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SOULとMATEー私のビジネスパートナーはオネエ口調のイケメン外国人ー  作者: 加阪あおか
補足章①:碧華おばさんウイルスに感染する
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桜木家大ピンチ➁

「ゲホッゲホッ」

はぁ…まいったな、まさかケレートウイルスにかかるとは


碧華は我が家の和室の天井を見上げ咳を幾度となく繰り返しながら

一人ブツブツ呟いていた。


碧華おばさんがケレートウイルス感染症に発症して今日で三日目だ。

聖球星で今世界規模ではやっているウイルス感染症の略称だ。

正式名称なんか知らない。知りたくもない。


しかし、ワクチン接種をしていようと症状が軽くなるだけで、かからなくなるわけではないらしい

それを実証してしまい地味にショックを隠し切れない碧華おばさんなのです。


毎回必ず出かける時はマスクをしていたし、外食なんて家族以外では日本ではずっとしていないのに

どういうわけか発症してしまった。


現在、まっ昼間から布団にはいり、クッションを背中につけ上半身だけを起こしながらボーっとしているだけだ。何もする気になれない。


部屋からどこにもいけないし横になると咳もひどいから寝るに寝れないし、じっとしているのが辛いのは初めてだ。


隣のリビングルームでは旦那の栄治さんがカタカタとパソコン作業をこなしつつひっきりなしにかかってくる会社からの電話対応をしている。ぞくにいうリモートワークをしているのだ。


二階では栞と優がそれぞれ自分の部屋に引きこもってオンライン授業を受けたり課題をこなしているようだ。多分・・・



さて、今年も秋に突入した頃になってもウイルスはかなり蔓延しており、多くの患者が苦しんでいるようです。テレビから流れる感染者数は減る様子をみせない

しかし、幸いにも今年に入って傾向が変わってきており


咳や微熱などの症状が出る人、無症状の人、重症化する人も中にはいるが、人それぞれだが、大半の人は軽症のようでケレートウイルスにかかると自宅療養がほとんどで、濃厚接触者となった家族もまた自宅療養でそれぞれ隔離生活をしているという状況のようだ。


そういう我が家でも碧華がこのウイルスに体の中へ侵入され、熱と咳に苦しんでいた。

碧華が陽性になったということで濃厚接触者ということで、碧華以外の三人とも五日間の自宅待機に入っていた。


栄治さんの会社でもケレートウイルス陽性者が出たようで、会社の一定数が休みだったり自宅勤務で数日間の自宅からのリモートワークになったりしているようだ。


そういう私こと碧華もディオレス・ルイ社からの仕事は中断し、只今和室の布団の中でグタグタ中

熱が微熱程度までさがったが、咳のせいでいかせん何もする気になれない。


この世の中、何が一番大切か

一番は健康という結論になる。体が辛いと何もできない


はあ・・・こんなふうに何もしないでダラダラしてるなんて久しぶりな気がする

碧華は暇を持て余して最近の事を思い返していた。


何がいけなかったのかまったく思い当たらない

桜木碧華、御年51歳

この歳になってようやく開花した才能もここ日本では完全なる無名のただのおばさんだ。

まあ、アトラスやその他の一部の国では少し詩集作家として有名にはなってきているが、日本では未発売というのもあって、日本には友達も仕事仲間もいない状況だ。


ましてや、近所付き合いもゼロ、なんならご近所さんと顔すらあわせていない。

まあ、日本では引きこもりおばさんをやっている。


だから家をでて車に乗って近所に食料を買い出しに行くぐらいで家の外では言葉を発するのはスーパーのレジで店員さんに袋はいりますかの問いにいりませんというぐらいだ。

もちろんマスクもきちんとつけていた。


あれか?たまに電車でお出かけしたのがいけなかったのか?

何が原因なのかまったく見当もつかない

人と会話をしなくてもかかってしまう恐るべきウイルス菌だ。


やっぱりあれか、マスクのすき間から侵入してきたのか?

顔にフィットしていない形だけのマスクは駄目だということか?


おのれ~ビオーサ神めえ~

なんてここでブツブツいっていてもしょうがない。


とりあえず目をつむろう。

したいこともない、する元気もないしな

こうして三日目を迎えて熱は平熱に戻ったが、相変わらず何もする気にならない、スマホの電源も切ったままだ


あっやばいな、今日もテマソンに連絡してないや

二日目の夜そんなことを思ったことを思いだした。


まあいいか、すぐ娘達のどちらから伝わるか

それかエンリーに連絡すればすぐわかるもんね。


碧華はそんなことを思いながら意識を消し眠りについた。

それからも寝て、食べて起きてをひたすら繰り返していたらすぐ夕方になる。


碧華は普段はアトラスの誰かと話しをするのが日常になっていたのだがそれから全く誰とも連絡を取らず、というより、スマホを完全に放置して電源すら入っていない状態でグダグダ生活を送っていた。何もする気になれないのだ。


三日目が過ぎようとしている夕方ようやくいつもの調子が戻ってきていた。


しかし、碧華はこの時まったく気付いていなかったのだ。

桜木家の誰一人、自分宛のラインや着信、メールなどを全員スルーしていて見ていないということを、栄治さんでさえ、会社用の携帯はなるが、自分のスマホの電源を入れ忘れていた。


更に最悪なのは自宅用の電話機が壊れていたということだ。

普段からほとんど鳴らない電話が壊れていることに気付いていなかった。


娘達はどうか? どうやら、家の中でパソコンでオンライン授業を受ける合間に、姉妹で部屋を挟んでライン通話を楽しんだりはしていたようだったが、ゲームをしたりと、引きこもりを満喫していたようで、海外からの電話には完全無視を決め込んでいたようだ。


まあ、栞はエンリーとだけは話していたようだが、優にいたってはライフからの電話にもまったくでていなかったようだ。


後日彼女たちいわく、説明が面倒、いろいろ聞かれるのがうっとうしそうだったと口をそろえて顔を背けながら言い訳をしていた。

まったく、この親にしてこの子ありだ。


そう、心配している人達からすると、異常事態なのだ。

なんと桜木家と連絡がつかない。日本に来ようにもビザが中々まだおりない状況になっているとかで来れない

アトラスでは大騒ぎになっているようだった。


そんなこととは夢にも思っていない碧華おばさんはまだ夢の中


桜木家始まって以来の一大事ピンチはつづくのだった。

さて、そんな状況で今まで主に食事全般を一手にこなしていた碧華おばさん、果たして誰が食事を作っているのか?

娘達か? それとも栄治さんか?


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