【第9話】夢の続き
…………う…ん?
僕は……生きているのか?
体が動くから多分生きているのだろう。
僕ははっとし、周りを見渡した。
ここは牢屋のようだ。落ちた時の記憶は曖昧だが、少なくともあそこからここに落ちたら間違いなく死ぬだろう。ということは別の所に落ちて、この牢屋にぶち込まれたのだろう。
…落ちるという言葉を思い浮かべるとさっきの本を思い出してしまう。あれは何なんだ?僕が来ることを想定して書かれた?それにあの本の主人公が夢の国へ行くためにしたことは?そしてあの喋るくまは?……分からない。僕の役に立たない脳でいくら考えたって分からないのだろう。せめてあの本の続きさえあればなぁ。…ん?よく見たら牢屋の中には本がある!なんの本だろう?
僕の夢の国3 作:(塗りつぶされている)
つかまった。わるいことしてないのに。
ここはぼくがかんがえてるせかいではないようだ。となりにはぽーかーくんがいる。うしろにはしらないひとだ。
ふたりはなにかはなしてたけど、ぼくにはなにもわからなかった。どうせぼくのわるぐちだろうな。…ああ、ほんとうのゆめのくににいけたらいいのに。どうしてこうなんだろう。…あれ!ろうやからでれる!あのふたりがなにかしたらしい。ぽーかーくんについていこう。
あのしらないひとはこないみたい。
ろうかにはたくさんのひとがいた。ぼくは衝動が抑えられそうになかった。あの人達が僕達の方へ来る。さぁこい!
けどぽーかーくんにじゃまされた。ぼくはすこししかじぶんをだせなかった。
これで良かったんだ。よくないよ!
ぽーかーくんはぼくのみかたではない。
ポーカー君は僕の味方だ。
正式に僕が登場人物になった。相変わらず訳の分からない内容だ。牢屋にぽーかーくんと居る?ここには僕以外居ないぞ。怖いこと言うなよ。
というか2巻はどうなっているのだろう?
1巻の終わりが「君自身とロミ·ポーカーだ」で3巻の始まりが”捕まった”だ。
…ん?少し今の状況に似ている気がする。初めに島に着いた時は夢のような場所には僕は少し場違いかなと一瞬思ったし、今は本どうり牢屋にいるのだ!これは今の僕を書いているのか?でもそれだったら訳の分からない所だらけなので違うだろう。意味もなく一瞬びっくりしてしまった。
さて、本のことばっかり考えていたが、
ここを脱出する手段も考えないとな。
この牢屋に使えそうな物は…あった!
壁から外れた鎖があった。冒険者用ポーチは何故か物を入れると重さを感じなくなるので、念の為持っていこう。
だが肝心の牢屋から出る為の物がない。
今冒険者用ポーチの中にある物といえば
鎖、図鑑、ロープ、ナイフ、小石ぐらいだ。
だが考える意味はなかった。
牢屋の鍵は開いていた。
なんでだよ!なんで牢屋に入れたんだよ!本を読ませたいだけか?図書館で僕が読んでるのを見て、興味があると思ったわけか?実際興味はあった訳だが。
まぁとりあえず牢屋からは出れたな。
廊下でもあるかなと思ったたが、廊下なんて物はなく、すぐ外へ出れた。
さて、ここまでは意外と順調だと思ったのだが、ここで問題発生だ。
ここどこ?