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海の旅人  作者: お花さん
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【第31話】魔法陣からこんにちは

村でロミと村人達と犬型の魔獣達が戦ってる時…ラウラは恐ろしい魔獣が住んでいるという洞窟の前に居た。

ティーさんの指示で洞窟の奥にある魔法陣を破壊しに来たのだ。

「多分この洞窟で会ってるよね?まぁ奥に行かないと分からないか。行こう。」

「そこの鳥さん。そこは危ないよ。」

洞窟に入ろうとすると一匹の鼠に声をかけられる。

確か…チューチュと言う種族の鼠だ。

「心配してくれてありがとうございます。でも行かなくちゃ。」

「へーー面白そうだね。僕も一緒に行っていいかな?」

「え?良いですけど…この洞窟は危ないんじゃ?」

「もっと危ない女の人をようやく撒いてきた所なんだ。そろそろどっかに隠れた方が良いと思ってた所さ。」

「そんなに怖い人に追いかけられてたんですか…」

まぁねと鼠さんは苦笑いを浮かべる。

「じゃあ行きましょうか。」

「そうだね。れっつらごー!」

僕達は声の反響を頼りに暗い洞窟を進んだ。
















「あっと、行き止まりだよ?」

「おかしいですね…この洞窟の奥に魔法陣がある筈なんですが…」

「いや、よくよく見るとドアがあるよ。鳥さん、僕じゃ開けれないからちょっと開けてよ。」

「分かりました。」

ドアノブを掴んで力いっぱい引っ張るとカチャンと言う音と共にドアが開いた。

中を覗いてみても案の定暗くて何も見えない。これじゃ魔法陣の場所が分からないなぁ。どうしよう。

「鳥さん鳥さん。壁にスイッチがあるよ。押して押してー。」

「あっほんとだ!押しますね。」

スイッチを押すとさっきまでの暗さが嘘のように洞窟内が明るくなった。

すると床に描かれていた魔法陣が見つかった!

「魔法陣あるけどこれで何するつもりなの?」

「ある人に頼まれてこれを壊すように言われたんですよ。」

「ふーん。まぁその方が良いよ。恐ろしい魔獣の住処にある魔法陣なんてどうせロクな物じゃ無いよ。」

「じゃあ壊しますね。ちょっと五月蝿いですから部屋から出るのをおすすめします。」

「あ、いやいいよ。せっかくだし見てみようかな。」

「分かりました。いきますよ?3…2…い…!?」

僕がお得意の鳴き声で魔法陣を壊そうとしたその時!魔法陣が光輝いた!

「ちょっとまずいかも知れない。早くこの部屋から出よう!」

「は、はい!」

部屋から出た時、後ろからおぞましい鳴き声が聞こえた!

後ろを振り返ると青白く光ったティーさんの様な魔獣が魔法陣から出てきた!

しかも一匹ではなく、パッと見た所十匹以上は居た。

「ガアァァァァァァア!!」

「ガウガアァァァァア!!」

「アオォォォオン!」

「やばいね。あのかんじ完全に僕らを食い殺すつもりだね。」

「何冷静に話してるんですか!早く逃げましょう!」

「そだね。幸いにも明るくなったから道に迷う心配はなくなったわけだし。」

逃げだす僕らを当然あの魔獣達は追ってくる。速さは五分五分ぐらいなのでこのまま行けば追いつかれる事は無いだろう。

いや、でも逃げてるだけではだめだ。

ティーさんは多分あの魔獣達が出てこないように魔法陣を壊したかったんだろう。

ならここで倒しておかないと…

「鼠さん。あなたは先に出ててください。僕はこの人達を倒さないと!」

「一人で倒すって正気?倒すなら協力してくれる人を知ってるから僕に着いてきて。」

「鼠さん…!ありがとうございます!」



















「はぁぁぁ。」

「どうしたんだ?女。」

「あ、黄泉三郎くん。」

「黄泉三郎くんって呼ぶな。気持ちわりぃ。」

「気持ち悪いって何よ!お化けのクセに!」

「今はてめぇも幽霊だがな。」

「あ、そうだった。……はぁぁぁ。私がお化けだからチューちゃんも逃げちゃったのかなぁ。」

「多分理由はもっと他にあると思うけどな。」

「えー?この可愛くて性格の良い私のどこに問題があるって言うの?……はぁぁぁ。これが失恋の気持ちか…。」

慰めるように隣に居る面ちゃんが肩を叩く。(幽霊だから透けてて叩けないけど)

