【第4話】少年
蛇の像の口の中は滑り台のようになっていた。そしてその滑り台はある部屋の中へと繋がっていた。部屋の特徴は家具がなく、20段ぐらいの階段がありその先に宝箱がある。僕はその宝箱の前に立った。
「………」今までのことから多分この仕掛けを作ったのは子供だろうと思った。蛇に食べられろとか。そして子供のやりそうなことが思いついた。僕はとりあえずその宝箱を持ち上げてから手を離してみた。
「痛っ!」と宝箱の中から声がした。予想どうりそれは子供の声だった。
「よくもやったな!」と言いながら宝箱の中からその声の主が現れた。10歳ぐらいの少年だろうか、見た目の雰囲気がなんとなく蛇っぽい。
「くくく…だがそれが貴様に出来る最後の抵抗だ!」
「は?」つい”は?”という子供が傷付く返しをしてしまった。反省しないとな。
と思っていたら少年が短剣を持っていることに気づいた。
「危なっ…」「もう遅い!」意外と少年の動きは早かった。
反射神経には自信はあったのだがそれでも右手に刺さってしまった。そのままの勢いで僕は階段から転げ落ちてしまった。
「ほう…反応できるとはさすがだな」
「~~っ! 何が目的だ!」
「くくく…冥土の土産に教えてやる」死亡フラグだぞそれ
「俺様の目的は人の肉を食うことだ!」
人の…肉?「お前も気づいてるかもしれないが俺様は近くの島に偽の宝の地図をばらまいた!」初耳。
「そしてまんまと貴様が来た訳だ!」「お前蛇族か?」「まあな。だがそんなことはもはやどうでもいい!肉を食わせろ!」まるで狼のように襲いかかってくる少年にナイフを投げつけた。「ぐはぁ!」といいながらよろめく少年に刺さってるナイフを回収し距離をとる。対人戦だったら僕は容赦なくナイフで刺せる。その理由は「くたばれぇ!」油断していたせいで距離があったのに頬に傷ができてしまった。それから少年は短剣をブンブン振り回してたがそもそも少年は完全に短剣だということを忘れている。完全に普通の剣の間合いを考えて動いている。
「それ、短剣だよ。」「えっ?あ!………うるさい!」いくら動きが早くても単純な動きなら簡単に見切れる。
「そこだっ!」僕は隙を見て少年の足にナイフを投げつけた。フラフラしている少年に下段蹴り!他の人がこれを見ていたらなんて酷いんだ!と思うだろう。
「くそっこうなったら奥の手だ!みんな!行け!」ドカーン!
またもや壁が爆発して沢山の普通サイズの蛇達がきた。「FIRE!」なんとか魔法で足止めしている時に…「喰らえ!」ついに少年に刺されてしまった。
「ハハハ!どうだ!俺様の力は!」気づいたら僕は倒れていた。周りに蛇達がいてその奥に少年が居る。
「行け!蛇達よ!」その言葉に反応するように蛇達が襲ってくる。僕は一匹の蛇の尻尾を掴んでそれを振り回した。それに蛇達は一瞬怯んでしまっていた。そして蛇を少年の顔に投げつける!少年が怯んだ隙を見て僕は階段を登って行った。
「ハハハ馬鹿め!そこからでは逃げれまい!」「それはどうかな?」僕は冒険者用ポーチの中から宝箱の中にあった紙切れを取り出した。そして…「FIRE!」紙切れは勢いよく燃えだした。そしてそこから飛び降りて怯んでいる蛇達や少年の横を全速力で駆け出した。そして蛇達が出てきた壁へと一直線に走り出した。その時後ろから
「お前は逃げられない」という声が聞こえた気がした。