくなるものだ。

栄治さんは料理ができない。もちろん娘達も得意ではない

必然的に甘えてしまう形になってしまった。


大学は大丈夫かと、怖くて聞けない

駄目な母親だ・・・


しかしエンリーの栄養満点な病人食のおかげか

体力も気力も戻ってきた。そろそろ引きこもり生活も飽きてきている。

しかし自宅待機まで後少しの辛抱だ。


トントン

碧華がいる一階の和室の窓がノックされた。

碧華は布団から飛び起きて窓のカーテンを開けるとそこにはエンリーが立っていた。


「碧華ママ、体調はどうですか? 何か必要な物ありませんか?」

相変わらやさしい声が聞こえてくる。天使がいる。

碧華はボーっとそんなことを思っていたためか返答が遅れた。すると途端に心配したような声が

聞こえてくる。


「碧華ママ、まだ熱があるのですか?」


「あっ大丈夫よ。エンリーが食事用意してくれるから何も不自由してないわ。熱もないし

咳もかなりおさまってきてるわ。本当にありがとうね」

碧華は窓越しに元気アピールをした。エンリーはそれをみて安心した様子で頷いて見せた。


「栞ちゃんや優ちゃんも元気そうで発症していないみたいだし、碧華ママが重症化しなくて本当に良かった。後は咳を完全にでなるなるまでの辛抱ですね。何か食べたいものないですか?」


「なんでもいいわ、全部おいしいもの」

碧華の言葉に頭をかいて照れたような仕草をするエンリー

マジイケメンだ。碧華は手を振り返す。


「そうだ、昼食用意できたので食べて下さいね。あっそれからスマホどうなってます?」

「スマホ?」


「はい、さっき母から連絡が入ったんですけど、こちらのスマホに誰にもつながらないし家電もつながらないからどうなってるんだって? ほら広さん今妹さん家へ旅行中ですし、僕もまだ京都で忙しいから連絡してこないでって言ってあったから、今まで何も言ってこなかったようなんだけど、さすがに四日つながらないから大丈夫か見てこいって連絡がきたんですけど」


「え? スマホ、あああ~そう言えば私は全く触ってないわね。電源切れてるんじゃないかしら、そういえば栄治さんも会社用の携帯はよくなるけど、スマホは触っていなさそうだったわね。娘達はスマホは手放してなさそうだったけど、どうしたのかしら? あなたとは連絡してるんだよね。まったくどうせ面倒だからってでてないのよ。エンリー迷惑ばかりかけてごめんね。アトラスには後で連絡入れてみるわ」


「僕は大丈夫ですから、連絡だけ体調が悪くなければお願いします。あっ昼食温かいうちに食べてくださいね」


「了解、エンリーも無理しないでね。本当だったら娘たちが料理できたらよかったんだけど、元気なみんなの分も料理ありがとうね」


「いえ、栄治パパさんも仕事してますし、ついででですから」

エンリーはそういうと照れたように隣の家の中に戻って行った。


それを見送って碧華はいそいそと勝手口に向かった。勝手口を開けると、すぐ横に大型のクーラーボックスがあり、その中にホカホカの出来たてのお弁当が四つ入っていた。

使い捨てのお弁当箱とエンリーの手作りのスープが入っていた。

いたれり尽くせりだ。


碧華はその箱に手を消毒液で擦り合わせてから自分の分の中身を家の中に持ち込んだ。

まずはお昼を食べてからだな


どれだけアトラスのファミリーが心配しているかこの時の碧華は知る由もない

ただ目の前の温かいエンリーお手製のお弁当に目が釘付けになり自分の分を和室に運んでまずは食べることを優先した。栄治さんや娘達も後からとりに行ったようだ。


そうそう、ようやく放置していたスマホの電源を充電を開始しした。

四日目にしてようやく気力が戻ってきたようだ。


病気の症状は人ぞれぞれ、碧華おばさんの場合は比較的軽いようだ。

だけど、家族にうつさないが重要事項だ。引きこもり終了まで後三日だ。



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