「うーー面ちゃんだけだよ。私に味方してくれてるのは。」

「おいおい面ちゃんに抱きつくな。気色悪ぃ。」

「ふんだ。性悪お化けの言うことなんか聞こえませーーん。」

「てめぇはガキか。」

「あーあ。チューちゃんを求めるあまりチューちゃんの幻が見えたよ…」

「おーい!たーすーけーてー。」

「声が聞こえた!?あの幻喋るの!?」

「んなわけねぇだろ。馬鹿か。あいつは本物だ。」

「すいませんー!後ろに居るこの人達を倒してくれませんか!?」

「きゃーーー!チューちゃんの隣に居る鳥さんも可愛いー!おいでーよしよししてあげるよ!」

「んなこたァ後でしろ。まずはアイツらを倒せ。」

「あいあいさー!面ちゃん、身体を借りるよ。」

女性の幽霊は面ちゃんの身体に憑依し、手元にあった斧で魔獣達と戦い始めた。

「僕も手伝います!ピイイィィ!」

「あら、狼が吹っ飛んだ。鳥ちゃん強いのね。でも危ないからもうちょっと下がってな。」

面ちゃんとラウラは物凄い勢いで魔獣達に攻撃を仕掛ける。しかし、圧倒的な数の差でこちらが常に押されつつあった。

「まずいな。おい!ネズミ!ついて来い。武器を持ってくるぞ。」

「分かった!二人共、もうちょっと耐えててね。」

「ピイ!」

「合点承知之助!」

チューチュは頑張ってと言いたげな顔でこちらを見て、黄泉三郎とどこかへ行った。

「さてさて、その間にこいつらを身動き出来ないようにしたいんだけどなぁ。」

「じゃあ手に持ってるそれで木を切ることって出来ますか?その木の下敷きにしたら身動きが取れないと思いますよ。」

「けど木を切ってる時に大人しく待っててくれるかなぁ?」

「大丈夫です!僕が食い止めます。ビビビビ!」

エコーバード特有の独特な鳴き声を発すると魔獣が二体痺れた!

「残りの痺れなかった人達は僕が相手します!」

「ナイス!すぐ助太刀に行くよ!ふんっ!」

面ちゃんの見た目に寄らぬ怪力で、木は一発で倒れ、魔獣の上に落ちる。

魔獣達は案の定動けず、木の下でじたばたしている。

「もっかい同じ流れでやろ!」

「分かりました!ビ…」

「ガアァァァア!」

「ビ…」

「ガァウ!」

ラウラがお得意の相手を痺れさせる鳴き声を発せようとすると魔獣達は吠える事によってその声を聞こえないという作戦を実行した。

「流石に学んだ様ですね。他の場所なら別な手段で身動きが取れない様にできるかも!移動しましょう!」









「とりあえず例の湖にやって来たけど…」

「湖に飛び込んでください!」

「え。また濡れるのぉ!?そもそも私はあまり泳ぐの得意じゃ無いんだよ…」

「後で引き上げるの手伝いますから、早く!」

「ああもう!」

面ちゃんが湖に飛び込むとそれに続いて三匹の魔獣が湖に飛び込む。

しかし魔獣達は上手く泳げない様で水面に浮くのに必死になっている。

しかしまだ七匹の魔獣が陸に残っていた。面ちゃんも湖で魔獣達と一緒に必死になって泳いでるのでラウラ一人で残った魔獣達をどうにかしなければならない。

どうしようかと悩んでたその時、

「遅くなったね!戻ってきたよ!」

チューチュが変わった形状の物を背負ってやって来た!

そして帽子の中に隠し持ってた箱をラウラに投げた。

「鳥さん!その箱の中に棒があるからその棒と箱を勢いよく擦って!」

「こう?…うわっ!」

ラウラが言われた通りにやってみると棒に炎が付いた。

「それで僕の背中の物に付いてるヒモに着火して!」

「は、はい!着火しました!」

チューチュは背中に背負ってた物を外し、魔獣達の元へ転がした。



どっかーーん!


という音と共に三匹の魔獣が吹っ飛び、気絶した。

残る魔獣は後四匹!





「おい。女。てめぇ何遊んでんだ?」

「遊んでないもん!泳げないんだよ!」

「たくっ。おい。霊田、化け男。こいつを引っ張り上げるぞ。」

「「りょーかい!」」

「あ、ありがとう。助かったよ。」

「おい!俺達が取ってきたこの魔法剣をお前にやるぞ!苦労したんだぞ。なぁ化け男?」

「そうだそうだ!大事に使えよ。」

「えー魔法剣って何?」

「特殊な機能を持つ剣の事だ!」

「例えばこの剣の能力は切ったものを別な空間に送る…つまり切ったものが消えちゃう訳だ!」

「はえーーおっかないね。」

「それであの魔獣を切ってみろ。女。」

「了解!喰らえ!きえーる切りィ!」

剣で切られた魔獣達は言われた通り跡形もなく消えていた。

「おつかれさま。後は残りの魔獣達を切って別空間に送っちゃおう!」

「ええー?この剣で切ったら消えるの殺したみたいで嫌なんだけど。」

「大丈夫。別空間に行くだけだから。」

「はあぁーい」

残りの身動きの出来ない魔獣達を切りつけ、ひとまず洞窟から出てきた魔獣達は全員別空間に送られた。

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