【第7話】仲間
眩しい
ついに森から出れたんだ。そこにある船のおかげでドっと安心感が湧いてくる。
そういえば地味にエコーバードは怪我してるんだよなぁ。お世話になったし治してやろう。「Heal」よし。ちゃんと傷は治ったし、そろそろ行かないとな。
「じゃあな、エコーバード」「ピィ!」
………なかなか離れてくれない。なんだ?どうしたんだ?まだ治してない所でもあるとか………一通り調べたが怪我は全て治っている。まさか別れを惜しんでいるとか?まぁ連れていきたいのは山々だがこいつにも親がいるだろう、勝手に連れていくのは駄目な気がする。まぁここまで連れてきて言えることではないが。
「ピィピィ!」まぁ船を出発させたらこいつも不安になって島へ戻っていくだろう。よし。行くか。
「今度こそじゃあな、エコーバード」……………………
ぜんぜん島に戻らない。羽ばたく気配も全くないのだが。どうしたものか、これは誘拐ではないのか?…まぁこいつが選んだことだ、僕は一切悪くない。だよな?
「ピ!ピ!」ん?なんだ?お腹でも空いているのか?ちょうど僕もお腹が空いてたからな。ちょっと釣りでもしていこう。念の為冒険者用ポーチから図鑑を取り出し、エコーバードは何を食べるか調べてみた。基本的になんでも食べる困らない子だ。よし、釣りでもするか。
僕は釣竿を構え、魚が来るのを待った。
…………来た!構えてから二分後魚が釣れた。大き目の魚だったので二人分には足りるだろう。よし!僕のナイフ捌きを見よ!シュシュシュ!我ながら完璧だ。料理するか悩んだが、エコーバードが食べ始めていたので僕も骨に気をつけながら食べることにした。……満腹だ。少食な僕には多すぎたが、エコーバードには少なかったかもしれない。あんな小さな体のどこに入るんだよ…意外に食いしん坊だな。…あ!そうだ!
「お前とかエコーバードとかじゃあ呼びにくいから名前を付けようと思うんだが、どうだ?」「ピィ!」元気よく返事する。こいつ人の言葉が判るのか?さて、言ったはいいが名前が思いつかない。こんな時人はどんな名前を付けるんだ?頭が回る人が羨ましい。うーん…………名前を考えてると図鑑のエコーバードのページに”ラウラリン”?と書かれていた。FIREやHealなどと同じように謎の書き方になっていたので読み方があっているかは分からない。だが、これで名前は決まったな。
「”ラウラ”という名前はどうだ?」
「ピィ!ピィ!」喜んでるっぽい。意味が分かってないので悪口だったらどうしようと思っていたのだが、喜んでるっぽいので良かった。………………………………………
いつの間にか夜になっていた。はしゃぎすぎたラウラはもう眠っている。「ふあぁぁぁ」いつもの大あくびをする。そろそろ僕も寝るか。寝る前に今回の事を思い出していた。あの島に宝はなかったが、あの島で初めての仲間ができたからな。内心すごく嬉しかった。「おやすみ」僕は疲れてたせいかすぐに眠れた。